あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

古伊万里展 ・ 松岡美術館

2008-12-01 22:24:10 | 日本美術
松岡では、静嘉堂文庫のような絢爛とはまたちょっと違って、
古九谷が中心に展示されていた。

大作りのたっぷりした皿一面に
緑、黄色、青、紫色がビッチリ描き込まれている。
斬新な色配色、柄ゆきも大胆な工夫。
どこか異国情緒だ。
古九谷の寿命が短かったにもかかわらず、
今でも光り輝いて、強烈に異彩を放っていた。
意外にもすっくりした古九谷の鉢があった。
色絵蝶瓜図鉢
色も落ち着いていて、余白もたっぷりあった。

その奥で柿右衛門様式の線の華奢な水注、壺、鉢、皿が並ぶ。
このはかなげな朱の線がいい。
小さなサイズのティーポットと、
小さなサイズのカップがあって、
これは我が家にも一点お買い求めたし!

他にも驚くほど大きな壺、瓶、大皿がガッツリ並んでいた。
ここのやきもののレベルの高さは、すばらしい。
品格が備わっていて、なかなかのもの。

日本画のコーナーは、
応挙の特集。
清々しく、清澄な格調が揺るがない雰囲気。

最後の展示室は、京都の日本画展として、
大正昭和の著名作家の作が並んでいた。
橋本関雪、菊池契月、堂本印象、などなど。
新しいところで、初めて知った作家、佐々木弘の2作。
金箔が貼られているような大きな画面。昭和59年60年の作。

1階には、古代エジプト、ヘンリー・ムーア、奥にガンダーラ仏
などが常設されていて、
ゆったり庭を鑑賞するのも楽しい。

一人の収集家の情熱の結集が、優雅な建物のなかで
今もじっくり堪能できるくつろぎの場所だ。

12月23日まで。

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