今朝は、5年生の教室に読み聞かせに行ってきました
先日、絵本のチカラという記事で書きましたように
5年生のは、皆さん敬遠(!?)されるくらい
絵本の選択が難しいんですよ
なので、私がまず取り出したのはコチラ
ほんと、こういう大人も子どももクスッと笑える本はいいです
みんな、あはは、アハハ、笑ってくれました
そして子どもたちの注意を、オバチャンにひきつけたところで、
「ちょっと真面目な本を読むね。」と、この本へ入っていきました
題名は『いのちをいただく』。
食肉加工センターに勤める、坂本さんというおじさんが主人公です
坂本さんは、この、牛を殺して肉にする仕事がずっといやでした。
坂本さんの家には、小学三年生のしのぶくんという男の子がいて。
ある日、お母さんの都合がつかないので、
坂本さんは、小学校の授業参観へと出かけていきました。
その日は、社会科の授業で、
先生は「おうちのひとの仕事は何ですか?」と、皆に質問していて。
しのぶくんは、その問いに、小さな声で
「肉屋です。普通の肉屋です。」と答えていました。
坂本さんは「そうかぁ。」とつぶやきました。
でも。
帰宅してきたしのぶくんは「お父さんの仕事はすごかとやね!!」と。
帰るとき、担任の先生に呼びとめられて、
「坂本、何でお父さんの仕事ば普通の肉屋て言うたとや?」
と聞かれた、というのです。
「ばってん、カッコわるかもん。一回、見たことがあるばってん、
血のいっぱいついてからカッコわるかもん。」
「坂本。おまえのお父さんが仕事ばせんと、先生も、坂本も、
校長先生も、会社の社長さんも、肉ば食べれんとぞ。
すごか仕事ぞ。」
その言葉をきいて、いつかこんな仕事やめようと思っていた坂本さんは、
もう少し、この仕事を続けよう、と思いました。
そんなある日。いつものように、
次の日に殺される予定の牛を積んできたトラックの助手席から
10歳くらいの女の子が飛び降りてきました。
そして、そのまま、トラックの荷台に上がっていきました。
女の子は牛のお腹をなでながら、牛に話しかけていました。
「みいちゃん、ごめんねぇ。みいちゃん、ごめんねぇ。」
女の子のおじいさんは、こう、頭を下げました。
「坂本さん、みいちゃんは、この子と一緒に育ちました。
だけん、ずっと、うちに置いとくつもりでした。
ばってん、みいちゃんば売らんと、この子にお年玉も、
クリスマスプレゼントも買ってやれんとです。
明日は、どうぞ、よろしくお願いします。」
坂本さんはまた、「この仕事は、もうできん。」と思いました。
そして思いついたのが、明日の仕事を休むことでした。
家に帰り、坂本さんはしのぶくんに、女の子とみいちゃんの話をしました。
そして、明日は仕事を休むつもりだ、と言いました。
しのぶくんは、ふうん、と言いました。
その日、いつものようにしのぶくんと坂本さんが一緒にお風呂に入っていると、
しのぶくんは、こう言いました。
「お父さん、やっぱりお父さんがしてやった方がよかよ。
心の無かひとがしたら、牛が苦しむけん。お父さんがしてやんなっせ。」
それでも、坂本さんの決心は変わりませんでした。
次の日の朝「行ってくるけん!」と、玄関から飛び出したしのぶくんが
もう一度玄関を開いて、「お父さん、今日は行かなんよ!わかった?」
と叫ぶ声に、坂本さんは「おう、わかった。」と答えてしまいました。
会社に着いてからも、気が重くて仕方がありません。
牛舎のみいちゃんを見に行くと、
みいちゃんは他の牛がするように角を下げて、威嚇のポーズをとりました。
坂本さんは迷いましたが、そっと手を出すと
最初は威嚇していたみいちゃんも、
次第に坂本さんの手をくんくんと嗅ぐようになりました。
「みいちゃん、ごめんよう。
みいちゃんが肉にならんと、みんなが困るけん。ごめんよう。」
と言うと、みいちゃんは坂本さんに首をこすり付けてきました。
それから坂本さんは、女の子がしていたように腹をさすりながら
「みいちゃん、じっとしとけよ。
動いたら急所をはずすけん、そしたら余計苦しかけん、
じっとしとけよ。じっとしとけよ。」と言い聞かせました。
牛を殺し解体する、その時が来ました。
みいちゃんは、ちょっとも動きませんでした。
その時、みいちゃんの大きな目から涙がこぼれ落ちてきました。
坂本さんは、牛が泣くのを初めて見ました。
そして、坂本さんがピストルのような道具を頭に当てると、
みいちゃんは崩れるように倒れ、少しも動くことはありませんでした。
普通は、牛が何かを察して頭を振るので、
急所から少しずれることがよくあり、倒れた後に大暴れするそうです。
後日、おじいさんが坂本さんにこう言いました。
「坂本さん、ありがとうございました。
昨日、あの肉ば少しもらって帰って、みんなで食べました。
孫は泣いて食べませんでしたが、
『みいちゃんのおかげで、みんなが暮らせるとぞ。
食べてやれ。みいちゃんにありがとうと言うて食べてやらな、
みいちゃんがかわいそかろ?食べてやんなっせ』って言うたら、
孫は泣きながら『みいちゃん、いただきます。おいしかぁ、おいしかぁ』
言うて、食べました。ありがとうございました。」
坂本さんは、もう少し、この仕事を続けようと思いました。
‥という。実話らしいです
この本にはまだいろいろと続きがあるのですが。
その中に、魚の養殖業を営み、小学校などで講演活動もしている方の話も
載っています。講演会で子どもから
「大切に育てた魚を殺して食べることをかわいそうだとは思わないのか?」
と問われ、
「モジャコ(ブリの稚魚)を捕まえた時点で、
彼らは俺たちに育てられるように運命が変わってしまった。
だから大切に育てる。赤ん坊の頃からいい餌を食べさせて、
毎日、気を付けて目をかけちょる。そして、食べることによって、
その運命が全うできるわけじゃ。
一番かわいそうなのは、食べ残すことなんじゃ。」と答えた
と、そんな話も載っています
私たちが口にするもの。
それは全て、いのちある(あった)もの。
そのことを忘れた「いただきます。」であってはならない!!
そう、強く思います
5年生の子どもたちにも、
この思いが少しでも伝わっていれば‥と願います
先日、絵本のチカラという記事で書きましたように
5年生のは、皆さん敬遠(!?)されるくらい
絵本の選択が難しいんですよ
なので、私がまず取り出したのはコチラ
ほんと、こういう大人も子どももクスッと笑える本はいいです
みんな、あはは、アハハ、笑ってくれました
そして子どもたちの注意を、オバチャンにひきつけたところで、
「ちょっと真面目な本を読むね。」と、この本へ入っていきました
題名は『いのちをいただく』。
食肉加工センターに勤める、坂本さんというおじさんが主人公です
坂本さんは、この、牛を殺して肉にする仕事がずっといやでした。
坂本さんの家には、小学三年生のしのぶくんという男の子がいて。
ある日、お母さんの都合がつかないので、
坂本さんは、小学校の授業参観へと出かけていきました。
その日は、社会科の授業で、
先生は「おうちのひとの仕事は何ですか?」と、皆に質問していて。
しのぶくんは、その問いに、小さな声で
「肉屋です。普通の肉屋です。」と答えていました。
坂本さんは「そうかぁ。」とつぶやきました。
でも。
帰宅してきたしのぶくんは「お父さんの仕事はすごかとやね!!」と。
帰るとき、担任の先生に呼びとめられて、
「坂本、何でお父さんの仕事ば普通の肉屋て言うたとや?」
と聞かれた、というのです。
「ばってん、カッコわるかもん。一回、見たことがあるばってん、
血のいっぱいついてからカッコわるかもん。」
「坂本。おまえのお父さんが仕事ばせんと、先生も、坂本も、
校長先生も、会社の社長さんも、肉ば食べれんとぞ。
すごか仕事ぞ。」
その言葉をきいて、いつかこんな仕事やめようと思っていた坂本さんは、
もう少し、この仕事を続けよう、と思いました。
そんなある日。いつものように、
次の日に殺される予定の牛を積んできたトラックの助手席から
10歳くらいの女の子が飛び降りてきました。
そして、そのまま、トラックの荷台に上がっていきました。
女の子は牛のお腹をなでながら、牛に話しかけていました。
「みいちゃん、ごめんねぇ。みいちゃん、ごめんねぇ。」
女の子のおじいさんは、こう、頭を下げました。
「坂本さん、みいちゃんは、この子と一緒に育ちました。
だけん、ずっと、うちに置いとくつもりでした。
ばってん、みいちゃんば売らんと、この子にお年玉も、
クリスマスプレゼントも買ってやれんとです。
明日は、どうぞ、よろしくお願いします。」
坂本さんはまた、「この仕事は、もうできん。」と思いました。
そして思いついたのが、明日の仕事を休むことでした。
家に帰り、坂本さんはしのぶくんに、女の子とみいちゃんの話をしました。
そして、明日は仕事を休むつもりだ、と言いました。
しのぶくんは、ふうん、と言いました。
その日、いつものようにしのぶくんと坂本さんが一緒にお風呂に入っていると、
しのぶくんは、こう言いました。
「お父さん、やっぱりお父さんがしてやった方がよかよ。
心の無かひとがしたら、牛が苦しむけん。お父さんがしてやんなっせ。」
それでも、坂本さんの決心は変わりませんでした。
次の日の朝「行ってくるけん!」と、玄関から飛び出したしのぶくんが
もう一度玄関を開いて、「お父さん、今日は行かなんよ!わかった?」
と叫ぶ声に、坂本さんは「おう、わかった。」と答えてしまいました。
会社に着いてからも、気が重くて仕方がありません。
牛舎のみいちゃんを見に行くと、
みいちゃんは他の牛がするように角を下げて、威嚇のポーズをとりました。
坂本さんは迷いましたが、そっと手を出すと
最初は威嚇していたみいちゃんも、
次第に坂本さんの手をくんくんと嗅ぐようになりました。
「みいちゃん、ごめんよう。
みいちゃんが肉にならんと、みんなが困るけん。ごめんよう。」
と言うと、みいちゃんは坂本さんに首をこすり付けてきました。
それから坂本さんは、女の子がしていたように腹をさすりながら
「みいちゃん、じっとしとけよ。
動いたら急所をはずすけん、そしたら余計苦しかけん、
じっとしとけよ。じっとしとけよ。」と言い聞かせました。
牛を殺し解体する、その時が来ました。
みいちゃんは、ちょっとも動きませんでした。
その時、みいちゃんの大きな目から涙がこぼれ落ちてきました。
坂本さんは、牛が泣くのを初めて見ました。
そして、坂本さんがピストルのような道具を頭に当てると、
みいちゃんは崩れるように倒れ、少しも動くことはありませんでした。
普通は、牛が何かを察して頭を振るので、
急所から少しずれることがよくあり、倒れた後に大暴れするそうです。
後日、おじいさんが坂本さんにこう言いました。
「坂本さん、ありがとうございました。
昨日、あの肉ば少しもらって帰って、みんなで食べました。
孫は泣いて食べませんでしたが、
『みいちゃんのおかげで、みんなが暮らせるとぞ。
食べてやれ。みいちゃんにありがとうと言うて食べてやらな、
みいちゃんがかわいそかろ?食べてやんなっせ』って言うたら、
孫は泣きながら『みいちゃん、いただきます。おいしかぁ、おいしかぁ』
言うて、食べました。ありがとうございました。」
坂本さんは、もう少し、この仕事を続けようと思いました。
‥という。実話らしいです
この本にはまだいろいろと続きがあるのですが。
その中に、魚の養殖業を営み、小学校などで講演活動もしている方の話も
載っています。講演会で子どもから
「大切に育てた魚を殺して食べることをかわいそうだとは思わないのか?」
と問われ、
「モジャコ(ブリの稚魚)を捕まえた時点で、
彼らは俺たちに育てられるように運命が変わってしまった。
だから大切に育てる。赤ん坊の頃からいい餌を食べさせて、
毎日、気を付けて目をかけちょる。そして、食べることによって、
その運命が全うできるわけじゃ。
一番かわいそうなのは、食べ残すことなんじゃ。」と答えた
と、そんな話も載っています
私たちが口にするもの。
それは全て、いのちある(あった)もの。
そのことを忘れた「いただきます。」であってはならない!!
そう、強く思います
5年生の子どもたちにも、
この思いが少しでも伝わっていれば‥と願います
おばちゃんは読んでて泣きそうになったぞなもし。
(…何弁?)
いのちを頂く。
忘れてはならんことどすなあ。
人間も、ただの生物。
であるからこそ。
おごることなく、謙虚な気持ちで。
今日も頂かねばなりませんなあ。
こういう話にものすごく弱いねん。
いのちあるものは
どうしてこんなにせつなく
そしておいしいと感じるのでしょう。
まずいもんなんか
この世界にひとつもないわ。
「これ、まずー!食べられへん!」とか
平気でレストランとかでゆうてる客
それはあなたの味覚のほうがおかしいねん!と
ゆうてやりたいといつも思う。
人間はいただいてばっかりやけど
いつか自分のいのちが尽きる時
誰かの役に立っていたり
何かに貢献することができていたら
とってもいいなと思いまする。
その娘さんは介護士として働いておられるそうです。
ある日、居酒屋で一緒に食事をしていると娘さんが
「お父さんの仕事と私の仕事は似とるね」
と言ったそうです。坂本さんは
「何が似とるもんか。俺の仕事は牛や馬の命をとる
仕事ぞ。おまえの仕事は、お年寄りの世話をする
大切な仕事やろ。お年寄りは喜んでくれる。
でも俺の仕事は喜ばれたりせん。」
と答えました。
娘さんはまっすぐに坂本さんを見て言いました。
「あんね、おとうさん。私は、最期に会った人間が
私でよかったなあってお年寄りに思ってもらえるよう
毎日お世話をしている。お父さんも、牛や馬や豚に
最期まで気持ちよく生きて欲しいと思っとるけん、
なでたり話しかけたりするんやろ。
最期に会った人間がお父さんでよかったなあって
思ってもらえるようにしとるやろ?
だけん、同じなんよ。」
‥なんて素晴らしい親子なんやろうと思いました。
ほんま、私らの口にはいってきてくれたいのちたちに、
顔向けできないような恥ずかしい生き方をしたらアカン!!
そう、思いますなぁ。