あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

東京国立博物館 本館 (6月15日)

2014-06-24 21:04:55 | 東京国立博物館
 
 東洋館を訪ねたら、やはり本館をチェックしておかねばなりません。
 二階の縄文土器から見て回るのがいつものコースです。
 
 毎回記事に仕切れないほどの作品群に
 ひたすら感心しています。
 国宝室には、法華経、久能寺経 信解品(しんげぽん)
 平安期の装飾経のなかでも美麗かつ美術的歴史的価値のあるものだそうです。
 (7月6日までの展示)
 仏教の美術で、身体が微妙に斜めになっている菩薩立像がありました。
 平等院の飛天たちを彷彿させてくれます。
 (6月15日までの展示)

 宮廷の美術では色の鮮やかな(6月15日までの展示)
 「たけくらべ草紙」
 歌合わせの様子が描かれていて、奈良絵本と呼ばれる冊子本を
 巻物に改めたものだそうです。




 禅と水墨画の展示には(6月15日までの展示)
 眼力あふれる一休和尚像がみえました。



 その中で南画系のような不思議な二幅がありました。
  花鳥図 石樵昌安筆



 茶の美術には夏の茶器が並びました。(8月3日までの展示)
  青井戸茶碗 銘 土岐井戸



  瀬戸唐津茶碗


  楽しい向付5皿 古染付向付 中国景徳鎮窯 明時代
  こちらは横河民輔コレクションから




 屏風と襖絵展示には(6月29日までの展示)
 長谷川等伯の嫡男,久蔵の作
 大原御幸図屏風 
 平家物語から取材した建礼門院が平家一門の菩提を
 弔う大原に後白河方法皇がお忍びで訪ねる場面。





 真ん中には 岡本秋輝筆による
 四季花鳥図屏風




 最後に御所車の華やかな屏風絵が現れて感嘆しました。
 私が学んでいるいけばな草月流では大作によく御所車を使います。
 その姿と重なってとても興味深いものでした。
 花車図屏風 作者不詳









 暮らしの調度には(6月15日までの展示)
 季節にあわせた花などをあしらったものが並びます。

 瓢形酒入 船田一琴作
 幕末の装剣名工後藤一乗の弟子で、一乗派の名工と
 云われています。




 煙管の姿もとても斬新です。



 書画の展開では
 桃山から続く江戸時代の絵画が並びます。(6月29日までの展示)

 四季花鳥画帖 増山雪園筆
 この画帖の丁寧な描きに魅せられました。












 また、土方稲嶺筆による三幅
 寿老、牡丹に猫、芙蓉に猫図はにゃんともな空気に満ちていました。







 珍しい作品、高橋草坪筆の水墨画にも引きつけられました。


  
 能と歌舞伎の展示には舞楽の場面を描いた絵巻が展示してありました。
 (6月15日までの展示)
 絵師は狩野洞春。鮮やかに可憐に描かれていました。




 衣装の展示には毎回目を見張るものがあるのですが、
 今回もどうやってできあがったのか、
 その工程に頭を抱えます。

 打掛 鼠地唐織花文編目繋八橋胡蝶模様
 ねすみじからおりはなもんあみめつなぎやつはしこちょうもよう
 読むだけでも大変です。


 (6月15日までの展示)

 浮世絵には夏らしい魚づくしが見えました。
 (6月29日までの展示)
 広重の魚づくし 鯵車蝦



 繊細な蝶の図は窪俊満の作
 群蝶画譜


 
 一階では親と子のギャラリーとして
 「仏像のみかた」という企画展が始まっていました。
 (8月31日までの展示)
 夏休みの課題として取り組んで中身の濃い宿題ができますように。
 とはいえ、大人ももちろんぐっと心がつかまれます。
 美しい姿の仏様、千住観音様の持っているもの、
 愛嬌あふれる十二神将たち、
 様々な仏像の巧みな姿に改めてその技量に感服するのです。

















 一階のアイヌ関連と近代絵画、工芸の展示室が
 リニューアルされていました。



 関連記事がトーハクブログに記載されています。こちら
 天井からの光が柔らかく届き、展示物をより一層
 見やすく鑑賞することができます。
 明治期の超絶技巧、その流もこちらで確認できます。












 
 平成館での特別展だけで見て帰るのではとてももったいないのですが、
 これは一日では見きれないので、
 気力体力が充実しているときを見計らって一日中かけてみるか、
 小刻みに鑑賞するか、ともかく展覧会の何十倍もつまっている
 トーハクなのでした。
 展示替えも小刻みにあるので、ご注意下さい。

今回もたっぷり堪能することができました。年間パスポートも無事継続してきました。

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2 コメント

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東京国立博物館 (ken)
2014-06-25 22:27:48
こんばんは。展示解説ありがとうございました。博物館に行かなくても、要点をおさえた解説でデジタル写真もあって本当に楽しくなります。ところでこの度、東京国立博物館では台北の故宮博物院の神品至宝展が開催され、かの有名な「翠玉白菜」が展示されているそうですね。勿論あべまつさんも行かれることと思いますので、その節はブログにアップしてください。
返信する
ken さま (あべまつ)
2014-06-26 22:57:12
こんばんは。
その故宮博物院の白菜展示がとんでもない長蛇の列で180分待ちとか!なので、うまく入り込めるか微妙ですがともかくは現場に行って見てきます。20年前に現地で見てきたことがあるんですよ。再会できるか、楽しみです。
返信する

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