阿部ブログ

日々思うこと

沈香の香りを楽しむ

2016年03月04日 | 雑感
京都で沈香を購入した。15gで8,000円程する。
沈香の樹は、インドや東南アジアに分布するジンチョウゲ科の常緑樹。沈香は香木の代表だ。その中でも最上級の沈香は「伽羅」と呼ばれベトナムで産する。
十巻本和名抄には「沈香 本草云沈香 沈香音女林反 節堅而沈水者也 兼名苑云一名堅黒」とあり、源平盛衰記(重衡関東下向事)には「木はこれ白檀なり。天竺には栴檀といふ。海中に入りては沈香とも号せり」とある。また正法眼蔵 陀羅尼には「一片の沈香箋香等を帯して参ずるなり」と。

沈香で有名なのは、正倉院にある「蘭奢待」。「蘭奢待」は織田信長が切り取った事で有名だが、信長以外では、足利義満、足利義教、足利義政、土岐頼武、明治天皇が切り取っている。次回は伽羅を購入して香りを楽しもうと思うが高価な買い物だし、そもそも煙となって雲散霧消する。
さて、沈香を買ったお店で「香十徳」を知った。北宋の黄庭堅の作だ。この漢詩は一休宗純が広めたと聞いた。

  「香十徳」
   感格鬼神 香の感は鬼神に至る
   清淨心身 香は心身を清らかにする
   能除汚穢 香は良く汚れを除く
   能覺睡眠 香は良く眠りを覚ます
   静中成友 静中友になる
   塵裏偸閑 塵裏にひまをぬすむ 
   多而不厭 多くしていとわず
   寡而為足 少なくして足れりと為す
   久蔵不朽 久しくたくわえて朽ちず
   常用無障 常に用いて障り無し

最後に「沈香も焚かず屁もひらず」