3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
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I was in the UK 2 ~インヴァネス・ネス湖編~

2011-01-07 01:19:25 | 
休みを謳歌しているため、全く時差ぼけを直そうとしていない。
逆に時差ぼけに順応しようとしてしまっているため、時差ぼけがとても幸せだ。
今日もよく寝た。
朝の5時に寝て、昼の5時に起きた。
明るい時間帯が一瞬たりとも無かった。


さて、イギリス紀行の2日目。
この日は、ちょっと遠出をして、Scotlandへと飛ぶ予定だった。

行き先は、Inverness(インヴァネス)という小さな町。ここは知る人ぞ知る有名な街である。

Nessie(ネッシー)で有名なLoch Ness(ネス湖)の拠点となる街なのである。
ネス湖はInvernessからバスで20分くらいのところにある。

今回、俺はどうしてもネス湖に行きたかった。何故かと言うと、一ヶ所有り得ない場所と言うか、普通ではまぁ行かないようなところへ行きたかったのだ。その矛先となったのが、ネッシーのいるネス湖。ここならロケーション、インパクト共に申し分ない。もちろんネッシーを見付ける気も満々だ。

ガイドブックによると“ネッシーがトリックと判明して若干熱が冷めたきらいもあるが…”と書いてある。そんなこと知るか。

だが、実際に行くとなるとかなりの不安が付き纏った。
このInvernessという街、イギリスの地図を見ていただければ一目瞭然なのだが、とてつもなく有り得ないところにあるのだ。スコットランドの中でも最北の街と言ってもよい。正に最果てと呼ぶに相応しい最北端に位置する。緯度で言えばなんとノルウェーと同じくらい。

果たしてどれだけ寒いのか。一面雪だらけで景色もくそもあったもんじゃないかも…いやそんなことより一面雪で交通機関はストップしていたらどうしよう…、いやそもそもInverness行きの飛行機は無事に飛ぶのであろうか…

一抹どころではない十抹位の不安があったが、決めてしまった以上仕方が無い。命を危険等を感じたたら無理はしないことを決め、行くことに決めた。


ホテルの最寄りのHammersmith駅を6時に前に出る。
まずはDistrict lineに乗り、Victoriaと言う駅に向かった。楽に一本で行けるはずが…
ホームで待てども待てども電車が来ない…
するとホームのアナウンスでなんとDistrict lineが遅延しているので、違う線を使って乗り換えてくれ、という内容が流れる。

いきなり面倒くせーことになったなーと思いつつも、前日にVictoria駅を訪れ、Gatwich ExpressというGatwich空港までたったの30分で行くことのできる特急列車の乗り場を確認していたのだ。Inverness空港行きのフライトは9時30分。昨日の段階で乗り場付近にいたおっちゃんには7時前にここに来ればフライトに間に合うという確認もとってある。時間も余裕があり、乗り場も分かっていたということで多少の余裕があった。

が、Gatwich Expressのチケット(16£)を購入し、車内に乗り込んでも列車が一向に発車する気配が無い。なんとこの日早くも二度目の遅延。
車内では“Fxxk!”と叫ぶおっちゃんも。なんてついてないんだ。
本当に早目に出てきておいたこと、そして昨日の段階でVictoria駅を訪れていてよかったと思う。This fxxking trainもようやく発車し、1時間ほど遅れて到着。

Gatwich空港はさほど大きい空港でもなく、それほど迷うことなくチェックイン→セキュリティーチェックを済ますことができた。ただ、なかなかゲートのナンバーが表示されない。出発ぎりぎりになってゲートが表示され、行ってみると…

なんともこじんまりした一室に押し込められた。大きな企業なら喫煙所でもおかしくない大きさだな。この部屋の大きさからもInvernessがどういうところなのか、そして今から俺はどういうところへ行こうとしているのかが伺えた気がする。
集まっている人も非常に少ない。しかも観光客っぽい人は誰もいない。みな一様にちょっと年末は田舎に帰ってゆっくり過ごそうかな…って感じの人ばかりなのだ。
やはりこの時期にInvernessに行こうとする観光客になんていないのだろうか…
ただ、何とか飛行機は飛びそうなのでそこは一安心。

小さめの飛行機に乗り込み、いざScotlandへ!

フライト時間は1時間30分ほど。程無くして窓からScotlandの土地が見えてくる。

…何も無い…
ひたすら永遠に平原が広がっている…
飛行機から降り立ってみると…

360度、平原。本当に何も無い平原。
広い。広すぎる。

空港もとんでもなくて本当にどこからが空港の滑走路で、どこからがいわゆる空港外の平原なのか分からない。柵なんか何も無い。普通に獣が滑走路に進入してきてもおかしくない。俺はとんでもない場所に来てしまったのではないだろうか…

ただ、その景色は筆舌に尽くしがたく、本当に綺麗だった。

Inverness空港に到着し、まずはランチ。サンドイッチとドクターペッパーを頂く。
空腹だったため、本当に旨かった。
食後の一服をするため外へ。じっとしてると相当に寒い。

腹も膨れ、さてこれからどうしたものか…時間は11:40分。
実はInvernessにいられるのは18時40分までなのだ。
18時40分初のInverness発の列車に乗って、実に4時間かけて今度はScotlandの首都、Edinburghに向かわなくてはならない。

まずはここInverness空港から市外へはどうやっていったらよいかを尋ねる。すると12時04分に市外行きのバスが出ているとのこと。
そして、空港に置いてあった現地ネス湖ツアーのパンフレットを見ると…

14時集合→ネス湖クルージング→Urquhart Castle(アーカート城)散策→ビジターセンターで買い物というツアーで、到着は17時!!
正に俺のために用意された時間のツアーではないか。

いきなり来て今日の14時からツアーを申し込みたいんですけど…なんて流石にいきなりすぎるかなと思いつつも、尋ねてみたらOKとのこと。完璧だ。来る前の心配事がどこへやら。日本で見ていたガイドブックでもネス湖への行き方が判りづらくて、面倒くさそうだったし、何よりバスの本数が非常に不安だった。しかし、ツアーに申し込んでしまえばこのような不安も解消される。何かいい事尽くしだな…

現在時間は12時。
到着後、1時間半ほど街を散策→ネス湖→アーカート城→17時にInverness着→再び街中を散策&夕飯→18時30分Inverness駅へ
何とやりたいこと全てできてしまうという完璧なプランだ。

バスに乗り、いざInverness市街へ。
バスの景色もこれまた広大な平野が続くなんとも壮観であった。
20分ほどで到着。

到着すると間もなく一緒に乗っていたおっちゃんが、こんな時期に北の外れまで来た怪しい観光客を歓迎してか、メインストリートや駅、バス停と色々教えてくれた。

暫し町を散策。

Invernessのビジターセンターを訪れ、ネス湖ツアーの申し込みをする。
集合場所と時間を確認。料金を支払う際にスコットランド独自で発行している紙幣を貰う。せっかくだからこれは記念に取って置こう。

一つ嬉しい誤算があった。それはInvernessの街がとてもいい雰囲気の街だったということ。本当に街を散策している時間は楽しかった。とても小さな町で徒歩で1時間もあれば一通り回ることができる。そしてその町並み。
大きなネス川が街を通っているのだが、その川の両側の建物が本当にいい雰囲気だった。川沿いを散歩しているだけで十分いい観光になった。
川沿いにあるインヴァネス城や教会の荘厳さ、そしてその荘厳さにネス川の少し田舎っぽい雰囲気が絶妙にマッチしてなんとも素晴らしい景観を作り上げていた。
日が傾き、夕日に照らされる川沿いの景色は正に見てみたかった景色そのもの。

出来ればここの川沿いのホテルに泊まってみたかったな、などと思う。

建物ももちゃごちゃしていなく、湖畔の小さい街という雰囲気を削いでいないのがまたいい。かといってお土産などの店も充実していた。

あっという間に時間は過ぎた。
綺麗な図書館の近くでトイレを済ませ、順次万端。

集合場所に着き、程無くするとツアーのバスは来た。

乗り込むと、帰りの集合場所が記されたパスを渡された。それには“私たちは待てないので遅れたら置いていくよ”と書かれていた。これは何としても死守だな。
ガイドのおっちゃん(名前はジョーン)自らが言っていたようにそうとう参加人数は少なかった。俺は当然日本、あとは中国の人、あと中東かどっかのにいちゃんにアメリカの人が3人。なんともインターナショナルなネス湖ツアーではないか。

ネス湖までのバスではガイドの方が色々な説明をしてくれた。しかし、半分位は何を言っているのか判らない。単語を拾い拾い、何とか聞いていた。

20分ほどでネス湖に到着。
ネス湖はとても広かった。先が全く見えない程広い。
そして、場所が場所のためか、しんとしてる。
確かにここには何かモンスターが潜んでいてもおかしくないなという神秘的な雰囲気。
ノリで決めたことなのに、俺は本当にネス湖に来てしまった…
そして今俺は確かにネス湖を眺めているのだ…

横にはネッシーのオブジェが立つ乗り場でボートに搭乗。早速二階に駆け上がる。
いざ30分のネス湖クルージング。

残念ながらネッシーを見つけることは出来なかったが、暮れかかった夕日とともに見たネス湖は本当に素晴らしい景色だった。

お次はアーカート城に入る。ここは廃墟の城で、ガイドブックで予習をした際、せっかくネス湖に来たのならここはぜひとも立ち寄ってみたいと思っていたのだ。その朽ち果てた姿は歴史の壮大さを物語っていた。これが破壊されたのはおよそ1300年。そしてその後700年後に俺が訪れ、その廃墟と化したアーカート城に立っているのだ。

最も保存状態のよいと言われるタワーかわネス湖を望む。
正に絶景である。

と、絶景を臨み、もう暫く感慨に耽っていたいものだったが、時間を過ぎたら取り返しのつかないことになるため、少し早めにアーカート城を後にする。
その後暫し近くのビジターセンターでお土産の買い物。

集合場所にバスがまだ来ていなく、出口が再入場不可で締め出されてしまったときはどうなることと思ったが、何のことは無く、無事にバスに乗り、Invernessに戻ることが出来た。

再度Inverness市街を散策。先ほど回った時に大体の地理を把握していたのでスムーズに事は進んだ。お土産を数点購入(当然ネッシーの置物を購入した!)し、夕食はまたもマック。

時間に余裕を持って鉄道駅に向かうことができた。

Edinburgh行きの列車のチケットは実は日本でオンラインで予約・購入したものだった。このチケットを受け取ることに少し不安もあったが、到着して間もなく、クレジットカードを提示するだけで手に入れることが出来た。

さようならInverness…本当にいい場所だったよ…


ここからはEdinburghまで実に4時間の列車の旅。無事に列車に乗ることができ、Invernessの絶景を思い出すのもつかの間。電車の中で寝れない俺は実にこの時間が長く感じられた。しかもこの列車の中がとても自由な空間で、隣に座ったおばちゃんと小学校低学年の子どもが凄い。なんとキャリーバックに入れていた猫(この猫の名はスパークリングというらしい。この子が言っていたのを盗み聞きした)を外に出し、列車内を散歩させる始末。俺の足元に猫がそっと擦り寄ってきたときには流石にびびった。
日本では考えられねーな…と思いつつ、けど微笑ましく見ていた。

この子もこの子で気付かず猫の上に座ってしまい、おかあちゃんに怒られ泣き出す始末。けどまたすぐにけろっとしてゲームをやりだす。すると今度は音量が大きくて“静かにしなさい!”と怒られ、またしゅんとする始末。
どこの国でもちっちゃい子なんてやることは一緒なんだな。

更に斜め前に座っていたにいちゃんは、近くにいた人のパズルが気になったらしく、“ちょと貸してもらえませんか?”と借りに行き、黙々とそのパズルに興じる始末。日本でそれやったら間違いなく不審者だぞ。異文化をしかと目の当たりにした。

そんなこんなで長かった鉄道の旅も無事終わり、Edinburghに到着した。
Edinburghいは二つの駅があり、俺が到着したのはHaymarketという駅。
ホテルから近く、比較的すんなりとたどり着くことが出来た。
ホテルまでは大通りからそれ、比較的細い道を行かなければならなかった。道の途中にあるゴミ箱にはこれ見よがしの落書きが。この辺は夜治安悪そうだな。

Londonのホテルのゴージャスさとは違い、Edinburghではゲストハウスのようなところに泊まった。こじんまりとした雰囲気がこれまたアットホームでよい。受付の人の英語が非常に聞き取りやすく、チェックインや朝食の説明など簡単に済ますことが出来た。

一日中担いでいたザックを下ろし、暫し休憩。タバコを吸いに行く。

その後、ホテルにあるバーで2杯ほどビアーを飲む。
疲れた身に染みる…はずが、疲れすぎていたらしく、染みるどころか回ってしまった。頭がくらくらする…
俺はきちんとシャワーを浴びたのだが、よく覚えていない。どうやって浴びたんだろう…
しかもどうしてもScotlandでポストカードを出したいと思っていた。明日にはLondonに戻ってしまうので、今日中に書いて明日の帰るまでに出すしか方法は無い。ぐるんぐるんする頭でなんとか書き上げ、気付いたら堕ちてしまっていた…

何も用意はしていないが、明日はEdinburghの散策だ。



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