じっくり学ぼう！近衛内閣Ⅲ

近衛文麿ってこんな人なんです。

明治24年五摂家筆頭近衛家に生まれます。父の篤麿は大アジア主義者です。西園寺公望がリベラル派だったので篤麿は政敵にあたります。
文麿が中学生の時に篤麿は死去します。中学は学習院、高校は一高、そして東大へ順調に進学します。ところが急に気が変わって京大に行きたくなります。
木戸耕一侯爵、原田熊雄男爵とともに西園寺三羽ガラスと呼ばれました。木戸は終戦まで宮中で内大臣、原田は西園寺元老の秘書、これで木戸と原田が仲違いしても近衛とは繋がることができます。大名家の毛利千代子と学生結婚します。
当時の一般サラリーマンの初任給の三倍の仕送りをもらっていたので周りからは学生結婚には見えなかったそうです。元祖子ども手当ですね。
社会主義者の河上肇に教えを受けます。哲学者の西田幾多郎にも近く、西田は後に近衛の要望で大東亜共栄圏構想を起草しています。
二五歳になって、死んだ父の世襲で公爵と貴族院議員になります。
西園寺にかわいがられたようですが、六十の西園寺が二十代の学生の近衛にいらつくことが多く、気持ち悪がっていたとされています。
近衛は生まれながらに持つ自分の特権に違和感を持ちはじめ、御貴族様若者特有の”太宰治病”「生まれてすみません」となったようです。
雑誌『日本及日本人』という右翼雑誌に「英米本位の平和主義を廃す」というアングロサクソン陰謀論全開の論を発表します。反米保守の元祖でもあります。
ベルサイユ会議に原田男爵に随員を譲ってもらって西園寺全権といっしょに出かけます。その船中において西園寺は近衛の英米に対する考えを叱責します。
このとき近衛には「やはり英米に媚びるリベラル派はダメだ・・・」という疑念が芽生えたようです。

☆お知らせ
毎週水曜日午後の外来をお休みとさせていただきます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

7月の予定：ダニやノミの予防は早期から初めていただくのが肝心です。フィラリア予防、ノミダニ予防を開始してください。
8月の予定：お盆の予定、8月14日(金)、8月15日(土)お休みをいただきます。