阿部ブログ

日々思うこと

東京大学の河岡義裕教授が、免疫システムを回避するインフルエンザ変異株開発、これは生物兵器。

2014年07月05日 | 雑感
米ウィスコンシン大学の河岡義裕教授が、H1N1型インフルエンザ・ウィルスを改変して、ヒトの免疫システムを回避できるN1H1型変異株を開発したと報道されている。既に多くの人はH1N1型に対する一定の免疫を持つと考えられており、比較的脅威が低いインフルエンザであるとの評価だが、河岡教授が開発したH1N1型変異株は免疫システムを回避できるので、免疫を獲得していても抵抗力を持たない事になる。これは立派な生物兵器開発だ。河岡教授は、東京大学医科学研究所の感染・免疫部門 ウイルス感染研究分野の教授であり、この変異株の開発は、国内では難しい。河岡教授は、国際ウイルス学会の会長だが、それでも無理である。N1H1型変異株の開発は米国だったから可能だった。

インフルエンザを克服する事は極めて重要な研究である。毎年、世界中で1200万人がインフルエンザ感染症により死亡していると言われる。日本でも毎年、全人口の10~40%が感染する熱性呼吸器感染症の原因となるのはインフルエンザ。世界的にもインフルエンザは、世界中で毎年約50万人もの死亡者を伴うエピデミックを引き起すし、第一世界大戦中に発生したスペイン風邪のように世界中で4000万人を死に至らしめるパンデミックを引き起こすウィルス。インフルエンザは人類にとっては大きな脅威であり、驚異を克服する研究は欠かせない。

インフルエンザの研究は、スペイン風邪の悲劇を受けて、現在まで精力的に継続さ続けてきた。しかし、未だインフルエンザの病原性発現機構の詳細は明らかになっていない。特にインフルエンザのウィルス蛋白質-宿主間の相互作用、インフルエンザ・ウィルスの感染による宿主細胞応答のネットワークについては、全くの未知で、解明にはほど遠い状態。河岡教授は、我々人類にとって一番身近であるインフルエンザ・ウィルスを本質的に理解していいない、また知識が完全欠如している事が、感染予防ならびに抜本的な治療方法の開発につながっていないと認識し、これを克服する研究の一貫として、今回の変異株の開発をおこなったと信じたい。しかし、冒頭述べたようにこれは完全に生物兵器開発であり、インフルエンザの研究ではない。

N1H1変異株の開発が行われたのは、米ウィスコンシン大学のインフルエンザ研究所(マディソン)。この研究所のバイオセーフティレベルは3。ウィスコンシン大学は、変異株が実験室から流出する恐れはないと主張しているが、この手の研究内容は簡単に流出する。今回の研究は、日米同盟の流れでのバイオ研究であり、戦争放棄を明言している日本では行えない研究だった。ウィルス研究は、典型的なデュアルユースなので、真の研究意図は秘匿し易い筈だが、今回は世界的な反響を巻き起こした。河岡さん、功名に走ったかな・・・



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