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プーチン政権が重ねた「嘘」 集団殺害、根拠乏しく

2022-03-02 17:04:07 | 意見発表

プーチン政権が重ねた「嘘」 集団殺害、根拠乏しく

 

 

【モスクワ=石川陽平】ロシアのプーチン政権はウクライナ侵攻を巡り、「噓」を重ね、国際社会を欺いてきた。とくに武力行使の理由に挙げた、ウクライナ東部での同国軍によるロシア系住民の「ジェノサイド(集団殺害)」は根拠に乏しい。ロシアはウクライナと停戦を巡る対話を始めたが、虚偽による情報操作をいとわない姿勢は対話の妨げになりそうだ。

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「ウクライナの政権により迫害とジェノサイドにさらされてきた人々を保護する」。2月24日、プーチン大統領は軍事作戦開始を表明した緊急演説でウクライナ侵攻の理由をこう説明した。

ロシア系住民が多いウクライナ東部は2014年から親ロ派武装勢力が占領する。ウクライナ軍と親ロ派武装勢力が戦闘してきたが、プーチン氏はここでロシア系住民がウクライナ軍のジェノサイドに遭っているとの主張を繰り返してきた。

ロシアメディアは侵攻の約1週間前、東部地域の秘密の集団墓地とされる写真を公開した。集団殺害の根拠と主張したかったようだ。ロシアのSNS(交流サイト)ではウクライナが住民に化学兵器を使用するのではとの情報が流布した。

ロシアの主張を裏付けることは難しい。ジェノサイドが事実ならば、ウクライナ東部での死者は急増しているはずだが、国連人権高等弁務官事務所によるとウクライナ東部紛争に関連した民間人の死者は21年に25人。紛争が始まった14年(2084人)から年々減少傾向にある。ウクライナは集団殺害を否定し、国際司法裁判所に提訴した。

米アトランティック・カウンシルは2月18日のリポートで、ジェノサイドについて「(ロシア側に)主張を裏づける真剣な努力がみられず、軍事侵攻を正当化するためだけに作られた恐れがある」と指摘した。

米国務省のネッド・プライス報道官も2月16日、集団墓地の報道や化学兵器を巡る噂を「事実無根」と否定、ジェノサイドを巡る虚偽情報が侵攻の口実に使われかねないと警戒していた。ロシアは同24日に侵攻し、米国の懸念が現実になった。

ブリンケン米国務長官は3月1日、国連人権理事会でのビデオ演説で「人権保護と偽ってウクライナへの攻撃を正当化しようとするロシアの試みを拒否する」と述べた。

ロシアは21年10月末に、ウクライナ国境近くへの部隊集結が明らかになって以降、ウクライナ攻撃の意図を「欧米のでっち上げ」などと繰り返し否定してきた

「ウクライナ侵攻はないし、計画もない」。軍事侵攻を発表する1週間前の2月17日、ロシア外務省は欧州安全保障に関する米国への回答文書で明記した。プーチン氏が承認した公式文書だ。

ラブロフ外相は17日の記者会見で、ベラルーシとの合同軍事演習について「予定通り終了」と明言したが、終了期限の20日に演習続行が発表された。ロシア軍はベラルーシから首都キエフ方面に侵攻した。

国際的約束も平気で破ってきた。

核兵器放棄の見返りにウクライナの安全を保証するとした1994年の米英とのブダペスト覚書は14年のクリミア併合やウクライナ東部侵攻でほごにした。プーチン氏は「欧米は北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大をしないとの口約束を破った」と反発してきたが、文書での合意はなく根拠に乏しい。

12年に大統領に復帰したプーチン氏は「大国復活」への野望にとりつかれ、ロシアの影響力回復へ策を練った。手段を選ばず、重要決定には様々な「噓」を駆使した。

14年のウクライナ侵攻とクリミア半島併合もそうだ。プーチン氏は併合直前の同年3月の記者会見で「(クリミア併合は)検討されていない」と明言した。クリミアにロシア兵が侵入しているとの記者の指摘に、同じような軍服は「店に行けば買える」とうそぶいた。

ロシアの姿勢は、2月28日に始まったウクライナとの停戦を巡る対話にも影を落とす。ロシア代表団は「前進が可能ないくつかの重要な項目が見つかった」(スルツキー下院外交委員長)として対話の継続を訴えるが、ベラルーシとの合同演習と同じように、前言撤回はいつでも可能だ。

核兵器を巡る発言も信用できない。プーチン氏は2月27日、核抑止力部隊に高い警戒態勢に移行するよう軍幹部に命じ、戦術核利用もちらつかせた威嚇をした。ただ、ロシアの軍事専門家は「核兵器に関して高い警戒態勢という言葉は初めて聞いた」と指摘し、命令そのものがでっち上げだとの見方がある。

北朝鮮などをみても「噓」は強権国家の特徴でもある。プーチン政権は内政でも「欧米の脅威」を煽って情報操作を繰り返す。反体制派ナワリヌイ氏の毒殺未遂事件で欧米がプーチン政権の関与を断定しても、政権は否定した。ロシアは旧ソ連時代から政治工作として虚偽を利用してきた歴史があり、プーチン政権もその系譜に連なる。

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    慎泰俊五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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    分析・考察

    ネットが発達して嘘が発覚しやすくなったからかもしれませんが、最近は西側・非西側に関係なく嘘をついて恥じない国家トップが多くなった気がします。イラク戦争における「大量破壊兵器」もそうですし、その後もトランプ氏やジョンソン氏をはじめとして、西側諸国でも同じような人が目立ちます。 大国らのトップが臆面なく嘘をつくようになるにつれて、小さな国の国家主席らも恥知らずな行動を取ることが増えているように感じます。「あんな発展した大国のリーダーたちが大嘘をついているんだから、自分たちも問題ないだろう」という感じなのでしょうか。悲しいことです。


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