あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

2020年3月〜5月 アート鑑賞記録

2020-09-08 23:42:11 | 美術展
2020年の始まりは、いつもの年明けと思っていました。
2月の怒涛のハードスケジュールを乗り越えて、
さ、次、と思っていた頃でした。

じわじわとコロナウィルスの感染が忍びよってきたのでした。
参加予定のイベントも続々と中止、延期となり
花粉症対策のマスクで出かけることが多くなっていきました。
そんな残念な中で、見てきたもの、思い出しながら、
記録していこうと思います。


3月 日本民藝館 祈りの造形 沖縄の厨子甕を中心に

   久しぶりの、が続くばかりですが、日本民藝館もとても久しぶりでした。
   ここの佇まいからして、安堵、安寧を思います。
   日々の生活を大切に丁寧に暮らす、その見本となる環境です。
   憧れ続けていても、自分の暮らしぶりのなんと雑なことよ、
   と嘆くことはさておき、そこの慰安場所に心を整えてもらうのです。
   
   ここもコロナ対策しっかりとされていて、気持ちが引き締まります。
   企画展示室の大広間に
   沖縄に伝わる、厨子がずらり並びました。
   お寺近くの墓所に並ぶ石材とは違って、温かな質感のやきものの厨子。
   素朴な質感と装飾の中にも、故人への思いが伝わってきました。
   他、併設展も沖縄に関連するものが多く、柳宗悦の民藝活動において
   重要な沖縄の工芸を堪能することができたのでした。
   先の首里城の大火災は本当に残念な災難でした。
   大勢の方々から再興への力が注がれますよう願うばかりです。
   
   永青文庫 古代中国・オリエントの美術

   従姉妹宅近くなので、久しぶりに従姉妹とそのお嬢と連れ立って
   細川庭園も楽しんできました。
   永青文庫は相変わらず、重厚感ある邸宅訪問の感覚。
   
   展覧会の最大のウリ、チラシとなった細川ミラーと言われる
   国宝「金銀狩猟文鏡」は展示替となり、若干地味目ですが、
   それでも、国宝「金彩鳥獣雲文銅盤」を拝見できました。
   何しろ、紀元前3〜後1世紀のものを細川護立氏、大正15年のパリで見つけたという
   物凄いエピソードがついていました。
   物を見る人の目の力とは一体どこから身につくのでしょうか。
   また、別室に展示された、渋い高麗茶碗の特集も秀逸でした。
   それらの展示を知るためにも、
   季刊永青文庫は500円で展覧会をカバーしてくれる重宝冊子です。

   桜開花が待たれる時ではありましたが、
   のんびりと細川庭園を散策する楽しみもここならではのことでした。


4月 アート鑑賞なし 

   4月7日〜5月6日まで「コロナ緊急事態宣言」発令
   日本中で自粛生活突入です。
   何をして暮らしましょうか、というときのために、
   映画配信サービスを楽しむこととしました。
   ひたすら映画鑑賞 PrimeVideo、Netflixで10本
   歌舞伎も菊之助さんの国立劇場版を楽しんだのでした。
   映画はコロナ関連、恐ろしい細菌ウィルスとの闘い系の映画を
   怖いもの見たさに見続けてヘトヘトになったり、
   若い頃に見てきた映画をもう一度見直したり。
   映画館での鑑賞もアカデミー賞受賞した「パラサイト」で
   止まったまま、劇場鑑賞も早期に復活したいものです。
      
5月 東京江戸博物館「奇才」展


   コロナ感染予防策で美術館展覧会が軒並み中止、延期、の惨状の中、
   江戸博の「奇才」展が会期も差し迫る中開催するとのこと、
   時間指定予約の手間もないようなので、勇んで行ってきました。 
   この奇才展については、ブログにご紹介しました。

   映画は、新鋭監督、グザヴィエ・ドラン監督映画にハマり、
   こんな切ない繊細な映像にドキドキさせられました。
   勧善懲悪ではない、バタ臭い恋愛でもなく、ミステリーでもなく、
   犯人探しの探偵でもなく、日常の人間生活の本当にすぐそばの話で、
   センシティブで親子、大人との屈折もあり、ドキュメント的で
   カメラがとても丁寧なのです。
   ドラン、あなたの視線、物語に魅せられてます。

   この情報は、セリーヌのアースティッククリエイティブイメージディレクターを
   務めるエディ・スマリンの映画10選に選ばれていて、
   それではぜひ見てみようと思ったのでした。
   エディ選の洗練されたチョイスも私好みにハマった、ということでした。

 とりあえず、3月、4月、5月を振り返ってみました。
 今まで体験したことのない、コロナというウィルスの感染予防対策、
 中国から感染が始まって、世界中にその脅威が駆け回ったことへの驚き、
 イタリアの惨状、そして、パリも、ロンドンも、アメリカにも飛んで、
 ニューヨークも、お隣、韓国にも。
 世界中で感染が広がり、死者数がどんどん増えてきたと日々ニュースが飛び込んできます。
 日本は大丈夫だろうという無責任な淡い想いがなんとか自分を保っていたのかもしれません。

 ゴールデンウィークをどうやって暮らしていたのか、
 既に記憶が曖昧ですが、
 楽しみにしていたイベント参加もなくなり、断捨離活動をポツポツとやったり、
 伊豆高原の母宅で取れた夏蜜柑のジャムやピールなどを作ったり、
 普段できないことを見つけて
 いけばなのお稽古教室もずっとお休みとなったので、
 家でもできるいけばなをやってみたり、
 
 そんなことをしていたのでした。


 6月以降のことはまた、後に続きます。
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