今日は東京国立博物館で
念願の「台北國立故宮博物院 神品至宝展」
開催のオープニングセレモニー・内覧会が無事に開催されて
安堵している方々も沢山おられることでしょう。
直前の國立表記問題で大慌ての関係者皆様の
ご苦労に敬意を表します。
そこで、先日東博東洋館で故宮展にふさわしい
逸品の展示をみてきましたので、
開催記念にご紹介しようと思います。
東洋館がリニューアルされて早一年が経過しましたが、
やはり時々見ておかねばならないと再確認します。
いつもならば1階の仏像から巡り,順々に階を進めていくのですが、
今回は5階に上がり、
中国関連に重点を置いて下っていくことにしました。
朝鮮陶磁器の展示には
愛らしい水滴が並んでつい、頬が緩みます。
次に現れたのは、
中国のカラフルなガラス作品。
西洋のガラスとは全く違って不透明でまるで玉です。
完璧と言う言葉が生まれた中国ならではの
玉の芸術品。
これがあの故宮博物院所蔵のお宝、
白菜と豚の角煮、いや、
肉形石、の兄弟です。
ザクロは瑪瑙石榴 鯉の登竜門のようなものは
碧白玉双鯉花器。
石の材質をとことん追求した作品です。
また、中国絵画コーナーでは
一六羅漢、五百羅漢像の異形が立ち並びました。
そのうちの五幅はベルリンに分かれてしまっているとか。
(*注 この展示は15日で終了して展示替えしています)
その下に降りると、
感激の青磁の美しい姿が飛び込んできました。
「日本人が愛した官窯青磁」の特集でした。
川端康成旧蔵品が二点もあったことに驚きました。
作品リストはこちら
壊れた茶碗を返したらこれを再現することはできないから
ホッチキスして返されたという三井殿所有の有名なお茶碗
銘 馬蝗絆
そしてまた珍しい刺繍で表された刺繍九羊啓泰図。
その横には緻密な刺繍の経文。
仏説無量寿仏経刺繍
どんな視力の持ち主がこれを作成したのでしょう?
そういえば、芸術新潮の2007年1月号はこの
台北國立故宮博物院のリニューアル特集号でした。
世界で70点あまりしかない汝窯の作品がこちらの
故宮には21点所蔵されていて、オープン記念には
全点展示されたという記事に悲鳴をあげたくなりました。
私が行ったのはそれよりもずっと前で、
1996年頃だったかと思います。
汝窯が3点、美しく並んでいたのを今でも
ぞっとしながら思い出します。
大阪東洋陶磁美術館にも一点所蔵されていますが、
館長を長年勤められた伊藤郁太郎氏も比較にならないと
故宮所蔵の水仙盆を絶賛しています。
もはや磁器というよりも玉のような
一点の曇りもなく、つるりとした気品ある肌質に
うっとりするしかないのでした。
絵画や書もなにやら日本にはない、独特な空気感と
色使い、線の神経質なほどの描き込みや
見たこともない景色にどうそこに向き合えばよいのか
うろたえるほどの別世界宇宙観に呆然としました。
当時よりはもう少し中国絵画を見てきましたが、
やはり、中国の土地、自然界、そういったものが
近くに感じていないとなかなか距離が縮まるものではないと
果てしなく手が届かないものと感じてしまいます。
なにはともあれ、無事開催される運びとなった
「台北 國立故宮博物院 神品至宝展」
実物を目の前にして
もう一度その突き抜けた何かを確認してたいと
切望しているところです。
官窯青磁関連記事として、トーハクブログご紹介します。
こちら
平成館の特別展と共に、ぜひ、東洋館を見学されますことを
おすすめしたいと思います。
念願の「台北國立故宮博物院 神品至宝展」
開催のオープニングセレモニー・内覧会が無事に開催されて
安堵している方々も沢山おられることでしょう。
直前の國立表記問題で大慌ての関係者皆様の
ご苦労に敬意を表します。
そこで、先日東博東洋館で故宮展にふさわしい
逸品の展示をみてきましたので、
開催記念にご紹介しようと思います。
東洋館がリニューアルされて早一年が経過しましたが、
やはり時々見ておかねばならないと再確認します。
いつもならば1階の仏像から巡り,順々に階を進めていくのですが、
今回は5階に上がり、
中国関連に重点を置いて下っていくことにしました。
朝鮮陶磁器の展示には
愛らしい水滴が並んでつい、頬が緩みます。
次に現れたのは、
中国のカラフルなガラス作品。
西洋のガラスとは全く違って不透明でまるで玉です。
完璧と言う言葉が生まれた中国ならではの
玉の芸術品。
これがあの故宮博物院所蔵のお宝、
白菜と豚の角煮、いや、
肉形石、の兄弟です。
ザクロは瑪瑙石榴 鯉の登竜門のようなものは
碧白玉双鯉花器。
石の材質をとことん追求した作品です。
また、中国絵画コーナーでは
一六羅漢、五百羅漢像の異形が立ち並びました。
そのうちの五幅はベルリンに分かれてしまっているとか。
(*注 この展示は15日で終了して展示替えしています)
その下に降りると、
感激の青磁の美しい姿が飛び込んできました。
「日本人が愛した官窯青磁」の特集でした。
川端康成旧蔵品が二点もあったことに驚きました。
作品リストはこちら
壊れた茶碗を返したらこれを再現することはできないから
ホッチキスして返されたという三井殿所有の有名なお茶碗
銘 馬蝗絆
そしてまた珍しい刺繍で表された刺繍九羊啓泰図。
その横には緻密な刺繍の経文。
仏説無量寿仏経刺繍
どんな視力の持ち主がこれを作成したのでしょう?
そういえば、芸術新潮の2007年1月号はこの
台北國立故宮博物院のリニューアル特集号でした。
世界で70点あまりしかない汝窯の作品がこちらの
故宮には21点所蔵されていて、オープン記念には
全点展示されたという記事に悲鳴をあげたくなりました。
私が行ったのはそれよりもずっと前で、
1996年頃だったかと思います。
汝窯が3点、美しく並んでいたのを今でも
ぞっとしながら思い出します。
大阪東洋陶磁美術館にも一点所蔵されていますが、
館長を長年勤められた伊藤郁太郎氏も比較にならないと
故宮所蔵の水仙盆を絶賛しています。
もはや磁器というよりも玉のような
一点の曇りもなく、つるりとした気品ある肌質に
うっとりするしかないのでした。
絵画や書もなにやら日本にはない、独特な空気感と
色使い、線の神経質なほどの描き込みや
見たこともない景色にどうそこに向き合えばよいのか
うろたえるほどの別世界宇宙観に呆然としました。
当時よりはもう少し中国絵画を見てきましたが、
やはり、中国の土地、自然界、そういったものが
近くに感じていないとなかなか距離が縮まるものではないと
果てしなく手が届かないものと感じてしまいます。
なにはともあれ、無事開催される運びとなった
「台北 國立故宮博物院 神品至宝展」
実物を目の前にして
もう一度その突き抜けた何かを確認してたいと
切望しているところです。
官窯青磁関連記事として、トーハクブログご紹介します。
こちら
平成館の特別展と共に、ぜひ、東洋館を見学されますことを
おすすめしたいと思います。