癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

診療現場の電子化

2007年01月26日 | Weblog
今朝は寒かった。そして連日の降雪。やっと冬が来たと言う感じです。
やはり、冬は冬らしくないと困りますね。

先日もブログで書きましたが、総合病院で久々に受診しました。
新患はカードで診察順番を確保し、待っていると、ほどなく看護婦さんが「問診」を取りに来ました。データがあるので、過去の検査と絡めて今日はどういうことで受診したか聞いてきれます。手際よく、短時間で。
処置室からは「投薬」希望できた患者さんがこれまた、手際よく短時間で呼び出され、次々に注射等の処置を受けていきます。

傍らでは、予約診療の患者さんが予約表を握り締めて、電光掲示板に表示される診察呼び出しに目と耳を凝らしています。

かつての総合病院にありがちだった、混乱とイライラが解消されています。電子化の恩恵、まさにこれにありという感じです。

診察では医師が端末を見ながら、過去の診察履歴や検査記録を探り、診察を進めていきます。聴診器はあてず、ひたすら端末に入力していきます。
精密検査のオーダーも検査室に空き状況を確認して予約を入れて入れていきます。
全くあざやかに進み、最後は薬剤のオーダーもいくつかの定番パターンをパソコンで選択して、薬室に伝送して終了。約5分未満です。

クリアファイルを渡され、会計に行くとほどなく呼び出され、清算を済まし、薬局にいくとこれまた、ほどなく電光掲示板に番号が表示され、ぼくの分が渡される。

非常に連動していてすばらしい。
しかし、なにか違うような気もした。人間が人間として関わっていない錯覚にとらわれる。

医療においても電子化は必須の流れであり、患者をこなさないと黒字経営は難しいだろう。薬剤オーダー、検査オーダーも電子化してスムーズな流れにしないと、今日の病院ではシステムが崩壊するだろう。

しかし一方で、データに基づく診察だけでなく、人間の全体として病気を捉えてほしいような気がしてきた。昔はそんなこと余り考えなかったが、その人の来院したときの顔色や生気、そして性格的なものを斟酌した診察をしてほしいと強く思った。
まぁ、大きな病院では無理でしょうけどね。東洋医学に通じるところがありますね。目の輝きだとか、臭いだとか、しぐさや顔色、話し方、何を好んで食べているかなどを聞くと病気の原因の根本を探ることができろような気がします。
こういうのを「ホリスティック医療」というのですかね。
心臓疾患や急性の疾患は西洋医学に敵いませんが、慢性疾患や肺、肝臓、胃腸、精神内科、婦人病などはホリスティックな側面が有意義だと思いますね。

どうでしょう、皆さん。

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