3104丁目の哀愁と感傷の記録

日々生きてます。自分なりに。感じた事を徒然に書きます。素直に。そんな人間の記録。
since 2008.4.4

日本最高峰登頂 ―下山・温泉編―

2010-09-26 19:22:17 | 
第二回と言ったにも拘らず、長くなりすぎてしまったので、
急遽おまけとして下山・温泉編と銘打って書いていきます。

あくまでもおまけなので適当に書きます。
いつも適当だけど、いつも以上に適当に書きます。

では続きから…


ご来光を見てアドレナリンが収まる。
残ったのは極度の眠気と、疲労、そして長い長い下山の道。
しかも登りの時とは異なり、ご来光を見るという目的を失っている。

頭の中は下山し、一刻も早く温泉につかることで一杯だった。

足場が悪い砂利道をひたすら歩く。
しかもまったく同じような道が延々と続くから嫌気がさす。

朝日が出たということもあり、景色は確かに綺麗だった。


途中、猛烈にトイレに行きたくなる。
思えば、最後にトイレに入ったのは九合目だ。

それから頂上の極寒の中待たされ、ここまでトイレに行けなかったんだから今思えば当然の話。
つか何で頂上のトイレ閉まってんだよ…

トイレに一秒でも早く着くために急ぐ。
つらい、つらいよ…もう限界だよ…体も心も膀胱も…

肉体的には下りの方が登りの何倍もきつかった。
足にくる疲労が半端じゃない。

六合目くらいまで下ると、肉眼で1ミリ位になった頂上をみて、
自分がさっきまであそこにいたのかと思い、ぞっとする。


4時間くらいひたすら下り続け、何とか五合目に到着。
メンバー一同頂上に着いたときよりテンション高かったなー。
俺自身、頂上に着いたときより、何倍も嬉しかったよ…

ご来光を見に来たんじゃなくて、
この感動を味わいに来たんだな、きっと。

一同の共通理解。
「もう二度と行かねー」

結束はやたら強かった。


存在すら忘れていたいなり寿司を食し、
お土産などを買い、
いよいよ夢にまで見た温泉へ。



あぁ、気持ちよすぎて昇天しそう。

露天風呂があり、そこからも随分ご立派な富士山の姿が。
あのてっぺんにいたという実感が未だにない。

徹夜で砂まみれになりながら限界まで酷使した体をさっぱりと洗い流し、
その後に食った昼飯は何物にも変えがたい美味しさだったとさ。


おしまい











日本最高峰登頂 ―登頂編―

2010-09-23 15:58:51 | 
二回に渡ってお届けしてきた富士登山も今回で完結です。
そうしないと俺がめんどくさくなって書かなくなるから。

ではいよいよ登頂編です。
前回の続きから。


頭がくらくらする状態の中、体調は最悪、徹夜状態で臨んだ登頂アタック。
山小屋を後にし、頂上まで真っ暗闇の中、ヘッドランプの明かりだけを頼りに登山。

登っていくうちに頭がくらくらするのは和らいでくる。
ただ、メンバー一同既に“楽しい”という感情は無くなっていた。

八合目くらいまでは比較的順調に登れた。
途中の休憩でお菓子を食べる余裕まであった。
何より、声を発する気力があった。

しかし、八合目から九合目にかけては本当に辛い道のりだった。

頂上の明かりは見えているのだが、それが果てしなく遠い。
本当に届きそうでいて遠い。

山小屋ごとに上着を羽織っていく。
当然だが、上に行くに従ってどんどん寒くなっていくのだ。
九合目くらいになると、既に真冬の寒さとなる。
ちなみに俺はTシャツの上に、ロンT、その上にフリースっぽいもの、
その上にダウン(まさか9月にこいつを引っ張り出すとは思わなかった)、
更にその上にレインウエアを着込んだ。それでも寒過ぎる位に寒い。

更には酸素の薄さが顕著になってくる。
ちょっとでもつまずきそうになったり、息を止めたりするとそれでけで呼吸が大きく乱れる。
最新の注意を払いながら呼吸を乱さぬよう常に深呼吸をしながら歩く。
それでも息苦しい。

メンバー一同、休憩ポイントでは真っ先に酸素を取り出す。
そして一言も発さず、一心不乱に酸素を吸う。

休憩ごとに、「酸素、酸素…」


それに加えて、風。
風が強すぎる。どれ位強いかというと、足を踏ん張っていないと、吹っ飛ばされるくらいに強い。
決して大げさな表現じゃないんだな。
前傾姿勢になっていないと立っていられない。
氷点下のなか、冷たく、吹き飛びそうになるくらいの風が吹き晒す。

そして更に、その風が巻き上げる砂がこれまた痛い。
顔面にビシビシ当たる。目を開けていられない。
目、鼻、耳… 顔周辺の穴という穴は砂まみれになった。


これで少しはあの試練の道が伝わったであろうか。


これで雨が降っていたら…
そんなこと恐ろしすぎて考えただけで身の毛がよだつ思いだ。

それでも何とか九合目、最後の山小屋にたどり着く。
ここで最後の焼印。
まだ登頂していないのになぜか「山頂印」を押してもらう。
これで登頂できずに引き返したら一生悔いが残ること間違いなしだ。

服装はいよいよ完全防備。
手袋とマフラー(正確にはタオルを首に巻いた)まで装着。
極寒の中、トイレの長蛇の列に並んでいる最中、俺は少し泣いていたかもしれない(嘘)。

そして九合目から頂上にかけては俺自身、よく覚えていない。
覚えていることと言えば、自分が今置かれている状況の不条理さを自分に問うていた。

「俺は何でこんなつらい思いをしているのだろう…
あぁ、寒い… 痛い… 苦しい… 疲れた…」


あと、休憩が多くなった。
だが、やることと言えば、半分放心状態になりながら、焦点の合っていない目で酸素を吸い続けることだけ。
楽しいなんていう感情は遠い昔に忘れた。

しかし、引き返すことも既に出来ない状態。
これまで登ってきた道を一人で引き返すことなんて絶望以外の何者でもない。
そんな状況下に置かれたものなら、途中で崖から身を投げてしまうかもしれない。
それに極寒で強風が吹き荒れる中、留まって待っていることすら出来ない。
そんな今ことしたら本当に凍死しそう。

行くも地獄、帰るも地獄。
だったら行くしかない。

インストラクターが言うことには、
「ほら、頂上が見えた。あれが頂上だから。あとちょっとだよ」

確かに頂上の明かりは見える。
それがなぜあんなに果てしなく遠いんだろう。
とても長いあとちょっとだった。

インストラクターは更に言った。
「ちょっと上を見上げてみてください。星が綺麗ですよ。」

これは本当に綺麗だった。まるでプラネタリウムのよう。
10秒に一回くらいは流れ星が流れる。
あぁ、綺麗だぁ…



そして…

意識は朦朧とし、満身創痍で気が付いたら頂上にいた。

思っていたより、感動は薄い。
いや、感動している余裕がなかったというのが正しい。
環境が辛すぎて富士山の山頂にいるという実感がない。

インストラクターが言った。
「頂上に着きました。
向こうに富士山山頂の碑があります。ぜひ見てきてください。」

とてもどうでもいい。


既に頭の中はあったかい下界で温泉にとっぷりとつかる夢で一杯だった。

そんな中で日の出までの待機の時間。
行く前に朝飯用のいなり寿司を渡されたのだが、
あんな極寒、そして突風が吹き荒れる中、飯なんて食ってるやつの気が知れない。

そして、その待機の時間中にメンバーがはぐれる。
インストラクターに大声で名前を呼ばれ、
一緒になったメンバーの罵倒の声。

全てがどうでもよくなった中、
いよいよご来光。







綺麗だ。


確かに日の出に見とれいている余裕は全くもって無かったのだが、
それでもご来光は綺麗だった。
山肌をオレンジ色に照らす太陽。
感動してしまった。

これを見るために、どれほどの犠牲を払ってきたのか。
なんて罪深きやつなんだ。


何だかんだ色々あったが、間違いなく俺は富士山の頂上に立った。
日本の最高峰を制した。
そして、ご来光をこの目で見た。

もしかしたらそんなに声高に言うようなことでもないのかもしれないが、
それでも達成感はあった。

そして何より、一緒に登ったメンバー全員、脱落することなく6人とも登頂を果たした。


途中の地獄を一気に省いて、今回の富士登山は大成功と言っていいんじゃないだろうか。


もう一度登ろうとは今のところ全く思わないが、
いや、むしろもう二度と行かねーという確固たる決意があるが、
登ってよかったという実感だけはある。

こんな人間でも富士山を登頂できること。
これは結構自分でも勉強になった。

そして、今回の登山を通じて、一緒に地獄を経験したこともあり、
同行したメンバーの結束は一層硬くなったような気がする。

限界の肉体と、極悪の環境下でも、ご来光は確かに綺麗だった。

まとめると、行ってよかった。
いい経験が出来たと、後になってから言える台詞をここに記して終わりにする。


PS:二回に分けて書くと言ったにもかかわらず、
  今回の登頂編が長くなりすぎてしまったので最後の下山編もおまけとして追記予定…


日本最高峰登頂 ―準備~7合目山小屋編―

2010-09-20 19:10:39 | 

標記の通り、先週の土日に富士山に登ってきた。

登山に関しては本当にド素人のくせにいきなり富士山に登った。そして登頂を果たした。
しかも山頂からのご来光を見るということで、
真夜中、真っ暗な中をヘッドランプをつけての登山。
自分でもこんな体たらくな生活を送っている人間が日本のてっぺんに立ってしまっていいのだろうかという印象である。

結論から言うと、インストラクターが言うには自分が参加した中で、
最も天候がよく、雑誌に載せてもいいんじゃないかという位のご来光ぶりだった。
天気もよく、雨が降らず、ご来光もバッチリ。
この上なく、天候に関しては恵まれた。
まぁ、そこまでご来光に関心を払っている余裕はなかったけど。



今回の登山に関しては富士登山用のグッツを揃える事が何より楽しかった。

何ヶ月も替えから少しずつ登山用品専門店に通い、
着実に装備を揃えていく。
しかも『今年は登るぞ!富士登山ガイドブック』なるものを購入し、
準備と知識は万全であった。

特にその中で恐れていたのは高山病。
その対策として、酸素缶×2本、酸素入り水×2本、加えて食べる酸素まで購入して臨んだ。
周りからはどんだけ高山病を恐れているんだと揶揄されることもあったが、
今考えるともっていってよかったと思う。


では時間を少し遡って、誰も興味はないだろうと思われる俺の富士登山っぷりを、
順を追って書いていこうと思う。

10日金曜日、この日は普通に仕事。
仕事終わりに速攻新宿のエルブレスへ。残っていた最後の荷物を購入。
その後、飯を食って帰宅。
パッキングに思いの外時間がかかり、9時に寝るはずが12時近くになってしまった。
明日は5時おき。土曜日なのに。
そして新宿に6時45分集合…早えよ…


11日土曜日、起きたら4時50分。


…そして次に起きたのは5時35分。

最寄り駅に集合するのは5時45分というとんでもない状況下で富士登山は始まった。
5分で風呂入って、ダッシュ。
このときに既に体力を消費した。

同行するメンバーと合流。

新宿に到着、メンバーは揃い、都庁前バス停留所へと移動。
このときはみんな元気だったなー…
ピクニック気分で朝飯食ったり、しゃべったり。
このときはみんな元気だったなー…

そしていよいよ、新宿から富士山に出発。
途中、談合坂Pに寄ったりして、富士スバルラインに入り、五合目に向かう。

車内で金剛杖を購入できるということになり、ミーちゃんハーちゃんな俺は購入した。
富士山では途中途中の山小屋で、その金剛杖に焼印を押してくれるのである。
それがどうしてもやりたくて。
絶対に登山の邪魔になるのは明らかであったが、その欲望に負けて買ってしまった。

山小屋ドリンク50円引き券なるものも頂いたのだが、
実際の山小屋ではそんなものを思い起こすほどの余裕なんて一切なかった、なんてのは後の話。

富士スバルラインの五合目に到着したのは11時30位。
ここから13時までの時間は高度順応の時間&登山準備&昼飯の時間。



余り美味くなくて高いラーメンを食し、荷物の整理をしていざ出発。


天気もよく、五合目周辺は景色が綺麗だ。
まだごつごつとした岩ではなく、林道といった感じですがすがしさを感じる余裕もあった。
六合目までは馬に引いてもっらって行くことも出来るらしい。
スタートから既に高山病対策として極力黙り、呼吸を乱さないようにする俺。


六合目くらいになってくると早くも雲の上に立つことになった。



途中の休憩ではメンバーもまだまだ非常に元気で、
お菓子を食ったり、笑いあったり、ピクニックのような感じであった。  メンバーの笑顔が眩しい。
俺もこの辺はまだカメラかたてに写真を撮っている余裕があったな…

これが頂上付近になると、一言も発さず、
鬼気迫る表情で一心不乱に酸素を吸うという状況になるのだが、それはまた後の話。

ひたすら登山。4時間かけて七合目まで登る。

途中の休憩場所となる山小屋では焼印を押してもらい、モチベーションを繋ぐ。

山で飲むポカリスウェットはなぜあんなにもおいしいのだろう。


しかしここまで書いてきて気付いたのだが、
五合目から七合目までは4時間ひたすら登山なので、あまり特記するようなことがない。

感想としては思ったより全然辛くない。
富士登山用に購入していたcaravanの登山靴がいい仕事をしてくれていたおかげで足も全然もった。
もっと地獄のようなものを想像していた。
何より、ここまでは高山病の兆しが皆無だったので、それが一番よかった。

そして5時前に宿泊する(って言っても23時にはまた登山開始だけど)山小屋、東洋館に到着。
七合目から見える景色でも十分達成感が味わえる。
雲の上から見る景色。雲海を望む。



そして、こっから真の地獄のような惨劇が幕を開けることになるのだ。

寝床に移動する。

…まぁ、想像はしてたけど、やはり衝撃は隠せなかった。
噂に聞くとおり、一人分のスペースが枕一個分しかないのね。
あれをまさにすし詰め状態って言うんだろうな。
身動きひとつ取れない。寝返りなんかもっての外だ。

荷物を整理し、飯に食らいつく。
山小屋の飯があんなに美味いとは思わなかった。
今思えば、あれが最後のあたしいひと時だったな……

飯を食って食欲も満たされ、七合目から見る景色を眺め、写真に収める。


そして、寝る時間となる。
地獄が始まった。


俺はかなり、神経質な体質なので、環境が変わったりすると、熟睡できないタイプなのだ。
そんな人間があんなすし詰め状態のところで寝れるわけがない、最初っから。

案の定、寝ることができない。

しかも時間が経つにつれて焦ってくる。
早く寝ないと、早く寝ないと…

焦れば焦るほど寝れなくなる。

そして、寝れない状態で、何時間も時間が過ぎるのを待つ。
これほど苦痛な時間は無い。

俺はこんなところで誰が寝れるか、って思ってたんだけど、
世間は広いもので、いびきかいて寝てる人もいて、それがまたうるさくてしょうがない。

加えて、何十人も狭いスペースに閉じこもっているお陰で、
酸素が非常に薄い。

同行メンバーの一人が直前になってカミングアウトする。
「やばい、俺高山病になった… さっきいきなり吐きそうになった…」

メンバー全員、必死で自己弁護する。信じたくないのである。
「俺もまさか… いや、そんなはずはない。こんなところで終わるはずがない…」

メンバー一同が登頂に成功し、ご来光を見ている頃、
一人で山小屋にて待機。
これほどの屈辱はない。
何かここまで来たら意地でも登らざるを得ない。

結局寝ることが出来ず、徹夜で登頂アタックを迎えてしまった。
体調は限りなく宜しくない。


あたまがグラングランする…
ついにきたか…


外に出ると、やはり七合目。気温は低い。
上着を着て、ヘッドランプを装着し、睡眠もとれず、頭くらくらする中、
山頂アタックは始まったのであった…


続く



彊犀

2010-09-10 20:09:01 | 英語
やっと教採が全て終わりました。

本当に長かった…


ここ最近は自分の身の回りが新しい環境になり、目まぐるし過ぎて、
忙しすぎて、二次の面接試験から怒涛の二週間だった…

本当に書くべくことは山ほどあるんだけど、
そりあえず今は少し教採が終わった余韻に浸らせてくれ。


勉強をしなくていい、そのことを考えなくていいっていう今のこの時間に
非常に違和感を感じる……
空虚感…



ってことで明日、富士山行ってきます。

飯食って、パッキングして、さっさと寝よ。