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快挙

2006-01-10 00:04:07 | EBBRO・エブロ
世界には耐久レースの極致とも言える24時間レースがいくつかありますが、中でもフランスのル・マン。ベルギーのスパ・フランコルシャン。そしてアメリカのデイトナは三大24時間レースとして有名です。
ニッサンチームはこれらの名だたる24時間レースに挑戦し、ル・マンこそ総合3位(1998年)に止まったものの、スパ・フランコルシャンでは1991年にグループA仕様のスカイラインGT-Rで優勝を飾っています。
そしてデイトナでは、1992年には長谷見昌弘/星野一義/鈴木利男組が初出場にして優勝を実現しています。
本日紹介するのはEBBRO1/43ミニカー「ニッサン R91CP デイトナ24時間1992年」です。

デイトナ24時間への出場にはいくつかの伏線がありました。1990年のル・マン24時間において、優勝候補と目されたニッサンはワークスカー5台(ヨーロッパのNMEが2台、アメリカのNPTIが2台、NISMOが1台)を投入しながら敗退。ニッサン勢の最高位はNISMOの5位。惨敗でした。
1991年ル・マン24時間は車両規定変更のためにニッサンワークスは出場を見送り、NISMOは1990年ル・マンの振り返りとユニットの開発テストを狙いとして、Cカーでも勝負のできるアメリカ最大の24時間レースであるデイトナ24時間をターゲットに絞ったのでした。
しかし、1990年後半には湾岸戦争が勃発。1991年のデイトナ24時間は、出場を見合わせるしかありませんでした。そして翌年の1992年、待ちに待った機会が訪れたのでした。

R91CPはそもそもJSPC(全日本スポーツプロトタイプカー選手権)をターゲットとして、100%ニッサン自製のCカーとして1991年に誕生しました。それまでのニッサンは、「マーチ」や「ローラ」といったイギリス製シャシーに自社製エンジンを搭載して戦ってきましたが、高性能なパワーユニットに見合うバランスのとれたマシンとするため信頼性と耐久性をさらに追求したシャシーを自製する道を選んだのでした。
フルカーボンコンポジット製モノコックに、独自の空力解析から生み出された流れるようなラインのボディが被せられました。

エンジンは90年のR90CPに搭載されたV型8気筒DOHCのVRH35Z(85×77mmのボア&ストローク、3496cc+IHI製のツインターボチャージャー)を踏襲。パワーは800ps/7,600rpm、最大トルクは80kg-m/5,600rpmという数値を発揮しました。
強大なパワーをミッションにつなぐクラッチは、当然ながらトリプルプレート(カーボンクラッチ)とし、トランスミッションはVGCの5速を搭載。
また最高速が400km/hに達しようかというCカーには強力な制動力を要求されますが、ブレーキはR91CP専用開発のベンチレーテッドのカーボンディスクを採用していました。

そして1991年のJSPCでは、星野一義/鈴木利男組のカーナンバー23のカルソニックニッサンR91CPが7戦中3勝を挙げてチャンピオンを獲得。
R91CPのデイトナ仕様は、タイヤをグッドイヤーに変更した以外は基本的にはJSPC仕様と同じ。但しエンジンは24時間という長丁場の耐久仕様ということからパワーを680psに抑えられていました。また、108dB以下という音量規制によってマフラーに消音器を取り付けているのもデイトナ仕様の特徴です。
競技規則では1991年のデイトナで採用された燃料給油の時間規制も1992年にはなく、最低重量も930kgと問題なくクリア。これで、IMSA-GTP(アメリカのスポーツプロトタイプカー最高峰のクラス)勢相手にCカーの本領が発揮されることになりました。

2月1から2日にかけて行われた決勝レースでは、ゼッケン23のR91CPをドライブする日本人組は予選3位からスタート。長谷見選手がスターターを務め、何と1周目にトップに!
途中、ラジエターのコアに砂が詰まってオーバーヒートの兆候を見せたが、これもピットインごとに水をかけて洗い流し、ことなきを得ました。
23号車にプレッシャーをかけ続けてきたヨースト・ポルシェも2日早朝にリタイアし、23号車は2位に浮上したジャガーXJR-12Dに9周の差をつけて、それまでのレース周回数記録(90年ジャガーの761周)を更新する762周で総合優勝を獲得。
日本製のマシンと日本チーム、そして日本人ドライバーが初めて達成した快挙となりました。
しかし、結局ル・マン24時間への参戦は見送られた非運のマシーンとなってしまいました。

ちなみにこのモデル、初版品に限り二箇所のエラーがあります。
1.フロントカウルにニッサンのマーク
2・サイド出しのエキゾースト
この二箇所が実車とは異なるため、日産からのクレームで改修されました。
この部分で初版品か二期生産品か判別することが出来ます。


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