
後染め製法、ベネトン帝国とも呼ばれる地域での低コスト分業などがベネトンモデルとして今やハーバード・ビジネススクール(HBS)のオペレーション戦略のケースとしても扱われている。はじめてアパレルを工業化したといわれるベネトンの功績は大きい。この本の最後にはルチアーノ自身がHBSに招かれ、大学院生からの質問に答えた記録も掲載されている。イタリアの貧しく教育もろくに受けられなかった4人の兄弟が世界の大企業ベネトンの経営者に成長して行くストーリーはオペレーションの巧みさ以上に不屈の精神を感じる。またルチアーノの愛人問題という脂ぎった性格の話題まであからさまに書かれていておもしろい。