日立は取締役14人のうち4人が外国人となっている。以前3M(アメリカ)でCEOを務めたジョージ・バックリー社外取締役は、社内提案に対して「こんな消極的な計画なら米国では首だ」と中西社長に伝えたという。
日本企業では、暗黙の厳しい掟が有り、許可なく活躍したり目立ってはいけない。半歩前に出るのは何とか許されるが、一歩も出ると災いが降りかかってくることになる。変な話だが、若手の社員が新築の家を建てると大抵転勤になる。
日立は研究所だけで博士号を持った社員が700人を超えている。日立で石を投げれば、博士に当たると言われたぐらいだ。さぞかし、独創的な発明が山のように出てくるかと思いきや、実はオーソドックスな従来技術の延長なような製品が多い。
現在の博士号は独創性を重視しているわけではない。勢い、成績優秀で教授に好かれる学生がエスカレーターに乗り、いわばお勉強で博士号を取得する。つまり、理解はできるが発明や課題解決に向いているかどうかは疑問だ。
円安の時は、日本メーカーどうしでお互いにキャッチアップしながら、新製品を出してきた。ところが、円高にシフトすると、国内どうしのままごとが機能しなくなった。サムソンは、社内では腐っているが実は一流な技術者をヘッドハンティングし、安価で高度な技術を獲得してきた。
新たな技術を創造するより、買う方が①安いし、②早いし、③確実だ。ソニーやシャープの社員が金曜日夕方、韓国へ行き、日曜日に帰ってくるという姿が多く見られた。彼らは、それで数千万円を受け取ったが、サムソンが得た利益はその10倍、100倍だろう。
一時は、世界の家電などのトップを走っていた日本の電気メーカーは、日立、東芝、松下、ソニーなど上場企業全社を束ねても、利益がサムソン電子の10分の1に満たないなどという状況となった。
円高だけが原因ではない。
1.日本企業は無責任構造 日本の企業は上に行くほど、権限・給料が上がり、逆に責任と業務量は減る。従って、方法を問わず昇進すれば天国に近づく。権限と責任が一致しないため、トップは権限だけ握って、無責任になる。企業に限らず、日本の組織は同じ傾向が有り、官僚組織が無責任になるのも同じ理由だ。
2.日本企業は時間が経過するほど劣化する 部下は上司より能力が有ったり、能力を発揮してはいけないという暗黙のルールが有り、かつ、上司の命令・意向は絶対だから、代を重ねるごとに劣化する。
3.まともな評価が出来ない 正しい評価が出来れば上記の様なことは起こりえないが、実績や実力の無いものを無理やりトップに押し上げ、上に対する全体服従を強いるため、論理は無くなり、事実を曲げ隠ぺいしてしまう。また、実績・実力で評価しようにも実績・実力で昇進したトップや経営陣がいない場合には何が実績で実力なのか分からない。
4.営業などの現場軽視 日本のメーカーは製造重視で、営業を軽んじ、馬鹿にする傾向がある。自分が作るものが素晴らしいと勝手に判断する。自己満足による、市場ニーズとのかい離が生じている。
5.優れた人間を全員で引きづり落とし楽をする 護送船団方式とも言われる。協力しながら有能な人間を潰し、低レベルで進む。要は無能集団を形成する。ごみみたいな知識を詰め込んだのや、ずる賢い茶坊主や、勇気も度胸も無いが集団でやくざ体質を発揮できる人間がのし上がる。
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