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長谷川洋三『カルロス・ゴーンが語る「5つの革命』講談社

2010-08-05 23:52:59 | 経営戦略
カルロス・ゴーンがCOOとして日産に来たとき、日産には2兆1000億円の借入があり、前年度連結決算で140億円の赤字を出していた。
それをルノーから30名程度の役員と管理職を連れてきて、日産の600人の社員と面接して優秀な人材を発掘し、クロスファンクショナルチーム(CFT)で日産リバイバルプラン(NRP)を作成する。NRPでは、3年間で20%のコスト削減、3工場を閉鎖して工場稼働率を53%から82%に上げるなどの目標を掲げ、社員にコミットメント(目標の達成)を求めた。

ゴーンが再生のために行ったことは実に単純だ。
コストを徹底的に削減し、コアではない事業はすべて売って、その資金をコア事業に投入する。
その結果、初年度からの黒字、NRPの前倒し達成などみるみるスモールヒットを重ねて、ついに再生させた。

ゴーンは最後のインタビューで5つの変化を述べている。

①『弱み』が変わり「利益志向」になった
②顧客中心の考えになった
③CFTによって横断的な活動領域が全社に広がった。
④従業員が危機感を持つようになった
⑤中期計画の重要性がわかるようになった

ゴーンは「外国人だから改革なのか、外国人なのにできた改革か?」と問われてこう言っている。

「外国人だったことはマイナス。日本語がわからないから。しかし日産にはアウトサイダーによる改革が必要だった。今から思えばグローバルな経営の経験のある外部の日本人がよかったかもしれない」

しかし日本人が受けたゴーン・ショックは大きかったと思う。
鉄鋼業界の再編を促し、ソニーも外国人社長を据えるようになった。

この本を読んで、ゴーンはただの黒船ではなく、改革のための文化的な障壁を理解し、緻密に計画を練ったことがわかる。優秀なCFTをつくる土壌が日産に残っていたことも再生の大きな要因だろう。
ゴーンの生い立ちからくるグローバルな視野、ミシュラン、ルノーでの経験がこのリーダーを生んだことも成功要因だろう。

ゴーンの日産再生にはいろいろな教訓が詰まっている

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