【内容】
厳しい武家の定めの中で、愛する人のために生き抜いた女性たちの清々しいまでの強靭さと、凜然たる美しさや哀しさが溢れる31編。
貴方と生きると決めた時、私は涙を捨てた―。
一生ものの愛。女性の強さ、美しさを描き切った31の名編。
妻が死んだ。久方ぶりにその手を握り、はっとする。酷く荒れていた。金銭で困らせたことはなく、優雅な生活を送っているとばかり思っていたのに、その手は正に働く女の手であった――(「松の花」)。厳しい武家社会の中で家族のために生き抜いた女性たちの、清々しいまでの強靱さと、凜然たる美しさや哀しさが溢れる三十一の名編。
乙川優三郎「山本周五郎と私 美しいもの」、服部康喜「解説 ふたりの『語り手』」を収録。注釈付文字拡大新装版。
一生ものの愛。女性の強さ、美しさを描き切った31の名編。
妻が死んだ。久方ぶりにその手を握り、はっとする。酷く荒れていた。金銭で困らせたことはなく、優雅な生活を送っているとばかり思っていたのに、その手は正に働く女の手であった――(「松の花」)。厳しい武家社会の中で家族のために生き抜いた女性たちの、清々しいまでの強靱さと、凜然たる美しさや哀しさが溢れる三十一の名編。
乙川優三郎「山本周五郎と私 美しいもの」、服部康喜「解説 ふたりの『語り手』」を収録。注釈付文字拡大新装版。
【読んだ理由】
二回目の投稿となるが何回読んでも素晴らしい。私のこのブログ名もこの書名にあやかっている。
【最も印象に残った一行】
烈女節婦はこのように伝記に撰せられるものだけではない。世の苦難をたたかいぬいたこれらの婦人はほむべきだ。しかし世間にはもっとおおくのほむべき婦人たちがいる、その人々は誰にも知られず、それとかたちに遺ることもしないが、柱を支える土台石のように、いつも蔭にかくれて終わることのない努力生涯をささげている。
烈女節婦はこのように伝記に撰せられるものだけではない。世の苦難をたたかいぬいたこれらの婦人はほむべきだ。しかし世間にはもっとおおくのほむべき婦人たちがいる、その人々は誰にも知られず、それとかたちに遺ることもしないが、柱を支える土台石のように、いつも蔭にかくれて終わることのない努力生涯をささげている。
【コメント】
このブログで、私のミスによるもの以外で初めての二回取り上げる作品。
このブログで、私のミスによるもの以外で初めての二回取り上げる作品。
何回読んでも心打たれる。