人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

水芭蕉

2006年04月29日 | 今日の雑感雑記

Photo_31

 今日の函館地方は、天気も良く気温も上昇しました。とは言っても12°~13°ぐらいで すが。陽気に誘われて大沼一周14kmを散歩してきた。ちょうど水芭蕉の季節。他にはキ クザキイチゲの白い花が満開だった。遅い春がやっと巡ってきた感じ。


温泉余土

2006年04月27日 | 今日の雑感雑記

Photo_30

 「温泉余土」という言葉、広辞苑には載っているが平凡社の地学事典には載っていな い。よくよく眺めてみれば「温泉の余った土」であるから、学術用語としては相応しくない表 現である。写真で見ればチンチンの硅岩の様に見えるが、指で挟めばフニャっと潰れる 程に軟らかい。主成分はモンモリロナイト・カオリンなどの粘土鉱物、緑色に見える部分は おそらく緑泥石だろう。粘土鉱物の種類は、X線分析にかけないと正確には解らない。

 日本全国の温泉地帯で何処にでも有るが、滑る・潰れる・膨らむで土木工学的には厄 介者扱いされている。純粋の粘土であるから、なにか有効活用出来ないものか。


横津岳の樹氷

2006年04月26日 | 今日の雑感雑記

Photo_29

 そろそろ雪も締まり春山の季節と思い、横津岳の頂上を目指しとことこと歩いてきまし た。積雪は昨年より少ないのですが、ダケカンバに着いた樹氷がまだ残っていた。今年は 4月下旬になってもさっぱり気温が上昇しないと感じていたが、樹氷を見てやはりそうかと 実感した。例年ならこの季節、樹氷など見ることは無いのに。


北海道駒ヶ岳

2006年04月25日 | 今日の雑感雑記

Photo_28

 ハイキング感覚で登れる身近な山なのですが、現在は噴火の恐れが有るため入山禁 止です。上から見下ろす大沼・小沼の風景は絶景なのですが、残念です。昔は春夏秋冬 良く登りました。(まだ元気が有った)下の写真は駒ヶ岳キャニオン(私が勝手に命名)で すが、現在はどうなっているのでしょうか。剣が峰直下から発達する沢地形です。富士山 の、大沢崩れのミニ版とでも言いましょうか。

 遠くから眺めれば優雅な山容の駒ヶ岳ですが、中に入り込めば結構荒々しい山です。 馬の背噴火口の全容は、航空写真でなければ良く解りませんが、次回昔撮った写真を紹 介します。山麓では、大規模な泥流対策工事が行われています。どの様な規模の噴火に 対する工事なのか、納税者には説明が有りません。自然災害は、予想の付かない要素 が多々ある事は事実です。行政にその全てを説明しろとは言いません、ただその前提と なる仮定条件を説明してほしいと言っているだけです。(それさえ説明出来ない事は重々 承知で言っているのですが)


ダーウインはペンギンを見たか

2006年04月24日 | 今日の雑感雑記

Photo_27

 歩き方は確かにぎこちないが、これ程の直立姿勢で二足歩行する動物は人間以外に居 るだろうか。もしもペンギンが、完全に陸上生活に戻って500万年経ったら、鳥人間に成っ ていると思う。ペンギンの前肢の形はクジラと同じだ。このまま海上生活を続けて500万年 経ったら、羽毛の生えたクジラに成っていると思う。地球環境がこのまま大きく変化しない と仮定すれば、卵胎生の水中動物と成って、水中出産水中子育て一生陸に上がらない生 物と成るかも知れない。

 実は私、現在の進化論に若干の疑問を持っている。たとえば「花カマキリ」いかに擬態 する事が生存に有利とは言え、自然淘汰だけであれ程の形態の変化を生ずるものだろう か?遺伝子があたかも外界認識力を持って、自発的に変異している様に思える。こんな 事考える私ってバカかな。

 進化論の本を読んでいて思うことは、何か古い博物学の本を読んでいる様な気になる。 もっともこれは、古生物学の分野から進化論を説いている場合の話だが。考古学や古生 物学は、検証再現が不可能な分野だからしかたがないのだろうが。

 一億年後に、宇宙人の古生物学者が地球に来て、一億年前の地層と一億五百万年前 の地層を発掘して、直立二足歩行する生物の化石を見たら何と言うだろう「大して進化し てね~なぁ~」。

 


オオウバユリ

2006年04月23日 | 写真

Photo_26

 若葉のオオウバユリ、近くに寄れば独特の臭いがします。これが3~4ヶ月もすれば、2 m近くに成長するのですからスゴイですね。このユリ根は、昔のアイヌの人達の食料でし たが、私も子供の頃食べました。こぶし大のユリ根を採ってきて、焚き火の中に入れて焼 いて食べるのです。決して美味いものではありませんが、おやつ代わりだったのでしょう か。

 子供の頃野山で食べたものを思い出してみました。ヤマブドウ、食べ過ぎれば舌が割れ る。コクワ(サルナシ)、食べ過ぎれば痔になる。ヤマグワ、口の周りが紫色になる。イチイ の実、中の種を噛んでしまうと強烈にエグイ。ハイイヌガヤ、松ヤニ臭い。アキグミ、渋み が強い。山桜の実、サクランボには違いないが種ばかし。マルスグリ(グズベリー)、カリッ とした歯触りで酸っぱい。ヒメリンゴ、えぐくて酸っぱい。スモモ、これは美味いが虫が入っ ている。ツツジの花、ほんのり酸っぱい。カエデの若葉、かなり酸っぱい。ヤマブドウの 蔓、相当酸っぱい。エゾニュウの若い茎、なんとも言われぬ味がした。エゾノギシギシ、わ ずかに甘く酸っぱい。イタドリの茎、酸っぱくて美味しい。ツメクサ(クローバー)の蜜、花を 引き抜いて付け根をチュッと吸う。その他毒で無い物色々。

 今になって考えて見れば、ほとんどヒグマかノウサギみたいな食生活ですな。


シマリス

2006年04月21日 | 写真

Photo_25

 今日4月21日は、冬期間通行止めになっていた函館山への道路が開通した。さっそく車 でブイィーンと頂上まで登り、尾根路をトコトコ歩いてきました。やはり麓とは違い、まだ何 にも無い枯れ木の山だった。そんな中に、チョロチョロ動き回る冬眠から覚めたばかりの エゾシマリスが居た。こちらが動けば向こうも逃げる、こちらが立ち止まれば向こうもジッ トこちらを見ている、人間慣れしているのか、警戒しているのかよく解らない。でも可愛い。


支笏火山

2006年04月20日 | 今日の雑感雑記

1

 支笏湖の風不死岳(1103m)から見た恵庭岳(1320m)と樽前山(1038m)です。支笏湖は、 約二万年前の破局的大噴火によって生じたカルデラ湖です。当初は円形だったのでしょう が、恵庭岳・風不死岳・樽前山などの外輪山が噴火し、現在のまゆ型に成ってしまいまし た。また当時は太平洋に流れていた石狩川が火砕流により埋没し、日本海へと流路を変 えました。この火砕流は、札幌市にまで達しています。建築用石材として有名な札幌軟石 です。(溶結凝灰岩のこと、地質図でピンク色の部分)

 すでに活動を停止しているとは言え、札幌市の南西部には火山活動の跡だらけです。 樽前山は今後小規模な噴火が予想され、厳重な監視下に置かれていますが、支笏火山 そのものが再度破局的大噴火を起こしたらどうなるでしょう。その様な事態を想定し書か れたのが石黒あきらの小説「死都日本」です。おすすめ本に追加しておきました。小説の 題名で解るとおり日本と言う国は、地獄の釜の蓋の上に有る様なものです。いつ何時釜 の蓋が開くかも知れません。

 なぜこの様な事を書くかと言えば「災害は忘れた頃にやって来る」という言葉が有りま す。これを裏返せば「自分が生きている間に特別な事は起こらない」と言う思い込みです。 地質学的時間スケールと比較すれば、一人の人間の一生などは一瞬の間です。よほど 運が悪くなければ、地質学的特別な事態に遭遇する事はないでしょう。でもこれは確率の 問題なのです。確率が0で無い限り、いつかはやって来る運命です。