▼ 崩れだした日本の民主主義統治 選挙が最後の砦 (田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長) 抜粋
* 今日の政治の特色は3Sだ。3Sとは「説明しない」「説得しない」「責任をとらない」という三つのSで始まる言葉で、今日の政治の問題点を表してみた(YouTube:「田中均の国際政治塾」
* 人事による官僚支配やメディア支配が伝えられる通りであるならば、恐れる者はいない。権力に目を光らせるべき存在である検察にも人事で手を入れようとした形跡すらある。
極めて強い権力が完成し、国会や国民に説明することも、しないことも、責任を取ることも取らないことも随意。選挙で信任を受け、勝ち続ける限り、権力は安泰だ。← 誰がそうさせた???
* 民主主義体制においては、法を犯し訴追される場合は別として、政治的・道義的責任は野党が追及すべきであろうが、いかに数の力がないとはいえ、説明責任や結果責任を全うさせられなかった
野党の責任は重い。
* 中選挙区の時代には異なる派閥から複数の立候補者が出て、それぞれ派閥が支援する選挙であったが、今日、小選挙区制の導入で選挙は派閥の支援を受けた選挙ではなくなり、党中央が公認をし、
資金を配分するという中央集権的な体制となった。 必然的に党総裁・幹事長の力は圧倒的に強くなり、閣僚人事も基本的には首相が差配することとなった。
そうなると派閥の間で次の首相に向けて積極的な競争が起きることにはならず、もっぱら首相を担ぐ多数派を形成し、政権の間、それを維持することに躍起となる。
その結果生まれたのが菅政権だった。そして菅政権のコロナ対策や五輪強硬姿勢の是非という観点からの真剣な党内議論が起こっているようには見えず、政権維持のため一蓮托生(たくしょう)的な
雰囲気すら感じられる。
民主主義で最後のチェック機能は選挙
* この8年以上に及ぶ自民党政権が示しているのは、日本の民主主義体制においては強い政権を生むことはできたが、強い政権をチェックしバランスさせることはできなかったということだ。
これも究極的には権力の公正な行使を心掛ける「指導者らしい」指導者を得ることができるかどうかに行き着く問題だ。使命感を持ち、公正な権力行使を心掛けるリーダーを選ぶのが選挙だ。
* 政治が家業になっている限り、既得権益を打ち破る政治は可能ではあるまい。今回の選挙においては国家の指導者を選ぶのだという明確な意識をもって、そのような指導者がいる政党に
投票すべきなのだろう。
* 日本は短期的にも中長期的にも大きな危機にある。短期的にはコロナの収束と経済回復は待ったなしだ。中長期的には日本の長期低落傾向に歯止めをかけ、再生へのビジョンを追求して
いかなければならない。
民主主義の基本である国民に説明をし、場合によっては真摯に説得をし、結果責任をとる決意を持った指導者を選びたいものだ。
* 今日の政治の特色は3Sだ。3Sとは「説明しない」「説得しない」「責任をとらない」という三つのSで始まる言葉で、今日の政治の問題点を表してみた(YouTube:「田中均の国際政治塾」
* 人事による官僚支配やメディア支配が伝えられる通りであるならば、恐れる者はいない。権力に目を光らせるべき存在である検察にも人事で手を入れようとした形跡すらある。
極めて強い権力が完成し、国会や国民に説明することも、しないことも、責任を取ることも取らないことも随意。選挙で信任を受け、勝ち続ける限り、権力は安泰だ。← 誰がそうさせた???
* 民主主義体制においては、法を犯し訴追される場合は別として、政治的・道義的責任は野党が追及すべきであろうが、いかに数の力がないとはいえ、説明責任や結果責任を全うさせられなかった
野党の責任は重い。
* 中選挙区の時代には異なる派閥から複数の立候補者が出て、それぞれ派閥が支援する選挙であったが、今日、小選挙区制の導入で選挙は派閥の支援を受けた選挙ではなくなり、党中央が公認をし、
資金を配分するという中央集権的な体制となった。 必然的に党総裁・幹事長の力は圧倒的に強くなり、閣僚人事も基本的には首相が差配することとなった。
そうなると派閥の間で次の首相に向けて積極的な競争が起きることにはならず、もっぱら首相を担ぐ多数派を形成し、政権の間、それを維持することに躍起となる。
その結果生まれたのが菅政権だった。そして菅政権のコロナ対策や五輪強硬姿勢の是非という観点からの真剣な党内議論が起こっているようには見えず、政権維持のため一蓮托生(たくしょう)的な
雰囲気すら感じられる。
民主主義で最後のチェック機能は選挙
* この8年以上に及ぶ自民党政権が示しているのは、日本の民主主義体制においては強い政権を生むことはできたが、強い政権をチェックしバランスさせることはできなかったということだ。
これも究極的には権力の公正な行使を心掛ける「指導者らしい」指導者を得ることができるかどうかに行き着く問題だ。使命感を持ち、公正な権力行使を心掛けるリーダーを選ぶのが選挙だ。
* 政治が家業になっている限り、既得権益を打ち破る政治は可能ではあるまい。今回の選挙においては国家の指導者を選ぶのだという明確な意識をもって、そのような指導者がいる政党に
投票すべきなのだろう。
* 日本は短期的にも中長期的にも大きな危機にある。短期的にはコロナの収束と経済回復は待ったなしだ。中長期的には日本の長期低落傾向に歯止めをかけ、再生へのビジョンを追求して
いかなければならない。
民主主義の基本である国民に説明をし、場合によっては真摯に説得をし、結果責任をとる決意を持った指導者を選びたいものだ。