デフレからの脱却・・・まずはそこからⅩⅤ

「財政赤字が危険信号である」という人たちに対してエクルズはこう言いました。

『債務が何で悪いんだ。債務の拡大なしに繁栄した時代など無い。
逆に債務の縮小なしにデフレに陥った時代もない。債務は拡大していかないといけない』

『1929-1933年の5年間、政府債務と民間債務は１４％減っているが、国民所得は５０％減少している。
民間債務が減っているのなら政府債務を増やしてトータルの債務を増やさないとデフレになる』

「財政健全化が正しい」という人に対してエクルズは
『予算の不均衡を直す前に経済の不均衡を直せ』
経済の不均衡とはデフレのことです。需要が不足し供給が過剰になることを直さないといけないのです。
『政府は補正的役割を担うべきだ。財政は民間の信用が拡大しているときは緊縮し、民間活動が低下しているときだけ拡大するべき』
「民間が苦しくて身を切っているときに政府も率先して身を切るんだ」ではなくて、逆に
『民間が身を切っているときは政府は拡大しろ。逆にやらないと、一緒になってやっていたらダメでしょ』と言っています。

　フーバーは当時日本で言う所の消費税の増税をやってしまいました。エクルズは消費税減税を唱えています。
当時「財政破綻の恐れがある！」とエクルズを批判する人がたくさんいました。エクルズは反論で
『自国民から借りることで国が貧しくなることはあり得ない』
日本もそうです。日本の国債も9割以上日本人が買っています。税金を上げて国債を償還しても、それが日本人の誰かに戻っていきます。
お金が国内でぐるぐる回っているので破綻することはありません。アメリカも当時そうだったのです。

『我々が貧しくなるとしたら、財政赤字ではなく、遊休の人員資源、生産設備、資金の有効活用に失敗することによっておこる』
人員資源活用に失敗とは失業のことです。生産設備活用失敗とは企業に仕事がないことです。
資金の有効活用失敗とは銀行にお金がジャブジャブで国債しか買う物がないことです。
デフレを放置することで貧しくなるのであって、財政赤字で貧しくなるのではないということです。

また、エクルズは歴史を引用して
『18世紀イギリスがフランスと戦争したとき、イギリスは戦時国債を発行して政府債務は5000万ポンドから8億ポンドに激増した。
当時財政破綻が叫ばれていたが、イギリス史のどこをめくっても国家破綻したと言う記録はない』

「財政出動より金融政策で！」という意見はエクルズの当時でもありましたが、
『それは無理だ・・・』と一蹴しています。
つづく

☆お知らせ
営業日の午後12時～午後４時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
フィラリアの予防を開始しましょう。
ワンちゃんたちの狂犬病ワクチン接種の時期です。できれば6月30日までにお願います。

６月の予定
6月9日（土）学会出席のため獣医師全日不在です。スタッフは常駐しております。詳しくはおたずねください。
6月23日（土）学会出席のため獣医師全日不在です。スタッフは常駐しております。詳しくはおたずねください。