3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
since 2008.4.4

Hawaii一人旅 ―最終回・帰国―

2010-10-28 18:14:06 | 
出発から一日ごとに書き続け、6回と言う長編日記になってしまった。
今回でHawaii一人旅日記は最終回。


最終日。
この日は本当に飛行機に乗り、日本に帰国するだけである。

ただ、特記することが1つだけあるので、わざわざこうして1つの日記として書くことにした。

6時に起床、速攻でチェックアウトを済ます。ここでも何事も無く事は済んだ。

6時30分位に何回もお世話になった19&20番線のバス停に到着。いよいよ最後のバスである。
しかし、ここでなかなかバスが来ない。

しかも一緒に座っていたのは俺と、もう一人はおそらくホームレス。
ワイキキビーチ周辺を歩いたことがある人はご存知かもしれないが、あそこは非常にホームレスが多く、夜などは治安があまりよくない。

朝イチということで、人通りもほとんど無く、ホームレスと二人きりでバスを待つ。
その間も彼は独り言をブツブツと言っていた。
ボロボロに汚れた毛布を持ち、髪の毛は暫く洗っていないであろうボサボサ具合。

昨日の件もあり、非常に怖かった。今日は最終日で日本に帰国するだけだ。最後の最後で何かトラブルがあるのはまっぴら御免である。
バスを待っている時間、早く着てくれとずっと祈っていた。

そしてバスが到着する。安心していつものように財布から$2.50ドルを取り出し投入する。

すると、後ろにいた彼から呼び止められる。

“お札落としたよ”と言っていた。

そう、俺は財布から$20札を落としてしまっていたのである。


彼はいい人だった。すごく嬉しかった。

“Thank you”と言うと、ニコッと笑った。

たったそれだけのことに無性に感動し、ちょっとうるっと来てしまった。

因みに俺は、ホームレスの人に偏見を抱いていたとか、ホームレスの人も全員が悪い人じゃないことを知っただとか、そんな事を言いたいのではない。

ホームレスの人に対して、そのような否定的な考えを抱くことはごくごく当然であり、そのくらいの防御の姿勢を取って接するくらいのほうが丁度いいと思う。
別に俺の考えを改める必要なんて全く以って無いと思う。

しかし、彼は俺に対して優しかった。

ただ、それだけ。

俺が関わりたくないと思っていた彼が、優しかった。
ただ、それを知って嬉しかっただけだ。


バスはホノルル国際空港へを向かう。このバスの中では一睡もせず、残るHawaiiでの滞在時間を噛み締めていた。
車窓から過ぎ去る何度も見た景色を眺めながら、あぁ、これでいよいよHawaiiともお別れかという気分が徐々に色濃くなってくる。

途中で向こうの大学生ぐらいだと思われるカップルが乗ってくる。とても楽しそうに会話をしている。これから二人でどこかに出かけるのだろうか。

ホノルル空港に到着。まずはお世話になったあの場所、バス乗り場で一服。

帰りの便はデルタ航空である。航空券を手配し、バックパックを預ける。

身軽になり、早々にセキュリティーチェックを済まして中へ。まだ時間は1時間近くある。まずは朝食を食べた。
その後、お土産屋をふらつき、雑誌やお菓子などを購入。

いよいよ搭乗である。パスポートの出国のスタンプを押して貰っていなかったので、これで大丈夫なのかと言う不安があったが、問題なかった。Hawaiiではパスポートには入国のスタンプだけのようだ。


そして日本へ向けて飛行機は飛んだ。



終わった今思い返して総括してみると、俺の余りの無計画のお陰でオワフ島に関してはあまり回れなかった気がする。
しかし、迷い、知らない道をほっつき歩き、へとへとになるのもそれはそれで旅の醍醐味であるし、ツアーなんかでは経験できない貴重な体験であると思う。

色々なものを見ることができ、体験することが出来た。
何より、一人で何もかもこなすということが面白かった。
纏めると疲れた分、本当に楽しかった。

けど次にHawaiiに行く時は、誰かと行こうと思う。





Hawaii一人旅 ―再びオワフ島―

2010-10-25 21:56:35 | 
長きに渡って書いてきたHawaii旅行記もこの4日目は実質最終日である。
この日は完璧にノープランでオワフ島をフリーに散策する予定だった。
そして翌日の朝、すぐに日本に向けて出発することになる。


朝、目覚めは意外とよく、アラームなしで7時に起きる。
シャワーを浴び、荷物を整理し、まずは朝食を求めてホテルを出る。

ホテルはワイキキビーチから徒歩5分の所だったので、買い物には事欠かない。
最寄のABCストアでサンドイッチとパイナップルジュースを購入。

3日前に腰掛けた場所と全く同じ場所に腰を下ろし、真っ青に染まる空と、真っ白なビーチを眺めながら朝飯を食らう。

サンドイッチを食い終わると、早速行動に出た。
昨日の日記にもあるように、完全なフリーと言えど、絶対にリベンジを果たしたい場所が一ヶ所あり、ここだけはまず行こうと考えていたのだ。
そう、ダイヤモンドヘッドである。

1日目に登頂しに行こうとして道に迷い、姿は見えているのに辿り着けないという結果に終わった。飯を食いながら今度は地図を念入りに見て、バスの路線と停車位置を入念に確認する。
バスは今回の旅でお世話になりまくった19&20番線ではなく、今度は22、23、24番線のいずれかに乗り、より東の方角に移動しなくてはならない。
バス停に移動しバスを待っていると、程無くしてバスは来た。

今回のオワフ島での移動はバスで全て済ませていたため、バスの乗り方には相当慣れた。このバスに乗り込むときもいつもすんなりと野りん込み、ドライバーと挨拶をする余裕まで見せた。
そのバスには日本人の集団が乗っており、日本語の会話から、彼らもダイヤモンドヘッドへ向かっているようだった。彼らに一人で乗り込んできた俺はどのように写ったのだろう…何かちょっとした優越感があった。

この路線のバスに乗るのは初めてだったので、車窓からの景色が新鮮である。
10分そこらでダイヤモンドヘッドの登山道入り口に到着した。

ここはあくまでも入り口であってスタート地点ですらない。ここから20分ほど歩き、駐車場へと移動しなくてはならない。ここが本当のスタート地点であり、ここで料金を払い入山する。まずは駐車場へ向け足を進める。道は完全な一本道である。サルでも迷いようが無い。景色のよい登山道を歩き、洞窟を潜ると、一気に視界が開ける。

駐車場に到着、$1を払い、パンフレットと入場券を貰う。俺はこういうとき必ず見栄を張って英語版のパンフレットを貰ってしまう。



いよいよ登山開始である。テンションはマックスに。

火山と言えど、最初のほうは本当に日本でもありそうな両脇を木々で囲まれた山道だった。気持ちよく暫く一人のハイキングを楽しむ。
つい最近、標高3700mの日本最高峰を制したばかりだったこともあり、無駄に自信があり、ダイヤモンドヘッドを少々なめていた。
別に全く以ってきつかった訳ではないが、何せ30分程度でいけるハイキングコースとして完全に俺の敵じゃねえなという考えがあったため、その予想に対しては、帰りはちょっと疲れた。

グネグネと登山道を一人で黙々と登る。
上に行けば行くほど、景色は岩と崖だけになってくる様子がとてもよい。
ガイドブックには30分程度で登れるとあったが、これは初日に行かないで本当によかった。ゆっくり楽しみながら登ったら1時間じゃ絶対に帰ってこれない。
登山道を外れると、いくつかルックアウト(ビューポイント)があった。他の観光客は正規のルートで登ってしまい、わざわざ道を外れてくる人がいないのか、ほとんど人がいなかった。こんな時こそセルフタイマーの出番である。



そろそろ頂上かなというとき、最後の最後にとてつもなく急勾配の階段が聳えていた。流石にこれには富士山で鍛えた足腰もちょっと堪えた。

トンネルを抜け、螺旋階段を登りようやく頂上へ。
そこには「ダイヤモンドヘッド登頂証明書」が発売されていた。値段を確認すると$2。
最終日だし、いまさら記念品に$2けちったってしかたあるまいと思い、ミーハー精神丸出しで購入。サイン欄には漢字で名前を綴った。

頂上の展望台で暫く景色を眺めた。
西側に見えるワイキキの眺望も素晴らしかったが、それよりも頂上からダイヤモンドヘッドのクレーター内部が見れたことに感動した。



帰りも全く同じ道を辿る。流石にここではi-Podという最終兵器に頼った。

駐車場に戻り、のどが渇いたところに自販機が見えた。意気揚々とコインを投入するも故障していたらしく商品が購入できないばかりかコインも返却されず…
ぬるくなったパインジュースを飲み干す。

来た道をひたすら戻り、バス停に到着。
ここで一つの迷いが。

地図を見てみると、ダイヤモンドヘッドのバス停からワイキキまでは2~3キロといったところだ。十分歩ける距離である。
バスを待つとなると、長いときには30分以上待たされることもある。たとえ途中で追い抜かれたとしても別段そんなに急ぐ旅でもない。
そう意を決してとりあえずワイキキまで歩いて戻ることに決める。


そこには俺が正に求めていた景色があった。
ワイキキのようなビルが立ち並ぶ道ではない。
住宅街と微かに観光地の交じり合ったような風情。
観光地と言っても都会過ぎない。生活観を存分に残したような町並み。

俺が思い描き、歩いてみたいと思った道がここにあった。
この30分の散歩は意外な収穫となった。
俺はこんな道をほっつき歩きたかったのだ。

ワイキキに戻ると、本日どうしてもやりたかったことの二つめを実行に移す。
Hawaiiの道を、街を、ほっつき歩くことだ。
先ほどの道で十分満足していたのだが、折角オワフ島にいるのだから、かの有名なワイキキビーチ沿いカラカウア通りを端から端まで散策してみようと言う気になった。

カラカウア通りを端から端まで、更に2キロほど歩く。

今回の旅のコンセプトと照らし合わせるとかなり場違いであった。
そもそも俺みたいな格好をしている人はほとんどいなかった。

ワイキキビーチがすぐ隣にあるうちは水着でうろうろしている人が多く、それを過ぎるとあのブランドストリートになってくる。
俺は今回の旅でブランド物を買おうなんて夢のような考えを一切持ち合わせていなかったので、全く以って興味が無かった。
しかも両手に幾つものブランド名がこれ見よがしにかかれたバックを持っている方々は必ず日本語を話していた。
やはり、彼女らのHawaiiの楽しみ方と今回の俺の旅行は違いすぎるなと思う。

別に向こうも一人ででかいバックパックかついで、交通費を切り詰めてバスと徒歩だけでうろつき回っているやつなんて理解の範疇外だとは思うしな。

同じ日本人だがHawaiiの話しで盛り上がれる気はしない。

そんなことを考えているうちに気が付いたら端まで来ていた。端まで来た目的の一つには郵便局に行ってポストカードを出そうということがあった。カウアイ島とこおオワフ島と両方から出してみたかったのである。結果論でいうとカウアイ島で出したやつはオワフに戻されたから処理されたみたいだけど。


そしてその近くにラーメン屋があった。

そして何故かそこで昼飯を食った。海外で別にラーメンを食べることはなんじゃないかという思いと、いや、海外で出しているラーメンがどれくらいのレベルなのか非常に興味があるという思いが交錯し、後者が勝って入ったのである。

そして醤油ラーメンを注文したのだが、これがまた美味かった。
日本の本場のものには勝てないとは思うが、全く不味いなんてものではなく、普通に美味しかった。もしかしたらたった5日間と言えど、どこかで日本の醤油的な味に飢えていたのかもしれない。

隣では白人の夫婦がぎこちなく箸を使って麺を啜っているのがとても微笑ましい。

チップがインクルーデッドだったのが少し残念であった。おそらくチップが理解できない日本人客が多くてこういう処置をしたのだろう。

その後は郵便局に行ったが、なんと休日だったので閉まっていた。

ただでは帰れないと思い、意地になってその通りを直進し、ダイヤモンドヘッドを臨むワイキキビーチというあの定番中の定番の、ポストカードとかで有名なあの景色を写真に収めに行く。


気付いたら午後を過ぎてしまった。あと6時間くらいで実質旅が終わる。
ガイドブックを見て、今日行く場所の候補が二つ。
①コンテンポラリー美術館
②モアナルアガーデン

①に関しては現代美術館というだけあり、前衛的な作品がいくつも展示されている。これはHawaiiに限らず見ておきたいところである。

そして②に関しては『地球の歩き方』にも大々的に取り上げられていない比較的マイナーな場所だが、知っている人にはかなり人気がある場所であろう。
そう、日立のCMで有名な“この~木なんの木”がある公園である。“この~木なんの木”の正式名称はモンキーポッドといい、Hawaiiではそこらじゅうに生育しているため、全く以って珍しい木ではないのだが、CMのロケ地ということで是非本物を見てみたかった。

両者に共通していることは、バスと徒歩で移動する旅行者にとって非常に行きづらい場所であるということだ。

①は何度もバスを乗り換えなくてはならないし、バス停もかなりマイナーなバス停なので運転手に予め伝えておかなければならない。
②に関してはそもそも近くにバスが通っていないため、ホノルル空港近くで途中下車し、後はひたすら入り組んだ道を歩かなければならない。

どちらにするか迷った挙句、②の“この~木なんの木”を選ぶことにした。
時間的にはまだ余裕があったが、モアナルアガーデンがどれほどの時間がかかるのか全くの未知だった為、おそらくコンテンポラリー美術館はまた今度にお預けとなるだろうなとは思っていた。

決めたら即バス停に向かう。もう何度お世話になったことか分からない19&20番線に乗り、ホノルル空港方面に向かう。途中までは呑気に寝たりしていたが、今回は下車するポイントは空港ではないため、少々緊張した。地図を見ながらひたすらバスが現在どこを走っているのか追い続ける。

ホノルル空港の少し手前で下車する。観光客ならば絶対に使わないであろうバス停で降りる。当然そこで降りたのは俺だけだ。

ここからはひたすら徒歩で向かう。地図で見ても遠そうだったので覚悟はしていたが、実際に歩くと本当に疲れた。どれくら歩いたのだろう…
ワイキキとは全く違い、歩いている人間は俺一人しかいなかった。車の交通量は多く比較的大きな通りなのだが、何せ観光的要素が皆無なため、本当に俺しか歩いている人がいないという状況。

しかも大変だったのは、途中で道が高速道路に入り組み、自分がどっちに向かっているのかがまったく分からなくなってしまったことだ。しかも道に歩道が無くなる。当然、高速のインターに徒歩で進入していくなんて自殺行為はできるはずもない。

そんな一杯一杯の時に、路上におかしな奴がいた。
ひと目で何かやばいと直感した。

一人で路上に座ったり寝転がったり、コンクリートの破片を投げたり、電柱を蹴ったりしながら大声で何か叫んでいた。そんな奴に出くわしてしまったのだ。

俺を見つけると、俺に向かって何か大声で叫びながら近づいてきた。単語はYouしか聞き取ることは出来なかったが、これはやばいと瞬時に察し、だが走って逃げたりするのも逆に気を逆撫でしそうな雰囲気だったので、冷静を装って目を合わせずにさり気なく離れた。背中では来るな、来るなとひたすら祈っていた。

向こうはガタイのいい黒人だ。ケンカして普通に勝てる相手でもないし、何かいっちゃっている。何されるか分かったもんじゃない。下手したら怪我じゃ済まない。
この時ばかりは少々一人旅の恐怖を覚えた。
マイナーな場所を一人でほっつき歩くときには、時にはこのような危険に遭遇することもあるということを学んだ。

なんとか少し距離が空き、追ってこないだろうと判断したときには自分がどこに向かえばよいのか全く分からない。


地図と勘だけを頼りに迷いまくった挙句、気付いたらそれっぽい公園に侵入していた。そこには地元の人だと思われる人たちが大勢で野球をしていた。よかった人がいて。人がいるとこんなに安心するんだな。

そして終に、“この~木なんの木”を発見した。

ここの公園には“この~木なんの木”と全く同じ木がいくつも生えているため、どれが本物なのか少し迷ったが、数名の観光客がいて一本の木のまえで写真を撮っていたので、ああ、これだなと判断する。確かにそれが一番大きかった。

これを見るために一体どれほどの犠牲を払ってきたんだろう…
この木を見つめながらもう何もしたくない、ゆっくりしたいという気持ちで一杯になっていた。

この時丁度小雨がぱらついており、写真を撮っても暗くなってしまい、まったくらしさがでない。ここまで苦労してきたのに、こんな雲空の雰囲気なんてあんまりだ。

だが、Hawaiiの天気は非常に気まぐれである。雨が降っても30分後には快晴なんてことも珍しくない。雲の動きが非常に早く、その雲の上にはさんさんとした太陽が照っているのだ。

俺は待った。たった10分でもいい。晴れてくれ。
1時間くらいひたすら待つ。

ようやく、一瞬だが雲が途切れ、雨が止み、太陽が顔を出した。
この一瞬を逃すまいと急いで写真を撮る。



何とか晴れた空の下の“この~木なんの木”ちう雰囲気を収めることが出来た。
この時点でコンテンポラリーに行くなんて大層なことはとっくに無くなっていたのは言うまでもない。

何とか目的を果たすことができ、いよいよ来た道を引き返していかなければならない。
先ほどの変人はまだその辺をふらついているのであろうか…
そして道に迷ったので、そう帰ったらいいのか不明瞭だ…

帰路も散々迷い、気付いたら住宅街に侵入していた。
地域の人だと思われる車に乗った人々の不審感極まりない視線がとても印象的だった。

30分以上迷った末、何とか見覚えのある道にたどり着き、ひたすら歩く。
変人もいないようである。

ひたすら歩き続け、バス停近くのウェンディーズに立ち寄る。ワイキキから何も飲んでいなかったため、渇きで死にそうだった。
ドクターペッパーのラージを注文したつもりなのに、何故かチョコレートシェイクのラージが出てきてしまった。全くのどを潤した感が無い…どこをどう間違ったのだろうか…

既に棒になった足を引き擦って何とかバス停にたどり着いた。

ここでまたひたすらバスを待つ。
この時は心細かった。
バスを待っている人は俺一人。周りには何も無い。
通り自体はとても大きいのだが、バス停は非常に小さい。

40分ほどガイドブックを眺めながら待ち、ようやく19番線が見えた。
嬉しさの余り、ヒッチハイクをするかのごとく手を挙げてしまった。

帰りのバスは爆睡と思いきや、何回も乗ったワイキキ行きバスもこれで乗り納めだろうと思うと少し寂しくなり、ずっと音楽を聴きながら何度も見た景色を眺めていた。

ホテルに到着し、少し休もうと思い、ベッドに横になり何の気なしにテレビをつけた。
そこにはDiscoveryがBroadcastしている「Life」というProgramが放送されていた。
そしてこの番組がこの上なく面白く、気付いたら2時間も見入ってしまった。これには当の本人も驚いた。しかしいいリスニングの勉強になった気がする。動物に関する知識も増えた。

その後買い物に出かける。近くのお土産やでお土産数点と切手を購入する。この時買ったドクターペッパーほど美味いものはなかった。ポストカードに切手を張り、ホテルのフロントに託す。

いよいよHawaii最後のディナーである。
先日の日記の通り、最後はレストランのちょっと豪華なディナーを楽しもうと決めていたのだ。レストランに入り、食べようと決めていたエビを注文する。
この時は一人で旅をやりきった達成感からか、またカウアイゴールドを注文した。
Hawaii最後のディナーとビールを存分に楽しむ。

もうHawaii一人旅は9割以上が終了した。
最後の最後、夜のカラカウア通りをふらつく。何を買うでもなくふらつく。
ネオンがきらめく通りがとても綺麗だった。

その後、真っ暗なワイキキビーチへ。
夜の海は本当に波の音しか聞こえず、静かな雰囲気である。
光も無く、正面には漆黒の闇。そしてその闇がまた月をよりくっきりと映し出す。

よし、これでもう思い残すことは何も無い。


ホテルに戻り、荷物を全てバックパックに詰め込む。
明日は10時初のフライトで日本へ戻るので、朝飯も考慮して空港には8時半には空港にいたいところだ。そしてバスの移動時間が1時間30分。待ち時間も計算すると…

およそ明日は6時起きである。ことのほか早かった。

荷物をまとめ終わり、アラームをセットしてベットに潜り込む。
すぐに寝るつもりだったが、寝る直前まで「Life」を見ていた。



Hawaii一人旅 ―秘境ナ・パリコースト―

2010-10-21 18:50:33 | 
Hawaii一人旅記も早くも三日目。
この日はカウアイ島で秘境ナ・パリコーストをボートでセーリングし、見に行くと言う予定だった。


起床は6時。

シャワーを浴び、念の為と成田で購入した酔い止めを飲み、バックパックを担ぎ上げる。もう港に向かったらここには戻ってくることは無い。本当にいい宿だったな、と暫し噛みしめていた。

今日は宿を出るのが7時なので、悠長に朝食を食べている時間は無い。
最後にお馴染みとなった喫煙所で一服。これまた朝日が輝いており、綺麗だった。

その後、直ぐにチェックアウト。
何か追加料金を取られるわけでもなく、すんなりと事は済んだ。

まず宿のエントランスに7時15分に集合し、タクシーでポートアレンという港へと向かう。
およそ30分ほど車に乗った後、8時前にポートアレンにあるブルードルフィンチャーターというオフィスに到着。そこで乗船の手続きを行う。シートに記入し、料金を払うと、
“ボート乗船の時間まではここで待機しろ。そしてキャプテン何とか(ここの名前を聞き逃してしまった)が来たら彼に付いて行け”と言うようなことを言われたので、オフィスで待機。
参加者が動き出したら俺もそれに付いていけばなんとかなるだろと甘い気持ちで待っていた。
お土産や服、マリンスポーツグッツなども売っており、暇することは無かった。
参加者であろう周りを見ると、一人で参加してるやつは誰もいない。皆一様に楽しそうにこれから行われるセーリングの話題などで盛り上がっている様子。

参加者は当然全員外国人。ってかここまで来ると完璧に俺が外国人なんだが。
アジア系の女性が二人で参加していたが、日本人ではなく流暢な英語を話してた。
多分、ノンネイティヴは俺だけだ。


そしてついにキャプテン(らしき人)が来る。周りが一斉に動き出し、キャプテン(らしき人)に付いて行ったので、ああ、これだなと判断し、俺も付いていった。

船の前で靴を脱ぎ、預け、いざ乗船。

乗船して気付いたのだが、こんなでかいバックパックなんて持ち込んでるやつは一人もいない。そして更に気付いてしまったのだが、みな一様に水着というか、水に入ってもいいような格好をしていた。

これはまずいと思い、クルーの一人に、“服を着替えたいのだが、どこか着替えられる場所はないか”といきなり尋ねた。
すると、階段を下りるとトイレがあるから、そこで着替えろとのことだったので、早速バックパックから水着を引っ張り出し、着替える。これで準備は整った。

いざ太平洋へ。

しばらくは太平洋の大海原をセーリング。本当に青い。海が青過ぎるのである。
見渡す限りの真っ青な海、それに加えて天気も再校の状態で、真っ青な空。水平線を空の境界線が曖昧になるほどの青さ。

どんどんテンションが上がり、一人でボートをふらつく。

周りの人は、ここに一人で参加してきた怪しいアジア人をどう思っているのだろうな~なんて思いながら飲み物を頂て飲んでいると、家族連れで来ていた白人さんの、おそらく小学校低学年の子にガン見された。やっぱり怪しかったのね。

ボートのエンジンの轟音。
照りつける日差し。
目の前には真っ青な太平洋と青く澄んだ空。
振り返れば着た道を白い泡の轍。

何とも爽快な気分だ。

暫くするとビュッフェスタイルの朝食が出る。待ってましたと言わんばかりに食らいつく。チーズとサラミをレタスに挟んで食べただけなんだけど凄く美味しかった。

今回のボートでは相当揺れが激しかったにも拘らず、全くもって酔わなかった。そもそも乗り物酔いしないんだけど、せっかくの機会に酔っちゃったりしたら楽しめない。


そして何故か、いや、理由はなんとなく分かる気もするが、今回クルーの人たちがやたらと気を遣って、ハイテンションで“楽しんでるか?”って何度も話しかけてくれた。

俺自身は心から楽しんでいたのだが、一人で黙々と海を見つめている様子が、“こいつ大丈夫か?”って思わせてしまったのかもしれない。

とても気さくに話しかけてくれ、怪しいアジア人に気を遣ってくれ、本当にいい人たちだった。俺も最高の笑顔で“Yeah!”と返す。

クルーの方々のみならず、他の参加者の方々にも結構話しかけられた。
けど俺が逆の立場だたら、その気持ちはとてもよく分かる。
例えば京都の世界遺産寺巡りツアーみたいなのに一人で異国の人がバックパック担ぎ込んで参加してきたら、俺は何か魅力を感じて話しかけたくなってしまうだろう。

しかし、そこで俺の英語力のなさを実感する。
旅先で生活する上での日常英会話くらいは大きな問題も無くこなしていた気はするのだが、英語で世間話をするというのが、俺の英語力からするととても難しかったのである。
何せ会話が続かない。

例)

「どこから来たの?」

「あ、日本です」

「一人?」

「ええ、一人です」

「そっかぁ…」

「そうなんです…」

「カウアイ島は綺麗だねぇ…」

「ええ。とても綺麗ですね…」

「…」

「…」


このような会話を繰り返してしまい、折角話し掛けてきてくれたのに、申し訳ないことをしてしまった気持ちで一杯になる。

色々と会話の引き出しを増やし、話題を提供できるほどの英語力には至っていないようだ。

そんなこんなで、暫く太平洋を航海していると、突然野生のイルカに出会う。

このボートセーリングのセールスポイントの一つに、“航海中、必ずと言っていいほど野生のイルカに出会えます!”と書いてあった。
“必ずと言っていいほど”ってのが面白かった。まあ、自然が相手だ。会えない場合もあろう。
言ってよいかどうかの許可は俺が決めるぜ!期待し、何としても太平洋で野生のイルカが泳いでいるところを目撃したかったのである。

日本だったらボートで航海中に野生のイルカを目撃なんていったら、結構奇跡的なイメージがあるかもしれない。少なくとも俺には滅多に見れないものというイメージがあった。

だがしかし、ここは太平洋のど真ん中。

一回だけではなく、何回も目撃することが出来た。しかも泳いでいるのは一匹ではなく、群れになっており、時折水面から飛び上がったりもする。
絵に描いたようなボートセーリングのワンシーンではないか。

イルカだけでなく、エイ、海がめ、モンクシール(ハワイ特有のアザラシ)なども普通に泳いでいるのを見ることが出来た。


そしていよいよ、ボートはナ・パリコーストに突入。

キャプテンが何か説明らしきことを言っているのだが、何を言っているのか聞こえない。
俺のリスニング力不足もさることながら、ボートのエンジン音がやかましく、物理的に何を言っているのか聞こえない。
波も高く、ボートの端に立っているとバッシャンバッシャン海水を浴びる。


そしてこれがあの伝説の(俺の中で勝手に)ナ・パリコーストである。

これがとてつもない壮観であった。
秘境という言葉をそのまま体現しているような景色が果てしなく広がっていた。
コーストと名前が付いているが、海岸なんていうレベルではない。
グランドキャニオンが海から突き出しているよう。

昨日見たワイメア渓谷もとてつもなかったが、それを超えてしまった。
何と言うか、海から突き出しているという環境のせいか、こちらの方がより秘境という感じがする。誰も近づくことは出来ない場所と言う感じ。
俺的にはナ・パリのほうが好みかも。海から突き出している山が凄いんだって。

本当にとんでもないものを見てしまったという感じだ。

因みにナ・パリコーストは本当に秘境で、車なんぞで立ち入ることは出来ない。
本当に行きたかったら徒歩しかないのだが、本格的な装備で2泊3日かかるらしい。

ひたすら見つめていた。



1時間ほど、ナ・パリの絶景を眺め、クルーと一緒に写真を撮った後、次のお楽しみであるシュノーケリングのポイントに到着。

シュノーケル、水中眼鏡、フィン(足ヒレ)を借り、軽く講習を受ける。

そしていざ、太平洋にダイブ。

実はシュノーケリングをするのはおよそ20年ぶり位なのである。
記憶も曖昧な幼い頃にやった覚えがあるが、ほとんど初体験なようなものだ。今考えるとよくそんなことをいきなり海外で一人でやろうと思ったものだ。

意気揚々と潜り、空気を吸おうとした瞬間、一気に海水を吸ってしまい、開始2秒で溺れる。呼吸困難となり、その時ばかりは「あ、死ぬ」って思った。

何度挑戦しても、上手に空気を吸うことができない。どれほど強くシュノーケルを噛んでも、水が入ってきてしまう。そして強くかみすぎると、“オエっ”ってなって余計水を飲んでしまう。

開始5分くらいで結論を出す。よし、素もぐりでいいや。

シュノーケルなんて無くても普通に2分位なら息を止めていられるし、水中眼鏡してるんだから何ら変わりは無い。逆にシュノーケルよりも呼吸を気にすることなく深く潜ることが出来る。

なんて海に浮かびながら自分を即座に納得させ、シュノーケリングに挫折。

一人で素もぐりをずっと行っていた。

水中の世界は凄かった。
魚と一緒に泳ぐ、なんて言葉があるが、本当にこんな近くに魚が泳いでいるんだなと実感した。目の前に普通に泳いでるのだから。それは日常的に見れるような光景ではない。

調子に乗って魚に向けて指を出したら噛み付かれてしまった。
それほど魚たちは近くにいた。

1時間弱位、シュノーケリングという名の素もぐりを終え、待っていたのはいい運動をした後の快い空腹感とのどの渇き。

そして最高のタイミングで昼食が。

ボートの上でこんな美味い飯食ったのは初めてだ。あの美味さは一生忘れられない。
ここでもクルーの方々は気を遣ってくれて、飲み物を持ってきてくれた。

最高の昼食を終え、ボートは帰路へ。

帰りは勝手に手すりにシャツを括り付け、乾かしながら帰った。

ポートアレン港に到着。本当に楽しかったので、チップは弾ませておいた。
チップとは本来こういうものである。


時間は14時。リフエ空港→ホノルル空港の飛行機は17時03分発である。少なくとも1時間30分前にはリフエ空港に到着しておきたいところだ。となるとリフエに15時半、ポートアレンから空港はまあ、多く見て1時間ちょっとだろう。

ポートアレン港からブルードルフィンチャーターのオフィスまではちょっとしたお土産ストリートになっていた。そんなに多きな店がある訳ではないが、素朴な感じの店がなんともそそられる。

店を30分ほどうろつき、お土産を購入する。何か“ザ・カウアイ”的なものが欲しかったのでキーホルダーを購入。

時間は少し早い気もするが、飛行機ということを考えると早すぎるに超したことはないだろう。コンダクターさんに手配していただいていたタクシーリフエ空港へと向かう。
でかいバックパックをタクシーに担ぎ込んだとき、あぁ、いよいよカウアイ島ともお別れか…kの2日間は本当に楽しかったな、という思いがどっと押し寄せてきた。

思い残すことは……多分ないと思う。


リフエ空港には2時間前に到着。速攻で喫煙所を探す。Hawaiiに来てから喫煙所を探すことが得意になった気がする。

一服した後はハワイアン航空へチケットの手配とセキュリティーチェックと一連の流れをすんなり終え、かなりの余裕を持ってゲートまで辿り着くことが出来た。ハワイアン航空は来る時も使ったため、簡単だった。

空港内のお土産店を冷やかしたり、コーヒー飲んだりしながら搭乗を待つ。

搭乗してからは行きと同様、全く覚えていない。30分間のフライト、泥のように眠る。


17時40分、ホノルル空港に到着。再びオワフ島に舞い戻ってきた。
取り敢えずあの場所、そうThe Bus乗り場。

バスを待つ時間と、ワイキキまでの移動時間を考えると、今日はこれからどっか行くってのは無理だろう…。ワイキキに直行して、夜の街をほっつき歩くことにしよう。
そんなことを考えながら、タバコ吸って例の19or20番線のバスを待つ。この線は何回乗ったのだろう。本当にお世話になった。

暫くしてバスが到着。一人でワイキキ行きのバスに揺られること1時間30分。

ワイキキに到着したのは8時位であった。

さっきまで夜の街をほっつき歩こうかと考えていたのだが、思ったよりも体が疲れていたらしく、一刻も早くホテルに向かおうとする。

しかし、夜のワイキキビーチはとても綺麗だ。
昼間の青い空に白い砂浜っていうのももちろん綺麗なんだが、夜の少し涼しくて静かな海の雰囲気も非常によい。
何より人が非常に少なく、静かで海風が心地よい。
漆黒の空には月がとてもくっきりと見える。

遠くのビル郡のライトもとても綺麗だった。

ホテルはバス停から非常に近かったにも拘らず、カピオラニ通りで道に迷い、またダイヤモンドヘッドの方へ1時間も行き過ぎてしまった。

ようやく辿り着いた時には、かなりいい時間。店も結構閉まっており、空いているのはABCストアとファーストフード店くらいだ。

ホテルでチェックインを済ませると、重すぎるバックパックを下ろし、財布とカメラという身軽な荷物で夕食を求め、夜のワイキキへと向かう。

ホテルにもダイニングはあった。そのメニューはシーフードを中心にとても美味しそうなものであった。が、値段が結構なものだった。なので、この豪華な食事はHawaii最後のディナーに取っておこうと考えたのだ。

日本にいるとき、友人にハワイで有名な食べ物って何?と尋ねたら、ロコモコと馬鹿でかいハンバーガーじゃない?との返事を得た。

近くの通りをほっつき歩いていると、有名なBigger Bugerというハンバーガー店を発見。要するにこれは馬鹿でかいハンバーガーが食べられるところだろ。
#1comboというモノを注文。一番でかくないやつだったが、十分でかいよ。
#3のThe Biggest Burgerなんてどんだけでかいのだろうか…

一人で満腹になり、ホテルへ。

シャワーを浴び、塩塗れの体をきれいにし、ようやくベッドへと潜り込む。

明日は実質Hawaii最終日である。
最終日のオワフ島を完全にフリーにした。予定は今の所リベンジに燃えるダイヤモンドヘッド登頂しか決まっていない。
完全にフリーなので、別に寝坊しようが全く問題ない。
何をするかガイドブック片手に考えるのも楽しそうだ。

そして俺の今回の旅の大きな目的の一つに、海外の街、道をぶらぶらとほっつき歩く、というものがあり、それをする時間をどうしても取りたかった。
しかし、今日ほとんどうろつくことが出来なかったため、明日はほっつきあるく時間も取ろう…

そんなことを考えていると、やはり体は非常に疲れていたらしく、12時位までは覚えているが、一瞬にして眠りに落ちてしまったようだった。




Hawaii一人旅 ―カウアイ島、ワイメア渓谷―

2010-10-16 15:16:29 | 
一人旅2日目。

この日は6時に起きた。と言うか目が覚めてしまった。
大概、時差のある国での一泊目は変な時間に目が覚めてしまうものだ。
しかし、前日は徹夜の体で体力が持つ限りほっつき歩いたためか、かなり適当な時間である。

シャワーを浴び、今日持っていく荷物の準備をする。
この日はワイメア渓谷を中心に、カウアイ島を周るツアーに参加していたのだ。一人で。
集合時間は宿のエントランスに8時15分。時間はたっぷりある。

7時位に宿と隣接しているビーチに行く。
昨夜は真っ暗だったため、何も分からなかったが、何とも広いビーチで、水平線以外視界を遮るものが何も無い。そしてそこから現れている朝日。

なんと喫煙所があり、朝日を浴びながら久しぶりのタバコをゆっくりと味わう。

一服入れてもまだ1時間位余裕がある。
次は朝食である。宿のダイニングに行く。

メニューを見たが、アメリカの食事に慣れていないため、
エントリー、スターター等の区分が、一体どういったレベルの食べ物なのかよく分からない。
取り敢えず、値段と英語で書いてある説明だけを頼りに、セットになってそうなものを適当に頼む。
ポテトはどうするか?卵はどうするかなどを聞かれたが、ポテトはハッシュド、卵はスクランブルドしか知らないため、選択の余地はない。

そして拙い英語で海岸が見えるアウトサイド席にしてもらう。

海岸から見える朝日を見ながら、豪勢な朝食。絶対に一人でやるもんじゃない。

食後は一度部屋に戻る。昨日のパールハーバーで購入したポストカードをフロントで出そうと思い、取りに行ったのである。

すると、部屋の電話がけたたましく鳴る。向こうは全て英語である。正直びびる。
恐る恐る受話器を取る。

“Hello?…”

すると向こうは結構案スピードでまくし立ててきたが、要は、“ビル(領収書)を確認しろ”“ビルにサインをしろ”“そして金を払え”ということだった。
そう、俺は注文時に、自分の部屋番号を何かの紙にサインをしたため、この朝食の料金はチェックアウトの際に精算するものと勘違いし、食べ終わった後、勝手に出て行ってしまったのである。
つまりは余りにも堂々とした食い逃げを敢行してしまったのである。

取り敢えず大急ぎで下に降り、金を払う。

ついでに、ポストカードをフロントに持って行き、これを日本に出したいのだが、スタンプはあるか、と尋ねたら、ごめんなさい、このポストカードの切手貼り付け欄に合ったスタンプが無いんです…との答えが返ってきた。

“国内送付用の切手ならあるが、これじゃダメですよね?”と言って、現物を見せてくれたが、俺にはこの切手で大丈夫なのかどうか知る由も無い。
そして、別に切手の貼り付けスペースからはみ出していようがなんら問題は無いような気がするが、宿の人がそう言ってるんだから、そうなんだろうと思い、しょぼくれながら、エントランスで迎えの車を待つ。

すると、お迎えが。

中から出てきたのは正にターザンのような男。
筋骨隆々、真っ黒に焼けた肌にタンクトップがよく似合う。

このガイドはボビーさん。
ガイド暦25年の自他共に認める、カウアイ島№1ガイドである。って俺はこの人しか知らないけどな。

この人凄い人で、カウアイ島なら俺に任せろという感じ。
あの『世界不思議発見』で出演経験もある。
俺が車内で『地球の歩き方』を見ていると、“俺もこの本の編集会議、情報提供で日本行ったよ~”とのこと。
そして、“以前、ジャケ写のために来ていたミサを案内した”と言っていたので、ミサって誰だよ、と思っていると、日本の歌手のミーシャだった。

本当に多くのカウアイ島に関しての情報を教えてくれた。
そしてこの人は本当にカウアイ島の自然、動物を愛しているんだなと節々に実感した。

ボビーさんの話の全てここに記すことは出来ないので、俺が一番印象に残った花の話。



海がある地域と、山にある地域に咲く。要するに海バージョンと山バージョンがある。ということ。
この特徴的な形で解るとおり、花が半分なのである。

この花には伝説がある。

かつて、まだHawaiiが今で言う原住民の人たちだけで暮らしていた頃、一組の男女が恋に落ちた。二人は身分が異なり、どこもやはり同じで、身分の違う者同士の恋は決して許されなかった。二人の恋は発覚し、殺されてしまう。

二人の死後、海に、そして山に新しい花が確認され始めた。

そしてその花の花びらは二つで一つと言うように、半分だったという。

何ともロマンチックではないか。ちなみに、動物だろうが植物だろうがなんでもそうだけど、細胞の状態から始まり、全部左右対称という形が基本なのである。
半分だけの形というのは非常に生物学上珍しいという。


そして何と言ってもこのボビーさん、そこらじゅうの木の実や果物を拾って食べさせてくれる。
地面に落ちているのを拾い食いなんてのは基本中の基本。
木に登って毟り取ったり、高い場所の木の実も手製のカッターでいとも簡単に手に入れてしまう。
その辺に落ちているフルーツで、表面を虫が歩き回っているのを、フッとひと吹きし、“ほら、食え”ってな感じなのだ。

しかも“最近まで、この実が食べられるって知らなかったんだよ~”と仰っていた実もあり、俺もその実を食べたのだが、食べれるものだと分かったきっかけが、

「鳥が食べてたから」

何ともワイルドな判断基準ではないか。

まあ、これには一理あるってこともしっかり学んだのだが、それは後述。


俺は正直言って胃腸が弱い人間である。だが、ここで遠慮するような馬鹿げた人間ではない。俺は異国を体験しに来たのだ。つまりはこのような事を体験しに来たんだ。後でどうなろうと知ったことか。
そう意気込み、貰ったものは全て食い尽くした。
自分の中で何かを捨てられた。それが進歩なのか退化なのかは別として。
かなり野生に帰ったような気がする。

その日の夜、下痢になったことは言うまでも無い。


パッションフルーツや、グアバなんて道を歩けばごろごろ落ちているので食べ放題である。
俺も色々な種類のパッションフルーツを食べた。

因みに、現地の人は落ちているやつなんて絶対食べないよ、と言っていた。
それはまさか…衛生的な理由か?と思ったが、なんてことは無く、日本人がカキが落ちているのをわざわざ拾って食べないのと同じだと言う。
まったく珍しいものでもないという訳だ。

かなりボビーさんとの珍道中(俺にとっては)が長くなってしまったので、ここからはカウアイ島の名所編を。

まず、最初に向かったのは「潮吹き岩」




天気も良好。波はそれほど高くなかったにも拘らず、いい潮吹きっぷりであった。
トンガのホウマの潮吹き穴を髣髴とさせる。


次に向かったのが、「カウアイコーヒー」
ここでは何十種類と言う現地の特産品であるカウアイコーヒーを試飲できる。

制限時間は20分ほど。貧乏人丸出しで、出来る限りのコーヒーを試飲する。
一番美味かったピーベリーと言う品種をお土産で購入した。因みにミディアムロースト。



途中の道路沿いの景色に驚く。しかしこんなのまだまだ序の口だそう。
これで驚いてたら本物のワイメア渓谷見たら心臓止まるよ、とのこと。


お次は「カウアイクッキー」
ここでもカウアイで有名なクッキーが試食できるのだが、俺は朝食をしっかりと食べていたため、そしてコーヒーを飲みすぎたため、全く腹が減っておらず、寧ろ満腹状態。

しかし、ボビーさんは次から次へと、全てのクッキーを試食するまでは許しませんと言うかのごとく、次々とクッキーを持ってくる。
野生児とのレベルの差を痛感する。

そして麓のスーパーで昼食を購入し、いよいよワイメア渓谷へ。

1時間ほどドライブした後、ようやく到着。



これは凄い。半端じゃない。

太平洋のグランドキャニオンと言われるワイメア渓谷。
緑やオレンジといった色彩が様々なため、グランドキャニオンよりこちらの方がいいという人も多いそう。

これまで余り自然遺産系は行ったことなかったが、ワイメア渓谷の絶景は断トツで№1になってしまった。
こんなのガイドブックやポストカードの写真を見ていても何の感動も無い。

実際に圧倒されるような渓谷を見てこそ意味があると思う。

しばし圧倒的な壮観に見つめ入ってしまう。



その後、ボビーさんがワイメア渓谷で最も凄いという奇跡の絶景ポイントを見に行く。

今回は、ボビーさんの個人ツアーなので危ないところもガンガン行ったが、会社のツアーなどだと、バスでは入れない場所で、しかも時間的な制限もあるため、このポイントは見れないなんて事もあるという。

ワイメア渓谷№1の絶景なんて言葉に、心踊る。

そして到着。じゃあ、一応写真を載せます。

行きますよ…































この写真を見た100倍感動していただくと丁度よいかも知れない。

これを最初に見たときは笑っちゃった。
そしてクールに澄ましてた俺が“すげー”って笑いながら叫んでしまった。
これ奇跡だよ。圧倒的なスケールもさることながら、この色のバランス。

自然の芸術なんてありきたりな言葉を使ってしまうけれども、こんな景色が自然にできたなんて奇跡としか言いようが無い。

この景色を最初に発見した人は何を思ったんだろう…
最初に見たときは驚愕したことだけは間違いないだとうと思う。

ここで絶景を臨みながらランチ。


食後は更に登り、次の絶景ポイントへ。

ここは「世界不思議発見」のロケで使用されたポイントらしい。
因みに製作秘話として、このポイントは道路からすぐそばにあるのだが、秘境感をより強く出すために、散々、獣道のような木々の中を遠回りしてからポイントに立ち、あたかもやっと辿り着きました…という演出が入ったという。そんな裏話言っていいのか…

俺もも早速ジェンダーの壁を超えてミステリーハンターと化し、彼女が“すごーーい!”と叫んだポイントに立つ。



もうお腹いっぱい…


ここはトレッキングの道もいい感じの雰囲気。これこそが秘境である。

ここにはミントが生えているのだが、このミントには匂いもあの特有の刺激的な味も無い。これは何故かというと、植物は外的から自分の身を守るために、棘を生やしたり、毒を持ったり、あるいは味を刺激的にしたり進化する。
ミントのあの刺激も外的から食べられないようにするための進化の形態である。しかし、この標高が高い渓谷地帯では外的がほとんどいないため、自分の身を守るための毒や刺激を持つ等の進化をする必要が無い。だから刺激がなくなったのである。

つまりは鳥が食べているような実は毒も刺激も無く、逆に甘く美味しくなり、わざと食べられることで捕食者に種を運んでもらっているという手段をとっているのである。

ボビーさんは本当に自然を愛しているので、珍しい鳥や植物を見かけると、ツアーそっちのけで写真を取りまくる。鳥の写真を本当に嬉しそうに見せてくる彼を見てそう思った。
彼はカウアイ島生まれ、カウアイ島育ちだそうだ。


帰り道は渓谷から見る海に夕日が沈んでいるところでこれまた絶景。
本当に絶景に囲まれた一日であった。カウアイ島は凄い島だな。

帰りは俺のまがままでコンビニに寄って貰い、スタンプを購入しようとするが、宿のフロントのひとと全く同じ答えが帰ってきた。

どうすればいいのかと途方に暮れながら、『地球の歩き方』を見ると、日本までの料金は98¢とのこと。書いてあるじゃん…
なんとボビーさんが切手を持っていたので、頂戴する。何から何まで申し訳ない…

宿に到着。ボビーさんに今日の料金、チップを払い、名刺を頂く。
今日取っていただいた写真を送ってくれと約束し、喫煙所へ。

一服入れた後は夕食だ。結構腹減った。
昨日と同じ轍は踏まないと意気込んでダイニングに突入。
チキンのハワイアンソースがけと昨日飲んだカウアイゴールドを注文。
また一人でオープンスペースに座り、頂く。

奇跡の絶景を目の当たりにし、飯も食えたと言うことで、気分がよくなり、多めにチップを払った。その時の笑顔と“Thank you!”これも旅の楽しみの一つになった。
カウアイ島はオワフ島と違って、日本語が全く通用しないのがいい。全部英語で生活するというのが楽しすぎる。

部屋に戻ると、荷物をバックパックに詰める。
明日は7時にエントランスに集合。そしてナ・パリボートを終えたら、宿には戻らずにそのままリフエ空港に。17時10分の便で再びオワフ島に舞い戻るという、これまた強行日程になっていた。

つまり、朝の7時の集合時間までにチェックアウトを済ませ、ボートにバックパックを持っていかなければならないのだ。

明日のボートセーリングに思いを馳せる。
宿のエントランスからタクシーで8時までにポートアレンという港に行き、そこで手続きを行う。
今日のボビーさんは日本語も出来るからまったく問題なかったが、明日はガイドもボートのクルーも全員全て英語だ。楽しみだが、一抹の不安もある。しかも一人での参加である。

何かの指示のときに一人だけトンチンカンなことしたらどうしよう…
まあ、と言っても英語なんだから何とかなるか…


そんなことを考えながらアラームをセットし、眠りに就いた。





Hawaii一人旅 ―1日目オワフ島からカウアイ島へ―

2010-10-15 18:54:31 | 
約7時間のフライトを終え、ようやくホノルル国際空港に到着。
機内では当然のことながら一睡も出来ず徹夜状態。早速常夏の気温。暑さ爆発。

そしていきなり途方に暮れる。
これからどうしよう。何をしよう。そしてどうやって移動しよう。

今日は18時位までオワフ島を自由に散策した後、カウアイ島へと移動するため再びここに戻ってこなくてはいけないのだ。
時間は朝の7時。十分過ぎるほどに時間はある。

あまりに自由すぎて何をしたらよいのかがまず分からない。
暫し途方に暮れる。

そして得た結論は、まず喫煙所を探そう、であった。

なぜか1時間ほどホノルル空港をふらつき、喫煙所をようやく発見。
ハワイでは日本より喫煙に対してとても厳しく、喫煙所を見つけるだけでもひと苦労だった。一服しながら『地球の歩き方』を眺め、ようやく本日の計画を練り始める。

いや、行くところは別にどうにでもなるとして、問題は移動手段である。
早くこのホノルル空港から移動しなくてはならない。

『地球の歩き方』によると、ホノルル空港から移動する手段は主に4つ。

①The Bus(City bus)…要は市バス。値段はなんと$2.5。格安である。
大きな荷物を持ち込むことは出来ないが、バックパック一つくらいなら許容範囲であろう。

②エアポートシャトル…大きな荷物を持ち込むことが出来る。加えて、ドライバーにホテル名を告げ、そのホテルで下ろしてくれるという正に送迎バス。片道$9。
ちょっと高いし、今回の俺の旅のコンセプトとは相反する。そもそもホテル行かないし。

③タクシー…日本と違い、Hawaiiでは道を流しているようなことは無いので、要所要所で捕まえなくてはならない。とにかく大して金も無い中、タクシーなんてリッチな真似ができるはずがない。

④レンタカー…今回の旅のコンセプトに相反する。そもそも国際免許証持ってない。


必然的に移動手段は①バスということに決まった。
そして今回の旅行中、オワフ島での移動手段は全てバスで行こうと決める。

後日談になるが、全部バスだけってのが結構大変だった。
まず、待ち時間がとても長くなることがあり、時間にかなり余裕をもたせないといけない。だが、結局オワフでの移動手段は本当にバスと徒歩だけになったので、『地球の歩き方』のバスの路線図の頁は命綱となり、異常なほどぼろぼろになった。

そんなこんなでタバコ吸いながら(ホノルル空港は市バスのバス停が喫煙所になっている)、20番線のアリゾナ記念館行きのバスを待つ。最初の目的地はパールハーバー・真珠湾に行くことにした。

乗り込むときにバックパックはサイズ的に果たして本当に持ち込むことが出来るのか…という一抹の不安はあったが、何のことは無く乗車でき、10分そこらでパールハーバーに到着した。この一回の乗車で、なんとなくHawaiiのバスの乗り方を覚えた。

パールハーバーに着くと、まず大きな看板にバックパック持ち込み不可というマークが。
米軍による厳しい管理体制が敷かれているので、基本的にバック類は全て持ち込むことは出来ないのである。場所が場所だけにしかたあるまい。

$3払ってクロークに荷物を預け、カメラと財布だけという身軽な状態で中を散策。

せっかく日本人という立場でここに来たのだからもうちょっと勉強してから来るべきだったと反省。自分の知識が無いので、建物やモニュメント、資料を眺め、それを受け入れることしか出来なかった。もし少しでも勉強して来たのならば、すこしは自分の中でもうちょっと感じるものがあっただろうに。そもそも日本人の俺が平然と何の知識もなくここに入ってよいのだろうか。そんなことを思いながら、結構な時間ここにいてしまった。

何とも複雑な思いでパールハーバーを後にし、バス停でバスを待つ。

今度は19番線で一気にワイキキまで移動する。今回の旅行でこの19番線&20番線を何度利用したかわからないくらいこの線には乗ったが、この時は初めてだったのでこの線がどのように移動して、どこに停まっていくのかを覚えた。この線は非常に便利だった。

1時間半かけてやっとワイキキに到着。目の前にはあのワイキキビーチが広がる。
ビーチに興味は無いとは言え、目の前にはかの有名なワイキキビーチがあるとやはり砂浜に降りたくなった。しかし、周りは水着ばかり。長ズボンにバックパッカーなんて格好のやつは俺以外誰もいない。

海岸沿いを歩きながら東へ。そして見えてきたのはこれまた有名なダイヤモンドヘッドだ。
そのまま道を横断し、そのままダイアモンドヘッドに近づいていったらダイアモンドヘッドが見える途方も無くでかい公園内に進入していた。
これがとんでもなくでかい。一気にテンション上がったくらいにでかい公園。
しかも景色も素晴らしく、目の前にダイアモンドヘッドが何とも綺麗な形で見ることが出来るのである。

後になってこの公園はカピオラニ公園という場所だということが分かった。


時間はまだ2時くらい。『地球の歩き方』を取り出し、ダイヤモンドヘッドの頁を見てみると、ダイアモンドヘッドは登山道が敷かれており、ハイキングをして登頂することが出来るらしい。それによると、スニーカーで十分で、駐車場から頂上までは大人の足で約30分の行程とのこと。

ホノルル空港からカウアイ島のリフエ空港へのフライトは18時47分発。
ハワイアン航空だし、全部英語でやり取りしなくてはならないとういうことで、1時間半前には到着しておいたほうがよいだろう。そしてここワイキキエリアからホノルル国際空港までは約1時間半の道のりだった。そしてバスを待つ時間を考慮すると…
瞬時に頭の中で計算し、登っても大丈夫なのかを吟味する。

ということは、4時くらいにまたバス停に戻ってくれば、何とか間に合いそうだな…
よし、頂上までは30分で行けるとして、往復で1時間。ってことはあと一時間でそのダイアモンドヘッドの入り口である駐車場までたどり着ければ何とかなるかも。

早速ダイアモンドヘッドへ向けて歩き出す。
地図を見るとそんなに遠い様には見えない。これなら徒歩でも行けると思い、本当に入り口がどこにあるかもよく調べずにダイアモンドヘッドに向けてただ歩き出す。

これがまず大きな過ちであった。結構歩くには大変な距離。
今思えば本当にタイトなスケジュールで行かなくて、というか行けなくてよかったと思う。
後日談になるが、4日目のオワフ島でダイヤモンドヘッドは行ったが、2時間そこらで戻ってくることなんかできやしなかった。今思うとぞっとする。

しかもよく調べずに歩き出したもんだから、思いっきり迷う。
ダイヤモンドヘッドの入り口は地図で言うところの北側にある。
しかし俺はろくすっぽ調べずに、南側のダイヤモンドヘッドロードをひたすら歩いていたのだ。30分も歩くと、住宅街になってくる。ここは絶対に観光客の立ち入る場所ではない。すれ違う人の不審感極まりない視線。バックパックの背中は既にびしょびしょ。

これはいかんと思い、急いで引き返す。住宅街をほっつき歩いて1時間も時間を浪費してしまった。そして得られたものは極度の疲労感。
ワイキキに戻ってきた段階で時間は3時過ぎ。ダイヤモンドヘッドは断念する。

しょうがないので、カピオラニ公園に戻り、一人で遊ぶ。
遊ぶといっても写真を撮ったり寝転がったりするだけだけど。一人で。
この時間の収穫は一本の木。


この木がやたら気に入った。

時間は3時半。近くのスーパーでフルーツの盛り合わせを購入し、昼飯。
ワイキキビーチに腰を下ろして食べる。
相変わらず回りは開放的な格好をしているのに比べ、俺の格好は暑苦しい。

ようやく、バス停に到着。とりあえず、これでバスが来てくれれば大丈夫だろう。


来ない…いくら待てどもバスは来ず。
気付いたら40分以上経過していた。

これはやばい。どうしようと思っていたその時、奇跡の19番線が到着。意気揚々と飛び乗る。

そしてホノルル空港に行きたいと伝えると、このバスは空港には行かないよ、とのこと。
なんと、ワイキキの終点でホノルル国際空港方面が出るバス停だと思っていたバス停は、実はワイキキ方面のバス停で、終点のバス停はまだ先とのこと。
そこまで歩いていったんではこのバスの折り返しに確実に間に合わない。
そして更にまた40分も待っていたんじゃ飛行機に間に合わない。

俺はなんとしてでも空港に行きたいんだということを熱弁した。
そうしたら、じゃあ、終点まではタダで乗っけてやる。そして終点で降りて、ホノルル空港行きのバス(要は折り返し)をその終点で待て、とのことだった。

いやー、本当によかった。
感謝しつつ、俺以外客がいないバスの中でほっとしつつ、終点に到着。
ここで暫し待機し、さっきまで乗っていたバスに再度乗り込む。

今回は1時間くらいで着くんじゃないかという何も根拠の無い予感を抱きながら、ホノルル空港行きのバスに揺られる。
極度の疲労と、徹夜状態だったこともあり、バスの中では少しだけ寝てしまった。
これで空港を通過してたらどうするつもりだったんだろう俺は。

長旅を終え、何とか6時過ぎには空港に到着。余裕ぶって朝いたバス停に戻り、一服入れる。
ハワイアン航空のカウンターでチェックイン。
バックパックを預けようとしたところ、預けると荷物につき$10かかるとのこと。
貧乏旅行でこんな痛い出費はないな、と悩みながら、これを機内に持ち込むことは出来るのかと聞いたところ、すんなりとOKが出た。
やはり、航空会社によって様々なんだな。

バックパックの中の眉毛きり用のハサミがセキュリティーに引っかかるんじゃないかという杞憂を抱きながら、何も無く通過。
何とか余裕を持ってゲートに辿り着く事が出来た。バックパック重いよ…

機内に乗り込み、上の棚にバックパックを押し込んだらそこから一切記憶はない。
ホノルル18時47分初でリフエには19時24分着。つまりは30分程度のフライト。
その30分は記憶から一切が切り取られていた。これを爆睡って呼ぶんだな。

気付いたら人がぞろぞろと機内から降り始めていた。一番最後にのそのそと空港に降り立つ。

ようやくカウアイ島に到着。

そこからタクシーと待ち合わせていた場所に移動。
カウアイ島はバスが一切通ってないので、移動がタクシーしかないんだよ。
このタクシーは現地で行うツアーのコンダクターの方が手配してくれたもの。ここでコンダクターの方に電話し、明日の集合場所と集合時間を再度確認する。

ちなみに空港からホテルまで歩ける距離ならば歩いていきたい、と金をケチって伝えたのだが、コンダクターさんによると、ここカウアイは、歩道などほとんど無く、歩いている人なんかいません、歩いている人がいたとしたら、それは普通の人ではありません。街頭も無い真っ暗な道です。カウアイをなめるな!みたいな事を言われ、怒られてしまった。

20分くらいだろうか。タクシーの運ちゃんにチップを払い、ようやく、本日の宿に到着。

早速チェックインをする。英語でチェックインをするなんて初めての経験である。しかも一人で。
色々、宿の施設の説明を受けた後、私は部屋で絶対にタバコを吸いません、という誓約書にサインをさせられる。やはりHawaiiの喫煙事情は日本より厳しいようだ。
最後に201と書かれたルームカードキーを渡され、ようやく部屋に行けると思い、201の扉を開けると既に家族連れの人がいた。思いっきり扉を開けちゃったからすごく恥ずかしかった。

どうってるんだってことをフロントに急いで言いに行ったら、これは207だ、とのこと。
字が汚いよ…

もう疲れきってやっとの思い出宿泊する部屋に到着。重すぎる荷物を下ろす。

これがすっげーいい部屋。これにはアドレナリンが放出され、疲れも少し忘れた。

ちょっと部屋でゆっくりした後、宿をふらふらと散策する。
エレベーターの中でちょっとした英語での会話が楽しい。

9時過ぎになり、寝てしまうにはちょっと惜しい時間だ。
といってもカウアイは上記のような場所なので、ちょっと遊びに行ってきます。は通用しそうに無い。一通りホテルの中をふらついたら、猛烈に腹が減ってきた。
そう言えば昼飯フルーツだったからな。

ダイニングに行き、何か食いもんを頼みたいのだが、メニューを見せてくれと頼むと、
もう食べ物は終了しましたという恐るべき答えが返ってきた。耳を疑う。

まじかよー…とうなだれていると、それが余にも惨めに映ったらしく、
無料サービスのトーストを二枚持って来てくれた。これで我慢してねってことで。
一気にテンション挙がり、調子に乗ってハワイアンビールを注文する。
カウアイゴールドというハワイアンビールなのだが、これがめちゃくちゃ美味かった。
特有のくせがあったが、そのくせが何とも言えず美味。いやあ、これは美味かった。

俺は日本でも年齢より若く見られる。当然ここHawaiiでも、酒を注文すると必ずパスポートの提示を求められた。そして以外に俺がいい年だということを見て、軽く驚く。
Hawaiiでは未成年に酒を提供した店側も激しく処罰されるらしい。

より、カロリーを摂取できるよう、バターを塗りたくって食す。
こん何美味しいトーストを始めて食った。

波の音を聞きながらトースト二枚とカウアイの地ビールをオープンスペースで一人で食べる。
これが一人旅最初のディナーであった。

食べた後は部屋に戻り、シャワーを浴び、着替える。
明日の集合時間を再度確認し、目覚ましのアラームをセットし、無駄に広いダブルベッドにもぐりこむ。


こうしてようやく、長すぎる俺の一人旅初日が終わったのであった。





Hawaii一人旅 ―急すぎる出発―

2010-10-15 13:33:30 | 
六日間ほど連続した休みが取れたので、そして夏休みは試験勉強で潰れ、どこへも行けなかったこともあり、どこか旅に出ようかと思った。

ただ、今回の旅はかなり急だったことに加え、普通の平日ということで、一緒に行く人もいない。

ということで、急遽一人旅に行くことが決定した。

旅行代理店の友人に連絡をし、かなり直前となってしまったのだが、急遽予約を取ってもらう。
オーストラリアや、中国、そしてなぜかウイグル新疆自治区なんてありえない場所も候補地に挙がり、吟味をしていく。
中国はいま行くと日本人としてのアイデンティティーを傷付けられて帰って来る恐れがあるので、もう少し時間が経ってからのいいかと思い、自粛。
そしてオーストラリアも三連休を挟んでいることもあり、ほぼ満員で、空いているのは20万を超えるようなプランのみ。そんな金はどこを探してもあるはずないので、却下。

代理店の友人と値段で交渉し、俺の出せる金額で行ける所が、Hawaiiだった。
4泊6日のHawaii一人旅である。

なんとも似合わないなんてことは重々承知である。
そもそもビーチに興味がない。
特に一人で行くようなところではないのかもしれない。
けど逆に一人なら全部自分のやりたいように出来るだろうと思い、Hawaiiに決定した。
別に場所なんてどこでもよかったのかもしれない。
空いた時間に一人で海外に旅行することが出来ればどこでもよかったのだと思う。

決定したのが出発の数日前だったので、準備は相当に忙しかった。
特に俺は先にも言ったとおりビーチに興味がないので、オワフ島で4日間海水浴と日光浴なんてのは絶対にごめんだった。そうするとHawaiiで何を見るかって言ったら自然遺産ということになった。Hawaiiは何気に大自然の島だからね。

そこでプランはオワフ島を2日間、カウアイ島を2日間の計4日間というようにした。

なぜ数ある離島の中でカウアイ島にしたかというと、カウアイ島が正に秘境と呼ぶに相応しい島だったからである。
特に太平洋のグランドキャニオンと呼ばれるワイメア渓谷、
そしてジュラシックパークのロケ地ともなった秘境という名が相応しい海岸、ナ・パリコースト。
この二つの壮観に非常に惹かれるものがあった。
ここなら大自然を満喫できると踏んだのである。

カウアイ島は多くの映画のロケ地になった島である。
ダイナソー、ジュラシックパーク、インディー・ジョーンズ…
これらのタイトルからもカウアイ島がどれほど秘境なのかが想像できよう。

ただ、ここで問題が挙がる。
オワフ島は別として、カウアイ島では公共の交通機関がほぼ皆無である。
レンタカーかタクシーがないと、身動きが取れない。
一個一個のポイントが歩ける範囲を軽く超えている。

国際免許証とっている時間ないし、貧乏旅行のため、移動は全てタクシー、なんて暴挙に出ようものなら破産するのは目に見えている。

ということで、現地のツアーを申し込んだ。
これならば一日の移動の心配をする必要はない。

申し込んだのははカウアイ島の名所を回り、そして最後にワイメア渓谷!ってやつと、
ボートをチャーターし、野生のイルカ、カメ、アザラシなどを見て、海からナ・パリコーストを遊覧し、最後にシュノーケリングをする、という二つ。

逆にオワフ島は本当に自分の行きたいところを自由気侭にほっつき歩きたかったので、ツアーもアクティビティも何一ついれず、完全な自由にした。
移動もバスがあるから何とかなるだろ。

で、このツアーの申し込みのやり取りが結構大変だった。
何が大変って、出発前夜にまだやり取りが終わってなくって。
しかも出発予定時刻も集合場所もよく判っていないという状態。
とにかく出発時刻と、集合場所さえ分かれば、内容を把握していなくとも何とかなる!という気持ちで、成田へ向かう当日に、漫喫に立ち寄り、
出発時間、集合場所、その行き方等が書かれたメールをプリントアウトし、“宜しくお願いします”って一報をいれ、飛行機の中で目を通し、把握することとなった。


そして出発当日。

荷物は当然、以前日記で紹介した35リットルのバックパックひとつ。
最初からスーツケースなんて持って行く気は無かったが、そもそも1日目はホノルル国際空港に着いてから18時くらいまでふらついた後、また飛行機でカウアイ島に移動し、一泊目はカウアイ島なのである。ということはホテルに荷物を置く、なんてことは出来ない。
反面バックパック一個だったら、身軽に荷物を持ったまま回れる。

池袋の満喫でプリントアウトを済ませ、日暮里から調子に乗ってスカイライナーで成田空港へ。金が無いって言うのに… 車内では初めてのHawaiiということで、まだ見ぬ色々な景色に心躍らせていた。

午後の4時ごろに成田空港に到着。
成田空港に来るのは韓国から約8ヶ月ぶりである。今年もう一回海外行くから結構ハイペースだな。

まずは海外旅行の保険に入る。まだ保険にも入っていない状態だったのだ。7000円の出費は痛い…
そして円をドルに換金。いま円がめっちゃ強い。これは嬉しい。
ここでようやく4時半位。フライトは19時45分。あと3時間もある…
3日めのボートにビビって普段乗り物酔いなんてしないのに酔い止めなんて購入してしまった。

一通り準備は済んだということで、暫し空港のロビーでぼーっとする。
あー、これから俺は一人で海外に行くのかーなんて気分に浸りながら一人で成田にいる自分に酔いしれる。

2時間前調度に航空券を手配し、でかいバックパックを預け、ようやくセキュリティーチェック。出国のスタンプも貰い、免税店をふらついたり、タバコ吸ったりして時間を潰す。

ようやく時間が来て、ホノルル行きの飛行機に搭乗するのであった。