静 夜 思

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「民主」と「自由」に挑戦するロシアたち・・日本はどこへ?

2024-02-24 07:39:09 | 時評
★【毎日】「ポスト冷戦」破壊したロシア 米中にも見える“過去への回帰” 同志社大学の吉田徹教授に聞く【聞き手・真野森作】
<A>各国に広がる過去への回帰志向
* ウクライナに対するロシアの開戦理由には北大西洋条約機構(NATO)拡大への危機感など諸説あるが、説明し切れない面もある。国際政治学の伝統的リアリズムは「国家は目的から逆算して合理的に行動する」
  と理解してきた。そうではなく「国家は自らの価値観のために行動する」という「存在論的安全保障」という見方が妥当だ。
   ロシアからすると、米ソ両大国が世界を二分するといった第二次大戦後の取り決めが冷戦終結後に「ほごにされた」という屈辱感や強烈な不満がある。そして、「ロシアはかつてのような帝国でなければ
  ならない」という自らの価値観、国家アイデンティティーを回復するために、歴史的復古主義から開戦に至ったともいえる。
 * トランプ氏の「米国を再び偉大に」という主張と、それに則した政策も一例だ。また中国は、列強諸国に植民地化された過去の経緯を踏まえて「失われた地位を取り戻す」という歴史観が行動原理になっている。
<B>危機にさらされる自由主義的側面
* ポスト冷戦時代には世界各地で選挙が重要視されるようになったが、民主主義を選挙だけに矮小(わいしょう)化してはならない。新興の民主主義国では、選挙にさえ勝てば正統性があるといった多数派支配の
  統治が広がった。これらの国々は民主主義ではあっても、個人の自由を守る立憲主義や法の支配など、自由主義的な側面が欠けている。
  民主主義の自由主義的側面をいかに取り戻すかが問われる。権力への対抗措置を強める制度的保障をしたり、有権者がそれを支持したりすることが必要だ
 
   ← 現在の日本もこれに当てはまる事を見逃すな! いびつな選挙制度ながら辛うじて「民主」は守るも、立憲主義&法の支配は自公政権により失われつつある(小李)


☆彡 国際社会においてもルールや制度、法の支配は不可欠だ。それによって秩序が生まれ、将来を予期できて安定がもたらされるからだ。秩序が破られれば、弱肉強食の
  世界になり、経済力、核兵器、軍などを動員できる国の独壇場となる。資源に乏しく、人口も減り続け、通商に頼る日本は、戦後の国際秩序の最大の受益者だったが、
  脆弱(ぜいじゃく)な立場へと追いやられる。
日本はそのことを再認識したうえで、自覚的に世界における自由民主主義の旗振り役になるべきだ。

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 <A>を別の言葉で言えば『民族主義:ナショナリズム』であり、<B>は『疑似デモクラシーに隠れた全体主義』だ。そこで、読者には思い起こして戴きたい。
旧民主党政権挫折後の安倍内閣に始まる10年間の自民党統治は<A><B>ふたつを意図的に強めてきたのではないか? 

 吉田教授のいう≪民主主義の自由主義的側面を取り戻す。権力への対抗措置を強める制度的保障をしたり、有権者がそれを支持したりする努力≫を我々は怠ってきた、と私は
言わざるを得ない。そういう危機感を政治家は無論、国民一人ひとりが持たねば、この国は本当に危ない。繰り返すまでも無く<A>と<B>は、どの民族・国家であれセットで進むものだ。 <A>は万国共通だが、個人の自立が乏しい日本のような国で<B>は瞬く間に蔓延るものだ。

 そういう目で昨今の政治をみると、幾ら頼りない野党であっても、これ以上、ナショナリズムに訴え自由と民主を否定してかかる全体主義勢力に日本を任せられない。
今年は内外共に大きな政治変動が想定される年。日本もここで自己変革できないなら、大袈裟ではなく、自滅の道しかなくなるだろう。そんな日本を観る前に死にたい。
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