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2017-10-21 09:20:21 | 意見発表

 

「大いなる安定」いつまで 57年ぶり日経平均14連騰
世界株高、過度の楽観が火種

2017/10/21 2:00
 日本株への資金流入が続いている。20日の東京株式市場で日経平均株価が57年ぶりに14日連続で上昇した。世界景気が回復を強め、海外投資家が日本企業の業績拡大と株価の出遅れ感に着目して買っている。世界の株式市場で進む「グレートモデレーション(大いなる安定)」への安心感が株高を支える半面、過度の楽観にはリスクの火種も潜む。

 日経平均の14日連騰は過去1度だけ記録した連続上昇の最長日数で、今回その記録に並んだ。前回は高度経済成長期の1960年12月から61年1月にかけて記録し、日経平均の前身である「東証修正平均株価」が1287円から1403円まで9%上昇した。

 

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 しかし当時と比べると相場の雰囲気は大きく異なる。前回は池田勇人内閣が「国民所得倍増計画」を打ち出して実質国内総生産(GDP)は13%伸びていた局面だが、今年のGDPの伸びは1%台の見通しだ。今回の14日間の日経平均の上昇率は5%にとどまり、株高の高揚感は乏しい。

 なぜ「緩慢だが息の長い株高」が実現しているのか。世界経済は回復しているが、成長率は3%台と2000年代半ばの5%台に比べ低い。各国の金利は低位で、日銀をはじめ中銀の多くは金融緩和を続けている。低金利と行き場を失うマネーが世界株を押し上げ、にじみ出すように日本株にも資金が向かっている。

 米運用会社ピムコのヨアヒム・フェルズ氏は「融資も生産も消費も過剰感はない」と分析。米国が今後1年以内に景気後退に陥る確率を10%以下とみる。日本は19年1月、米国は19年7月まで景気拡大が続けば戦後最長を更新するが、世界の株式相場はそこまで景気拡大が続くとの期待を織り込んで上昇している。

 夏場からは米国などの経済指標が改善し、世界景気の熱も少しずつ高まってきた。これまでの「低温経済」から、2000年代半ばに経済が安定して成長した「グレートモデレーション」の局面にシフトするとの期待も出てきた。世界株の値動きの小ささは05~07年当時と似てきており、すでに株式市場は「大いなる安定」の様相をみせている。

 

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 世界景気の回復は海外で6割を稼ぐ日本企業には追い風だ。上場企業の17年度の経常利益は前年度比7%増の見通し。法人企業統計(大企業・全産業)によれば6年連続増益となり、60年度以降で最長を記録する。海外勢からは「業績の裏づけがあり、日本株は過去の右肩下がりには戻らないのではないか」(米運用会社ティー・ロウ・プライスのアーシバルド・シガネール氏)との声も出ている。

 投資尺度からみれば日本株はなお割安との見方が多い。株価が1株あたり純資産の何倍かを示すPBR(株価純資産倍率)は1.3倍。3倍近い米国株など他国を下回る。だが今後も一本調子の株高が続くかどうかは不透明だ。

 90年代までの高成長時代と違い先進国では高齢化の進展で労働力が不足してきた。産業のグローバル化やデジタル化が進んだ結果、企業の労働分配率が低下し、消費意欲が高まらない。中国など新興国の成長率も低下し、世界経済をけん引するには力不足だ。

 構造的に低成長から抜け出しにくくなった経済を金融緩和で無理に押し上げ続けようとすれば「市場の安定が投資家の慢心に変わりバブルを生みかねない」(みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミスト)。すでに世界株の時価総額は80兆ドル(約9000兆円)超と世界のGDPを上回り、割高とされる水準だ。さらに日本株市場は日銀のETF(上場投資信託)買いが下値不安を遠ざけ、投資家にリスクを過小評価させている

 当時は永続するとの声もあった00年代半ばのグレートモデレーションは08年のリーマン・ショックで幕を閉じた。57年ぶりの連騰記録の陰で、株価は不安定になりやすい局面にさしかかっている。

(編集委員 松崎雄典)

 

■グレートモデレーションとは
▽…2000年代半ばから08年のリーマン・ショックに至るまでの間、株式や債券などの資産価格の変動幅が低下し、市場全体が安定した時期を指す。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ理事(当時)が04年にこのタイトルで講演したことで有名になった。
▽…こうした状況を生み出す背景にあったのが世界経済の緩やかな成長とインフレ率の低位安定の併存だ。ただ安定は永遠に続かない。世界各国の中央銀行による緩和的な金融政策と市場の安定は世界の投資マネーが運用リスクをとりすぎる状況を促し、リーマン・ショックにつながった。
▽…投資家の心理を測る指標とされ、米国株の予想変動率を示す米VIXは10月に入って9.19まで低下し、23年10カ月ぶりに過去最低を更新した。日経平均株価の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)も同じように低水準で推移している。株式相場の低変動の状態が長期間続いているため、市場ではその反動を警戒する声も一部で出始めている。


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