阿部ブログ

日々思うこと

米議会でのサイバー攻撃に関する公聴会

2013年03月24日 | アメリカ
米国の上院軍事委員会では、シリアでの化学兵器使用について公聴会が開かれているが、シリア問題だけではない。中国人民解放軍によるサイバー攻撃についての公聴会も3月20日に開催されている。

中国のサイバー攻撃について証言したのは、Mandiant社のケビン・マンディア(Kevin Mandia)CEOで、米国企業の秘密をサーバー空間から窃取する手口とその脅威について語った。北米を担当するサイバー部隊は、人民解放軍の総参謀第三部所属の第61398部隊であるが、サイバー攻撃を担当する組織は、軍の部隊だけでなく、経済情報などを収集する民間組織も存在する。

総参謀第三部は、旧中国共産党中央軍事委員会・第二局であり、1930年代から電波傍受、暗号解読を担当していた組織で、当然ながら日本軍の暗号解読に注力しており、この分野においてはドイツ国防軍の支援を受けていた。片や日本はポーランドから暗号解読の手解きを受けていた。因みにエニグマ暗号の解読はポーランド参謀部の貢献が極めて大きいし、ポーランド政府崩壊後のポーランド参謀第二部の情報網を引き継いだのは日本陸軍であったのは、奇なる縁を感ずるのは私だけではないだろう。

同じ20日には、米国下院国土安全保障委員会において、ジョージ・ワシントン大学のフランク・シルフォ国土安全保障政策研究所長も、中国以外では北朝鮮とイランからのサイバー攻撃に警戒すべきとの証言を行っている。重要な点は、中国やロシアによるサイバー攻撃は、情報窃盗がメインであるが、北朝鮮やイランの場合、米国本土の電力網など重要インフラへの直接攻撃を指向する傾向があり、中国&ロシアより脅威であるとしている点である。確かに北朝鮮は失う物がないので、戦略としては正しい。

こうした中、韓国が大規模なサイバー攻撃を受け、3万2000台以上のサーバー&クライアントにネガティブに陥っている。失うモノの多い韓国は、直ちに情報防衛態勢をレベル4からレベル3へと引き上げる措置を国防省が取っている。

攻撃したのは北朝鮮と報道されている。しかし北朝鮮が、適切な時期を調整して韓国内の電力網など重要インフラへのサイバー攻撃を行うと、それでなくとも不調な経済状況も相まって、財閥中心の輸出主導経済を破壊する威力を持ちうるだろう。反日国家を脆弱化させることは日本の国益にも資するものなので、素直に北朝鮮、頑張れ!と言いたい。

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