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昭和恐慌とリフレ生存権

2015年07月02日 | 政治経済
昭和恐慌とリフレ生存権      田中秀臣氏の講演録より書き起こし

 日本経済思想の流れを昭和恐慌期の経済思想を基軸にしてその前後を見ていきましょう。
”経済”と言う言葉が今の意味で使われたのは明治になってからです。
それ以前は”経世済民”などの言葉はありました。しかし”経済”と言う言葉に近い意味を使って、考えを深めていった人はけっこういました。
儒学者を中心に日本独特の経済論が江戸時代に中期以降発展していったのです。

 まず江戸時代の経済思想を見てみましょう。農業が生産の中心です。都会で商業や流通が栄えていてもそれは副次的な要素であって、中心はやはり農業です。
欧米で言えば”重農主義”的な考え方です。フランソワ・ケネーの思想に近い物です。貨幣の流通に関しては、これも副次的で米本位制です。
米自体が取引の価値の中心で、貨幣はそれを支えるサブ的な要素でにすぎません。
また、道徳的価値が中心です。つまり”モラル”、”贅沢をしない”、”節制”が中心と考える人たちが多かったのです。これは儒学からの影響が強かったためです。
これには例外は何人かいます。例えば新井白石です。17世紀後半から18世紀前半の人物です。当時の江戸幕府の最大の知識人であり、最大の経済政策者です。
他にそれをやれた人物はいません。江戸幕府も中期を迎えると封建制がしっかりしてきて官僚制度ができあがってきます。官僚の仕事は情報のコントロールです。
白石はあらゆる情報を独占していました。蝦夷地、琉球がどんな状況なのか。海外との取引、朝鮮、支那との関係を全て把握していました。
それを元に日本の進むべき道を彼なりの理屈で構築していったのです。当時、彼のライバルはほとんどいませんでした。唯一、荻生徂徠はお互いに論争をしています。

 白石の主張は単純な”貨幣数量説”です。貨幣を大量供給すれば物価が上がります。逆はデフレを起こします。
どちらかと言えばなるべく貨幣の流通量を減らし、経済を過熱させないようにデフレに持って行くと言うのが彼の主張です。
なぜなら世の中は農業中心経済であり、農村が中心です。経済活動が活発化すると流通、商業が活発化します。それは都市部で起こります。
農村から都市へ魅力が移り人が移動します。すると農業が衰退してしまいます。それを避けたかったのです。
同時に米本位制なので、米の価値を変動させたくないと考えます。固定的価値基準を置きたいのです。貨幣変動を嫌います。
物価安定をデフレで達成しようとしたわけです。

 それに対して徂徠は「人々の取引に対する予想が重要だ」と考えます。
「貨幣の出し入れでインフレデフレをコントロールするのはあまりりにも単純過ぎるではないか。人々の取引に対する姿勢が大切だ」。

 実際には白石の方が出世においては他を圧倒しました。



☆お知らせ
毎週水曜日午後の外来をお休みとさせていただきます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。

7月の予定:ダニやノミの予防は早期から初めていただくのが肝心です。フィラリア予防、ノミダニ予防を開始してください。
7月10日(金)大阪出張のため午後から獣医師不在です。午前中は通常通りです。スタッフは全日常勤しています。可能な営業内容内容はスタッフにお尋ねください。ご迷惑おかけします。
7月11日(土)大阪出張のため全日獣医師不在です。スタッフは全日常勤しています。可能な営業内容はスタッフにお尋ねください。ご迷惑おかけします。







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