私もかつては熱烈な小沢ファンだった。人柄は分からなかったが、自民党を割って出た実力者で、日本を変えてくれるのではないかと期待した。私の支持は半端じゃなく、新進党だったか地元議員の応援には時には会社を休んでまで駆けつけ、朝から夜遅くまで支援活動を続けた。マイクも毎日のように握ったし、肉体労働者よろしく酒や食料を運び、支援者を車で送迎した。
2回目の支持は、彼が民主党の代表になった時だった。最近のことで、以前のような活動はできなかったが頑張って欲しかった。しかし、報道されている金に関するような事実が次々明らかになったので、切々と手紙を書いて、辞めるよう提案した。幹事長になってからはあまりにも自民党のようなばらまき型の政治を展開し、権力を全部自分一人に集めようとする姿勢にこれはダメだなと思った。民主党の目指す方向ではない。
小沢さんは良くも悪くも現実的で、考えや主張が変わる。最初に政権をとった時、親官僚で大蔵省の官僚を重用した。当時官僚改革をやっていたら、日本は劇的に変わっただろう。しかし、ただ政権を取っただけだった。最終的には社会党を追い詰めすぎて、下野することになった。彼がもっと卓越したビジョンと戦略を持っていたら、何もドタバタする必要はなかった。しかし、彼には明快なビジョンもないし、日本を導くべき戦略もない。有るのは職人的な溝板の選挙活動と、実質的な権力維持欲だ。
実は管さんには既に24の提案を出しているが、管さんは委縮しており、勇気も欠けるのか現職の強みを発揮できていない。このままじゃ負けるよ、実行力を示せと具体的なことを何度書いたか分からない。課題も指摘している。官僚のみこしに乗っている図は濃厚だし、官僚機構改革、経済対策、年金問題、教育などどれをとっても先の展望が見えない。やっているのかどうかもわかない。
一方で小沢さんが今回代表戦に立候補したことは論外であり、支持者が多いことは日本の民主主義が稚拙であることを物語る。周りの権力欲も露骨に透けて見える。さらに小沢擁立を大きく後押しさせた鳩山は、もうどうしようもない人物で、あほ・バカ・間抜けの代表選手。歴史の汚点というより歴史のゴミだ。何故、管をサポートし、及ばざるは身を呈してでも方向修正できないのか。
小沢さんが実行力が有ると見られ、管さんよりは有るかもしれないが、小沢首相が実現したところで、鳩山、管に比べて顕著な改革の実現性向上が見られるようには思えない。それより彼がやりたいのは、金と権力を自分の元へ集中させることだろう。もはや日本の政治は小沢無くしてはどうにもならないような状態に持ち込もうとしている。
日本では意外にヒットラーのファンが多い。何故かというと、大衆を熱狂させる説得力を彼が持っていたからだ。これは全く本末転倒で、本来は何を目指すべきかというビジョンや目標があって、その実現を推進するのにどのような指導力が必要かを問われなければならない。小沢さんがこれまで数々の改革の動きをぶち壊してきたがために、どれだけ日本の改革が遅れ、日本全体が後退してきたか計り知れない。首相になったらこの点は十分反省し方向修正してほしい。