SDF-1マクロスは最後の包囲網を突破するため速度を上げて強行突破を実行を開始する。
無人戦闘機QF-3000Eゴースト及びQF-91EゴーストⅡと攻撃機VA-1.VA-2.VA-3混成部隊も動員し出来る限りの戦力を動員する程全力をあげるつもりであり。
何が何でも地球へ帰還する覚悟を多くの地球統合軍将兵は持っていた。
「マクロス、加速を開始の模様。速度、増大しつつあります。」
ティレノール「どうします?」
ラプラミズ「ボドル・ザー閣下から沈める許可は出ていない。このまま追随して様子を見る。」
ラプラミズは二つの意味を含めた事を言うと頭の理解が早いティレノールは黙って頷く。
当然だがティレノールは全艦艇に配備されているクァドラン機甲部隊やジナール空戦隊に出撃準備命令を出し各部隊に出撃態勢を取らせた。
これを受けて各艦艇に配備されている特別遊撃隊はラプラミズ艦の下方に回り込みそこに駐機、いつでも出撃し主力部隊が作戦がうまくいけるように備える。
指揮官のナタルマはランメル.クレリア.フィオナに各艦から終結した遊撃隊を統合しその指揮官に任命する。
一般機動部隊とは違い各遊撃隊員はそれを承知しており、監察軍との戦闘でも同様な事をしている。
◆ラプラミズ遊撃独立戦隊
●指揮官:ナタルマ
第1独立遊撃隊:ランメル
第2独立遊撃隊:クレリア
第3独立遊撃隊:フィオナ
全機は16機。
統合軍側の1個飛行隊に匹敵する程の戦力。
圧倒的な数相手に自分の技量で圧倒し混乱させ本隊を突入させ敵をせん滅する。
これをマクロス相手にやったら確実にマクロスを撃沈する事ができる。
ラプラミズ艦隊はこれほどの戦力を持ちながらも命令によりマクロスを撃沈する事はない。
包囲網の形成とカムジンの第7空間機甲師団の監視だけすればいい。
この兵力は威嚇程度にしか使わない。
誰が言っても宝の持ち腐れのような兵力であるが誰も文句は言わない。
ゼントラーディ軍とその軍人ゼントラーディ人は命令は基本絶対服従なのだから・・・・・・
桐原中尉「コックピット待機か・・・・」
ウォルター「それはしょうがないですから、もうそろそろ地球だし。」
イェル「月艦隊からの支援はないんですか?」
桐原中尉「動かないだろう、連中は俺たちが戦っている敵に関しては無関心だろうし動くつもりはないだろう。」
イェル「そんな・・・・」
ウォルター「イェルちゃん、そんなショック受けなくても全力でやればいいんだ。そうすれば愛しの地球へ帰る事はできるぜ。」
桐原らバルキリーパイロットは出撃できるようにコックピット待機を命じられる。
月からの支援がない事は指揮官クラスは理解しており、全力でやらなければと思っている。
やれなければそこで戦闘は最初から負けている、負けは死・・・・・・
徹底的にやらねばならない・・・・・
桐原を始めとする指揮官は不安になりがちな部下をなんとかして導いて戦闘に勝たねば・・・・
その頃。
ゼントラーディ軍第110分岐艦隊第7空間機甲師団。
カムジンはマクロスの加速を見て攻撃命令のない包囲網形成命令に苛立ちを抱いていた。
その苛立ちは頂点に達し・・・・・・・・
カムジン「マクロスはここだ。我々はここだ。やつら全速加速してるってのに! こんな包囲網がなんの役にたつんだ。逃げこまれちまうぞ。ここで手ぇこまねいていては、カムジン一家の恥ってもんだ。そうだろ、オイグル!」
オイグル「そうでしょうな。」
カムジン「あの野郎、沈めてやる! これ以上なめられてたまるか!! ようし、砲撃準備。加速しろ!」
とうとう堪忍袋の緒が切れてしまい上からの攻撃命令がないまま艦隊をマクロスに向けて追撃する。
それを背後から見ていたラプラミズは・・・・・
ラプラミズ「カムジンめ・・・・・あくまでも命令を破り攻撃する気か・・・・・・」
と激怒する。
命令なき攻撃は軍規違反・・・・・・重罪に等しい。
これでマクロスを撃沈する事になればカムジンのみならずラプラミズ艦隊一同は消去刑だ。
このまま艦隊の前に出るかと考えたが・・・・・
ティレノール「どうしますか?私は包囲を継続すべきかと思いますが・・・・・・・」
ラプラミズ「それもそうだな・・・・・今後の展開次第だが・・・・・・・・」
ティレノール「今後の展開ですか・・・・・エスケス・・・・では艦隊には包囲継続。各部隊の出撃は控えさせておきます。」
ラプラミズ「ついでに血気盛んな奴には全力で静止するように伝えろ。」
ティレノール「ハッ・・・・」
ティレノールのボドルザー総司令の命令を遵守する事をラプラミズに伝え包囲継続を訴える。
ラプラミズはティレノールの進言を受け入れ引き続き包囲継続を決める。
だが
これはあくまでも一時的な処置であり今後の展開次第では包囲を崩しカムジンを同士撃ちする覚悟でマクロス撃沈を阻止する考えである。
ヴァネッサ「敵艦隊の一部が進路を当艦に向けました。数、およそ10隻。」
グローバル艦長「防空隊、全機発進。」
早瀬未沙「イエッサー。」
未沙は防空隊を出撃させるべくコンソールを操作を始める。
未沙だけじゃないほかの部署の管制官も同様であった。
早瀬未沙「バルキリー、およびゴースト隊。全機発艦せよ! バルキリー、およびゴースト隊。全機発艦せよ!」
未沙などの管制官の指示のもと、バルキリー部隊・攻撃部隊・ゴースト部隊が次々に発進していく。
ある程度の距離を取ったらそこで編隊とフォーメーションを形成する。
これだけじゃない、強行突破のためにマクロスは切り札を発動する。
グローバル艦長「トランス・フォーメーション、およびピンポイント・バリア展開。突破口をひらく。」
シャミー「各ブロック、住民の待避完了の模様。」
キム「各ブロック、トランス・フォーメーションを開始します。」
トランスフォーメーション、数か月前に実行したマクロスの変形形態である。
通常形態から徐々に形が変化をし始める。