続 仕切り直し

7日にトレーナーさんがアフターで見える前日は最悪だった。

トレーナーさんに言われて用意したキャリーケース(クレート
って言うらしいが）に、素直に入らない。

ケージから出るが入り口で一旦止まりこちらを窺い隙あらばの
構えを取ったのには驚いた。

悪知恵というか・・・

キャリーに入ってくれなければケージの掃除もできない。
臭いだけでもノイローゼになりそうだ。

お昼過ぎに約束通りトレーナーさんが来てくれて、リードを
付けてキャリーに入れてくれる。

わたしもやってコツを教わる。

トレーナーさんはかなり厳しいやり方だった。
叱るときはバシッと一喝、直ったらすぐ褒めると大人しく
撫でられてすっかり落ち着く。

その極端な変化はまるで別人(犬)格である。

とにかくこちらの言うことを聞くようにならなければ飼う
ことはできない。

わたしもハラを据えた。
噛まれたトラウマで革手を着用したりもしたがもう素手で
すべてやることに。

叱るときはドスの利いた低い声で

きっと近所では、犬よりもわたしの声のほうがウルサイと
思ったかも。

トレーナーさんが帰ったあと、わたしの声や態度の急な
変化は効果的だったが、敵もさるもの。

最初は一発で吠えるのをやめたが、だんだん何回も
言わせるようになった。

相変わらずわたしに要求吠えやウナッて威嚇することが
多いが、決してひるまずこちらの言うとおりにするまで
粘ってしつけを続けた。


わたしはどちらかと言うと、柴犬やポメラニアンの
ような丸顔が好みで、ダックスのような長い顔は苦手だった。

でも今回はダックスの細長い顔がケージ柵の間から
出るおかげで、ケージ越しに喉元をナデナデできた。

昨日からは少しずつケージから出して、かまってやる
時間を増やした。

しかしズル賢さは天下一品、ケージ外でわざと粗相をして
こちらの反応を見たり・・・

やることが本当にあざとい。
とにかくあの手この手でこちらを試してくる。
まだ信頼していない証拠だ。

上目使いの疑いのまなざしを向ける。
その表情を笑える余裕もこちらは出てきた。

夕方からはケージに黒い布を掛けると落ち着くのか
朝まで大人しい。


まだ一進一退、綱引き状態である。

向こうはとにかくわたしを下に見て何でも言うことをすぐ聞く
お世話係りにするつもりでいる。

要求吠えをして無視していると諦めるが、近づくと怒って
文句を言っている

動じないでいるとうなだれる様子も見せるようになってきた。

犬の認知力も少しずつ解ってきた。
まだまだ時間がかかるだろうけど、根気よく向き合って
いくつもりであるが、ワンコとの仁義なき戦いはまだまだ続く・・