阿部ブログ

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トルコが中国の防空システム「紅旗9」の購入中止を決定

2015年11月20日 | 雑感

トルコが一度は導入を決定した中国の防空ミサイルシステム「紅旗9」購入の決定を破棄した。トルコの地対空ミサイル調達計画は「T-LORAMIDS (Turkish Long Range Air and Missile Defence System)」と呼ばれている。
トルコが、中国の防空システム導入を決定したとき、NATOと米国の軍事的関係が当然ながら悪化した。しかし、シリア内戦の激化とクルドの軍事的力量が顕在化するにしたがって欧米との関係を正常化する必要に迫られた。その結果だ。
表面的には、トルコからの技術供与と様々な情報提供を中国側に求めていた。しかし、彼らはトルコの要求に対し一切提供には応じなかった。と言うか、完全ロシア製のコピーなので提供したくても出来ないのが実情だが、全く間抜けな話しだ。

トルコの軍事筋が気にしているのは、クルドだ。
イラクのクルド人武装組織がSinjarを ISILから奪還している。Sinjarは重要な補給ルートでSinjarの陥落はISILにとっては痛手。またシリアのクルドとアラブの混成武装組織である「Syrian Democratic Forces」がAl-Holを奪還。クルド武装組織の軍事的力量はアラブのそれを上回っている。ロシアはトルコのクルド武装組織への攻撃を抑止するだろう。シリアにいるロシア軍の戦闘部隊が介入することも想定される。トルコにとっては由々しき事。

紅旗9については、トルコ防衛産業執行委員会(Defense Industry Executive Committee)が2013年9月26日に購入決定をしているが、これは当時のエルドアン首相の意向を受けたものだった。

※過去ブログ「トルコが中国の防空システム “HQ-9”(紅旗9) を採用?


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