あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

小泉淳作展 ・日本橋島屋

2010-09-14 21:39:59 | 日本美術
そもそも、この蓮をかいた画家のことを知らなかった。
どんな方なのだろう?

会場の中でそのお姿を10分程度の映像で知ることができる。
なんとも遅咲きの50代になってからの開花、とか。
他にインタビューの記事を見つけたので
ご参考までに こちら
この大作にいたるまでの紆余曲折があったようだ。

会場に入るなり、どど~んと蓮の花の乱舞。
あっけの取られるほどの一面の蓮池。
この襖に囲まれたら、浄土の境地間違いない。

蓮弁の姿一つ一つ、葉の姿、全体のバランス、
可愛らしいだけでなく、朽ちている花もあるし、
蓮弁を全部落としているものもあるし、
今が盛りのものもある。
夢ごこちの蓮池だった。

ぐるり回ると
今度は桜の大作。
人生初の桜の花を描く事になったそうだ。

光明皇后1250年御遠忌の作品群。
光明皇后のお姿を東大寺に奉納するニュースを
テレビで見た気がする。
もちろん聖武天皇御影も並んで展示。
そのどちらもものすごい細密に着物柄などが描きこまれている。

他、飛天の飛ぶ奈良町の空や、鳳凰の豪華に飛ぶ襖
散華の襖なども。

これらは東大寺本坊に奉納された40面。

後半には画伯60年の画業が紹介。
とても細密で重厚な画面が押し寄せてきた。
中には東大寺別当の清水公照氏の姿も。
奈良にいた頃、清水公照氏のお話を聞く朝粥会
というのがならまちのお寺であって、
珍しい体験したことがあった。

小泉淳作氏を登用した東大寺も凄いし、
それに応えた小泉淳作氏もものすごい。
まだまだ日本の中には偉大なる画家がいらっしゃることに
とても光を得た気持ちになった。

大好きな蓮の美しい姿を堪能でき、大満足。
時間があれば、紹介映像もぜひおすすめします。  

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2 コメント

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Unknown (とら)
2010-09-19 11:56:06
辻惟雄監修「日本美術史」美術出版社に、田中日佐夫先生が次のように書いておられます。
「最近、鎌倉建長寺や京都建仁寺に竜を描いた小泉淳作のように古刹の障壁画を描く人たちもふえている。そういう仕事は歴史に残る仕事である。21世紀の画家の仕事としてはずかしくない作品を残してもれいたいものと心から願うものである。」
この言葉を念頭に置いて、あの蓮は平面的過ぎ?《本坊の桜》は弱すぎ?などと心配しながら見てきました。22世紀のブロガーの意見を聞いてみたいものです。
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とら さま (あべまつ)
2010-09-20 22:56:44
こんばんは。
とらさんからのコメントを頂いて、ちょっと考えてました。「恥ずかしくない作品」という評価は難しいことだなぁと。それで、そのことよりもお寺が画家の力量発揮の場所になったことが幸せなことではないかと思い至りました。
新しい襖絵が入って賑々しい、晴れやかな気持ちがしてきそうです。
一度東大寺本坊で拝見したいものです。
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