静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

 司法無視いよいよ露骨に 自民のアダムズもみ消しは 3権分立への挑戦だ

2016-03-19 10:02:47 | トーク・ネットTalk Net
* 毎日社説 アダムズ方式 「違憲」覚悟の先送りか http://mainichi.jp/articles/20160319/ddm/005/070/151000c?fm=mnm
・ 小選挙区の「1票の格差」是正を図る衆院選挙制度改革について、自民党は衆院議長の諮問機関が採用を求めた「アダムズ方式」を容認する方針をようやく決めた。
  ただし、導入するとしても2020年の国勢調査結果が出た後だ。実態は党内の反対論に配慮した先送り策である。
・ 自民党は関連法案に20年の国勢調査後のアダムズ方式導入を明確に盛り込むともいう。しかし、20年調査の結果が出た後に検討を始めた場合、実際の衆院選に適用される
  のは22年以降になる見通しだ。その間に衆院選は何回かあるだろう。しかも導入するまでは抜本的な是正作業がストップする可能性がある。
・ 一方、自民党内では今、夏の参院選に合わせて衆院選も行う同日選論がしきりと語られている。同日選となれば、「0増6減」策でさえ、関連法案が今国会で成立しても
  夏の選挙には間に合わない。それを承知で同日選話が出ているのも自民党の憲法軽視の表れではないか。

 選挙制度の是正、具体的には「格差是正」と「比例代表制の拡大」「有権者分布に応じた小/中選挙区制の併存」の三つが求められている。ご承知のように司法が<違憲状態>と指摘してきた表面上の対象は「平等原則に反する1票の地域間格差」だが、其の原因を造って来た元凶が選挙区配分だ。ここの修正に抵抗することは即ち、代議民主制改善努力への意図的怠慢でしかない。  言い換えれば【サボタージュ】に他ならない。

 更に、単なる怠慢で済まなくなってきたと私が思うのは、自民党の不遜な態度は≪3権分立≫そのものへの”挑戦”にさえなっているためだ。もとより、大統領制と比べ、議員内閣制を執る国家統治形態では、立法(=国会)が行政(=内閣/中央省庁/地方自治体)を事実上コントロールする。  ここが例えば米国との最大の相違だ。
 然しながら、議員内閣制度下での3権分立の思想は、司法(=裁判所)に<立法及び行政>の2つの権力機構の行いに牽制をかける役割分担で設計されている筈だ。 憲法裁判所を置いていない日本の場合、この司法による牽制機能は尊重されなければ独裁政治に陥る。
  だが、これまでの自民党政権は意図的に抵抗を繰り返し、与党を組む公明党すら無視して選挙制度変革そのものを行う意思が無い。この姿勢に、国民は怒らねばならない。 
 選挙制度を変えたら改憲がまた遠のいてしまう・・・安倍政権の想いは此の1点にしかないのではあるまいか?? 若し改憲が論理的な議論を飛ばしたままズルズルと流されたら、もう選挙制度どころか、国家に個人は奉仕するものという国家主義がはびこり、平等意識など蹴散らされ、「1票の格差」論議すら消えてしまうだろう。  
      それでいいのか?  良い筈がない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 現行憲法否定派の支離滅裂な... | トップ | ★ 2016.03.20. 中国: 拡... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

トーク・ネットTalk Net」カテゴリの最新記事