あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

旧白洲邸 武相荘

2015-05-08 22:23:16 | 日本美術
 白洲正子、その人の魅力にとらわれて長い年月が過ぎています。
 ご主人の白洲次郎、その人のジェントルマンぶりは
 ドラマになったり、白洲正子展のなかで紹介されたり、
 広く知られるようになりました。

 その類い希な夫妻の周りに集まる人々も超一流。

 サラブレッド、セレブ、という出生の輝かしい白洲夫妻の
 一流の教養と審美眼、選び抜かれた品々に囲まれた生活空間が
 鶴川の隠れ里、武相荘に残されています。

 駒場の柳宗悦氏の民藝館とともに、
 同時代に生きた工芸、用の美を実生活に取り入れてきた
 その美しいさまに今も尚、変わらず人々のため息を集めています。

 多数出版されている関係書籍から知られている
 あの武相荘を目の前にして、
 やはり私の好きなジャンルはここだと、深く感じ入り
 再確認しました。

 新宿から小田急線に乗り込み、新百合ヶ丘で乗り換え、
 ようやく鶴川に到着。
 同行した友人達は何度か行ったことがあるにも関わらず、
 町の変貌ぶりに驚いていました。
 
 町中をゆるゆる散歩しながら武相荘を目指しました。
 到着してから最初にしたことがランチ。

 レストラン場所はお宅訪問するような、
 暖かみ溢れる一室で、棚には西洋のガラス、陶器などが
 並べられてテーブルに座る前からきょろきょろしていまいます。

 お店の方に伺った話によると、次郎さんは野菜が苦手で、
 キャベツの千切りの上にカレーのルーをかけて
 召し上がったのだそう。

 私はビーフシチューをお願いし、そのセットされた姿にも
 味にも大満足。









 お腹が満ちたところで、武相荘の見学となりました。
 写真を撮ることができませんが、
 薫風の頃、清々しい風に吹かれながら心地よい東西入り乱れての
 セレクト品にうっとり見とれてきました。
 なかでも圧巻なのは書斎の風景でした。


 
 使う人が生活を彩り、使うものが選ばれ、日々の暮らしが豊かになっていくこと、
 それを改めて実感します。

 生きている時間を豊かにするのは、まぎれもない、本人その人の力にしか
 頼れるところはないのだと、確信しますが、それはなんという
 反省と自戒の連鎖でしょう。
 そんなことはともかく、美しい季節の姿、佇まいの画像をご紹介して
 叶わない、審美眼の神様に礼を捧げるばかりです。

 久しぶりの集合だった旧友達との遠足は
 だたひたすらのんびりと、おしゃべりに大半を使い果たし、
 長年のつきあいの気楽さに感謝した一日となりました。

 画像、ご紹介します。

 安息を得たいとき、ぜひ鶴川、武相荘の自然の風に、お宅の景色を
 訪ねてみて下さい。






































 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 燕子花と紅白梅 光琳デザイ... | トップ | 東京国立博物館 5月13日、21... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ken)
2015-05-10 23:07:08
こんばんは。旧白洲邸 武相荘拝見いたしました。いいところですね。今はレストランにもなっているのですね。いつ行けるかもわかりませんが、もし行けたらとても嬉しいのですが。先ほど積んである本の中から、白洲正子さんの「ほんもの」白洲次郎のことなど を引っ張りだしてまた読んでいます。お能のことや骨董のこと、夫君の次郎氏のことなど、阿川佐和子さんとの対談も面白いです。たくさんの写真も有難うございます。お庭の石仏や石塔も雰囲気がありますね。以前にNHKのドラマで白洲次郎氏のことが放送されていました。今回も有難うございました。
返信する
ken さま (あべまつ  )
2015-05-25 22:01:11
こんばんは。
すっかりお返事が遅くなり、申し訳なく、お許し下さい。
白洲正子さんの世界観は今すっかり記憶の向こうに行ってしまうのではと危惧しますが、時代も世代も変化してきたので、難しいことなのかも知れません。
それでも改めて大切な格として私の中で大切にしたいと願ったのでした。
レンズをどちらに向けても絵になるところでした。
お礼を沢山ありがとうございました。
更新できないままで、お恥ずかしい限りです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。