12月4日に32番札所の観音正寺を参拝して、今回の西国巡礼は終了するが、神戸への帰り道となっている三井寺に寄って秋の特別拝観展を見ることにした。
(国宝・三井寺金堂)
三井寺へはJR石山駅で降りて京阪のチンチン電車で向かう。路面電車が町中を走り、石山寺や岩間寺、三井寺などお寺に向かう拠点となっている石山駅周辺は、古くからの門前町の面影が残っていて親しみを感じている。駅前には2度ほど宿泊したホテルがあって、京都山科から醍醐寺へ向かったときも石山駅から出発した。
電車内では幼稚園帰りの子どもたちで賑わっていた。電車を降りて琵琶湖疏水の脇の道路を歩き、電車の停留所から10分ほどで三井寺に着いた。お寺の入口の拝観券売り場のおばさんは熱心に金堂の特別拝観を勧めていた。「見てよかったとみなさんが言っています」と。
特別拝観は檜皮葺の屋根が美しい金堂で開催されていた。入り口にはお堂内で拝観できる仏像たちの案内板が掲げてあった。
本殿をぐるっと一周する廊下に三井寺の秘仏が並べられていた。体から炎を出し、一段と巨大で目立っていたのが不動明王像、古い仏像では平安時代の阿弥陀如来像や大日如来像など。その他に古い観音菩薩像や江戸時代に作られた比較的新しい仏像など多くの仏像を参拝することができた。静かなお堂の中で心の落ち着きを感じるときだった。
(阿弥陀如来像・案内板より拡大)
(大日如来像、奥が不動明王像、案内板より拡大)
お寺の境内で一番南の端にある観音堂へも参拝した。すっかり日が傾いて肌寒くなっていた。周りの色づいた木々の葉も散り始めていた。
(観音堂・本尊は如意輪観音菩薩)