阿部ブログ

日々思うこと

テスラ・ロードスター「モデルS」~シェール革命はEV革命を引き起こすか~

2013年05月21日 | 雑感
昨日、テスラ・モーターズ(TESLA MOTORS)を訪れ、様々お話をお聞きする事が出来た。残念ながらショールームにはテスラは無く、何でもイベントで大阪に行っていると言う。勿論、自走で。仕方がないので、展示してあるシャーシを激写した。
それがコレ↓だ。
              
この写真はテスラの動力部分で、説明によると左側がモーターで、右はインバーターとの事。
                            

お店の人によると、主力セダンの『モデルS』は、フル充電で500kmを達成していると言う。普通は150kmとか200kmの航続距離がせいぜいだろうが、テスラ『モデルS』は、この点で内燃機関を超えたとも言える。米国環境保護庁によると、平均的なアメリカ人の通勤距離は平均約64km/日。最大航続距離が500kmのロードスター「モデルS」だと一週間5営業日は、充電する事がなく、乗り続けることが可能。充電にしても家庭用電源(200V)でOKだし、日本の100Vにも対応しており、都内だと1000箇所以上の充電ステーションが既に設置されているとの事なので、廃業が続くガソリンスタンドに頼る事が無いので、地方でもEVは普及する可能性は高かも~
因みに航続距離の測定は、NEDC(New Euro pean Driving Cycle)と言うEUの測定方法に準拠しているそうだ。しかも電気自動車ならではだが、ロードスターは時速100kmまで加速するのに4.6秒で達すると言うからカーマニアには堪らないだろう。

このテスラが今米国で売れていると言う。何故か?
短視眼的ではあるが、ガソリン価格の高騰にあるようだ。カリフォルニアのガソリン価格はガロン当たり$4.1に達しており、これでは車しか移動手段のない人達にの生活を直接圧迫する。米国は、世界の全石油量の約25%を消費しているが、その3分の2は、輸送セクターで消費されていると言う事から、ガソリン価格高騰は、テスラ・モータースには強力な追い風になっている。またリチウム・イオン電池の価格が技術革新や生産がより拡大する事により低減すると、購入コスト自体も低くなるから、買い換えの際にEVを選択する人もこれらは増えるのではないか?

参考まで、テスラ・ロードスターをフル充電するコストは$5(約425円)程度。ザックリ1km当たり1円程度と言うことになる。片や一般的なガソリン車は、1km当たり8円程度でコスト優位性も明らか。しかし、日本の電力価格は高いので米国と単純に比較は出来ない。

それと、今後要注目なのが、米国発のシェール革命が、EV普及に与える影響だ。
シェール・ガス/オイルがふんだんに供給されるようになると、原油価格も影響を受けてガソリンも安くなり、従来型の自動車の優位を脅かす事にはならないだろうと思われそうだが、米国ではEV需要が着実に伸びる可能性が高いと考えている。
何故なら、安価なシェールガスによるガス発電が、老朽化した発電設備に取って代わるだろうし、発電装置以上に劣化している長距離送電網を考えると、やはり分散型電力網による地産地消型の電力システムに早晩移行することは、多分、間違いないと思われる。

今の自動車産業もさることながら、EVなど新たなモビリティの開発生産による米国の製造業回帰を促進する起爆剤となる事もあるし、連邦政府は様々な政策手段を用いて他国を圧倒するイノベーションを企図していることは間違いない。しかもテスラのロードスターはIT技術の塊で、その内装やインターフェースなどは絶賛されている。米自動車専門誌『MOTER TREND』は“CAR OF THE YEAR 2013"にテスラ「モデルS」選んでいる。
しかし、ジョージ・ミッチェル氏によるシェール革命は、様々なイノベーションを生む事になりそうだ。

最後に、ロードスターは試乗が可能との事なので、次回はモデルSの実写と試乗レポートしたい。

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