静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

 崩 れ だ し た 日 本 の 民 主 主 義 統 治     ~ 選 挙 が 最 後 の 砦 ~   若人よ  投票しないツケは必ず回って来るんだぞ

2021-07-14 12:32:04 | 時評
▼ 崩れだした日本の民主主義統治 選挙が最後の砦 (田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長) 抜粋
* 今日の政治の特色は3Sだ。3Sとは「説明しない」「説得しない」「責任をとらない」という三つのSで始まる言葉で、今日の政治の問題点を表してみた(YouTube:「田中均の国際政治塾」

* 人事による官僚支配やメディア支配が伝えられる通りであるならば、恐れる者はいない。権力に目を光らせるべき存在である検察にも人事で手を入れようとした形跡すらある。
  極めて強い権力が完成し、国会や国民に説明することも、しないことも、責任を取ることも取らないことも随意。選挙で信任を受け、勝ち続ける限り、権力は安泰だ。← 誰がそうさせた???

* 民主主義体制においては、法を犯し訴追される場合は別として、政治的・道義的責任は野党が追及すべきであろうが、いかに数の力がないとはいえ、説明責任や結果責任を全うさせられなかった
  野党の責任は重い。

* 中選挙区の時代には異なる派閥から複数の立候補者が出て、それぞれ派閥が支援する選挙であったが、今日、小選挙区制の導入で選挙は派閥の支援を受けた選挙ではなくなり、党中央が公認をし、
  資金を配分するという中央集権的な体制となった。 必然的に党総裁・幹事長の力は圧倒的に強くなり、閣僚人事も基本的には首相が差配することとなった。
   そうなると派閥の間で次の首相に向けて積極的な競争が起きることにはならず、もっぱら首相を担ぐ多数派を形成し、政権の間、それを維持することに躍起となる。
  その結果生まれたのが菅政権だった。そして菅政権のコロナ対策や五輪強硬姿勢の是非という観点からの真剣な党内議論が起こっているようには見えず、政権維持のため一蓮托生(たくしょう)的な
  雰囲気すら感じられる。

民主主義で最後のチェック機能は選挙
* この8年以上に及ぶ自民党政権が示しているのは、日本の民主主義体制においては強い政権を生むことはできたが、強い政権をチェックしバランスさせることはできなかったということだ。
   これも究極的には権力の公正な行使を心掛ける「指導者らしい」指導者を得ることができるかどうかに行き着く問題だ。使命感を持ち、公正な権力行使を心掛けるリーダーを選ぶのが選挙だ。


* 政治が家業になっている限り、既得権益を打ち破る政治は可能ではあるまい。今回の選挙においては国家の指導者を選ぶのだという明確な意識をもって、そのような指導者がいる政党に
  投票すべきなのだろう。

* 日本は短期的にも中長期的にも大きな危機にある。短期的にはコロナの収束と経済回復は待ったなしだ。中長期的には日本の長期低落傾向に歯止めをかけ、再生へのビジョンを追求して
  いかなければならない。

民主主義の基本である国民に説明をし、場合によっては真摯に説得をし、結果責任をとる決意を持った指導者を選びたいものだ。
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【書評136-4】〆 周  恩 来 『 十九歳の東京日記 1918.1.1 ~1918.12.23 』(原題:旅日日記)   矢吹 晋(編)鈴木 博(訳)   小学館文庫   1999年10月 刊

2021-07-14 10:20:55 | 書評
 前3回までは、東京在住期の周恩来氏の個人的側面を伝聞や伝記ではなく、自ら書いた『日記』だけから探ってきた。2校の受験に失敗し、失意と恥辱感に苛まれた周青年は一時帰国した。
そこまでの様子は『日記』に克明に描かれてあり、フォローできるのだが、故郷天津の南開学校が大学部を設けると知り、留学を止めて帰国に踏み切った。
 それから後、フランスへの留学以降、周恩来は単なる学生運動家の域を脱し、大衆運動家/革命家へ変身する。このあたりから中華人民共和国設立~文革~米中・日中国交回復までの流れに
就いては、いくつも伝記や評伝が世に出ているので、参照されたい。

 最初に明示したように、本稿は19歳の周恩来青年が、短いとはいえ東京で生活した間に≪何を感じ、何を学んだと想像されるのか?『日記』に記された自身の言葉から人物像の一端を掴みたい≫
其の狙いなので、共産主義革命家に変わった経緯、内戦期の辛苦などは触れない。私には、日本に居た頃、周青年がおりから進行中のロシア革命に強い関心を抱き、ロマノフ王朝末期の議会制度の失敗、
それと母国の政治混乱を照らし合わせ、やがては代議制度そのものへの不信感に傾くプロセスが興味深い。この不信感の醸成は周に限らず、同時代の中国青年が同様に通過したのではないか?
たぶん、この失望&不信は辛亥革命を成功させたのに、議会制民主主義国家へ円滑に進めない中華民国への失望と諦めに焦りを抱いた青年層に共通した感情だったろう。
 偶然にも、ロシア革命が中国青年たちに新たな選択肢を与えたわけで、体制ができあがりつつあった日本の青年が憧れた社会主義革命への渇望度合いとは段違いに深刻且つ強烈だったに相違ない。

◆ 思えば、制限付きであれ/普通選挙であれ、投票行動を実現する為の大前提は戸籍&住民所在を把握する制度である。辛亥革命後の中華民国全土にそれらが在ったとは思いにくい。日本は江戸時代から
 反キリシタン寺院管理と組み合わせられた身分&個人識別制度があり、明治政府はそれを使い、義務教育&徴兵制度創設に応用できた。選挙制度にも使えたのだが、これらを欠いたままの中華民国に
 代議制を行う基盤は無かった。
  日本留学生たちは、こういう細かな点も含め、どこまで日本の歴史を勉強したのか? 素朴な疑問が残るし、これが清末から内戦期間中40年も続き、共産革命以後は代議制を嫌い、信用せず、
 むしろ敵視する現在の姿勢に繋がったなら、とても残念な事だと私はみている。

雑誌「露西亞評論」に掲載された今井政吉の論文≪露国革命派の系統≫に啓発され、熟読したと周は『日記』18年4月28日に熱っぽく書いている。 また、かねてから愛読していた(社会問題研究)著者・川上肇の京都大学での講義を、本帰国前に立ち寄った京都で聴講したかもしれない。日本帝国政府の思想弾圧が始まる前の、つかの間の自由な言論雰囲気にたまたま身を置いた周青年は、母国の抗日運動
実践から1920年・フランス留学中の現地刺激を経て筋金入りのコミュニストに成った。余談だが、若き鄧小平はフランスで周と同じ拠点でコミンテルン活動をしていた。鄧に周はどうみえていた?

 半植民地に成り果てた母国への憂いと焦り、新興日本の成功と脅威、ソヴィエト連邦の出現、植民地帝国主義国家の東アジア政情。当時の日本は中華民国を傷めつける側に居たので、周恩来はじめ
民族運動家の姿を正確に見据えていた人は少ない。孫文と宮崎滔天の逸話は有名だが、その他の抗日運動支援は篤志家個人のサポートでしかなく、日本帝国内で大きな力を持ち得なかった。

★ 多くの留学生が明治維新に学ぼうと日本へ来たが、第一次大戦後、大陸へ帝国主義進出に舵を切った愚かな日本帝国は留学生の夢と敬意を裏切り、抗日に向かわせ、更には共産革命成功まで
 間接的ながら手を貸す結果を招いた。敗戦による帝国滅亡だけでなく、無思慮な進出で日本人は中華民国を滅ぼす手助けまでしたのである。
  実際、毛沢東は1960年(?)社会党訪中団に笑いながら謝辞を述べている。「日本軍国主義がなければ国民党には勝てず、中華人民共和国は生まれなかったよ、有難う!」と。

 対華21ヶ条要求や青島占領を公に反対した石橋湛山。大熊重信首相に書簡で思いとどまるよう直接説いた朝河貫一。その忠告に耳を貸さなかった政府要人の誤った選択が国を滅ぼしただけでなく、
 アメリカの庇護下に甘んじる姿を招き、強大な中国をも生んでしまった。
  本書で矢吹氏は<If Story>に周の受験失敗無かりせばを挙げているが、共産革命の成否以前に周恩来がコミュニスト革命家になった人生の流れは変わらなかったのではないだろうか? < 了 >
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≪ 酒類提供締め付け禁じ手: 西村大臣の言動が暴露した 不遜&無能政治家の本質 ≫  ここまで国民は舐められている

2021-07-14 08:10:03 | 時評
毎日【水説】西村大臣の3悪手=古賀攻 (専門編集委員)
【悪手:1】休業要請やお酒の提供自粛に応じない飲食店に、取引先の金融機関を通じて順守を働きかける
      抜け駆けする店をカネで締め上げる発想だ。実際に金融庁は全国銀行協会などへの協力依頼書を準備していたという。
【悪手:2】酒類販売業者に「非協力」店との取引停止を求める卸ルート
【悪手:3】「食べログ」などの利用者に店の感染対策などの告げ口を奨励する予約サイトルート

<金融、卸ルートともに法律上の根拠を持たない行政指導行政手続法32条は行政指導を「相手方の任意の協力によってのみ実現されるもの」と定義し、従わない場合でも
 「不利益な取り扱いをしてはならない」と禁じている。
つまり両ルートとも不利益をちらつかせている点で法律違反の疑いが出てくる。もともと片方の撤回で済むものではない
<予約サイトでの告げ口奨励に至っては、社会を陰湿にする以外にどんな効果を期待するというのだろう。>

『東京都の最新のモニタリング調査によると、感染経路は同居者と職場が約7割を占め、会食は8・6%になっている。なのに飲食店をコロナの巣窟のように扱い、庶民のなりわいを
 軽んじる。政治家としての資質を疑うという非難はこういう時にこそふさわしい。恐らく日本で暴動は起きない。ただし、行政への不信はどんどん充満している。
 3カ月以内には総選挙がある。』
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★ どっこい、古賀さんよ。選挙イノチで生きてきた政治家。権力の甘い蜜の味を若くして覚えた西村某大臣に限らず、心の中で彼らが思ってる事を言葉にしてみよう! 
 <なあに、片肺飛行であれ大規模な選手&関係者感染さえ起きなければ国民はオリパラ有難う!となるさ><それに国民だってワクチンが今年中に行き渡れば、と諦めてるよ>

↑ たぶん、この読みは外れていない。。 そう、有権者は、投票しない若者も含め、ここまで舐められているんだ。デモ、暴動など・やる根性などありゃしない! とね。
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