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「中国製ワクチンは変異加速させる恐れ」仏マクロン大統領が警告 科学的情報少なく効果不透明、専門家「可能性は理論上ある」 政治的背景を指摘する声も 

2021-02-07 12:22:37 | 意見発表

「中国製ワクチンは変異加速させる恐れ」仏マクロン大統領が警告 科学的情報少なく効果不透明、専門家「可能性は理論上ある」 政治的背景を指摘する声も (1/3ページ)

  • 東欧のセルビアに導入された中国製ワクチン(新華社=共同)

 マクロン氏は4日、米シンクタンク、大西洋評議会のイベントで、中国のワクチンに関し、「(科学的な)情報が全くない」と批判した。さらに「もしワクチンが不適切なものであれば、新たな変異株の発生を促し、状況改善につながらない」と続けた。

 マクロン氏の発言は事実に即したものなのか。

 「中国製ワクチンについては、データが少なく、効果もばらつきがある」と指摘するのは、東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)だ。

 「米ファイザー社やモデルナ社のワクチンについては有効性や治験対象者などの情報について論文で公開されている。中国製については一部で被験例の論文も出ているが圧倒的に少なく、まだ信頼性は低い」と語る。

ファイザーやモデルナなど「mRNAワクチン」と、中国製の「抗原(不活化)ワクチン」では性能に違いもあるという。児玉氏は、「mRNAワクチンが、ウイルスを攻撃する細胞性免疫と、細胞へのウイルス侵入を抑える抗体の両方を誘導するのに対し、抗原ワクチンは抗体しか誘導しない」と解説する

 ワクチンが変異株の発生を促す可能性はあるのか。児玉氏は「変異はウイルスの表面にあるスパイク(S)タンパク質遺伝子の変化で起きる。本来ワクチンはSタンパク質のほとんどの部分に対応できるよう製造されるが、コストをかけずタンパク質の一部にしか対応できないワクチンの場合、淘汰(とうた)されるべき変異株の生存を助長し、流行させる契機になる可能性は理論上ある」という。

 マクロン氏は前述のイベントで、中国のワクチン外交について、「指導者として少し屈辱的でもある」とした上で、世界保健機関(WHO)など多国間の支援枠組みの方が長期的により効果的となり得ると訴えた。

 マクロン氏の中国ワクチン批判について「効果が分からないまま安価なワクチンが流通することで、『悪貨が良貨を駆逐する』ことへの懸念もあるのではないか」と児玉氏はみる。

政治的な背景もある。中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏はこんな見方を示した。

 「中国が覇権を強める南太平洋にはタヒチやニューカレドニアなどフランス領もあり、利害関係は小さくない。マクロン氏は日本と米国、オーストラリア、インドによる中国包囲網『QUAD(クアッド)』も積極的に評価している。ワクチンは別問題と思われていたが、ここで中国批判に用いたのではないか」