阿部ブログ

日々思うこと

シリアにおけるロシア軍の戦力強化

2016年04月05日 | 雑感
ヒッズボラの戦力強化について書いたが、イスラエルはシリアに駐屯するロシア軍と、ヒッズボラのミサイル戦力を空軍機やUAVで攻撃する事について「手を握っている」。つまりロシアはイスラエル軍のヒッズボラ攻撃を黙認している。
そのロシアは、シリアにおける戦力編成をより強力なものに変えつつある。戦闘機部隊は撤退しつつあるが、Ka-52、Mi-28など攻撃ヘリを逆に送り込んできている。イスラエルから見ると将に大いなる脅威となるSS-26イスカンダール弾道ミサイルシステムをHumaymim ABに配置しているし、戦闘機撃墜で関係が悪化しているトルコ向けには、S-400地対空ミサイルで攻撃任務が付与され展開している。また最新鋭のT-90戦車も搬入されている。
4月に入って、シリア政府軍はロシア軍の支援を受け、遺跡都市パルミラを奪還しているが、地上部隊にはロシア傭兵部隊の存在が重要な戦力として機能している。
Airbus Defence and Space の衛星写真では、Homs 南東 30km の Al-Shayrat AB に Ka-52 Alligator×4 機、Mi-28N Night Hunter×3 機が映っている。(IHS Jane's 360)
ロシアは、欧米環視の中、中東に橋頭堡を構築しつつある。