野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

 初冬の野川観察園

2011-12-12 | 植物園

 

 一年の節季も終わりに近づき、今日からは大雪の「熊蟄穴」(くまあなにちっす)。文字通り、熊が冬籠りに入る季節の意。多摩地区ではみぞれの降った次の日、なにかと手持無沙汰で、今年ももうすぐ終わりかと寂しくなってしまい、咲いている野の花は見られないかと野川まで出かけてきた。

 

冬日を集めたように咲いていたツワブキの花

 

 シュウメイギクは咲き残りに一株だけ

 

アキノゲシ

 

狂い咲きのオオイヌフグリやホトケノザを除けば目立つ花はこんなもの。あとは赤い実をつけたのが3つほど。サネカズラの実

 

 これはヒヨドリジョウゴ

 

 ハダカホオズキ

 

 種がはじけた後のウバユリは林の中に点々と寂しげに立ち尽くしている。

 

 それでも今年は暖冬だったせいか、まだ場所によっては楓の紅葉も見られる。

 

 

 

 

 

 

  

 これはコナラの木だろうか

 

 一段と赤いのはハゼの木

 

足元には負けじとオオバギボウシも黄葉している。

 

 透明感のある赤はニシキギの紅葉。この色を見てると何か心が落ち着かない。

 

 これもきれいだったが樹種は不明。

 

 

 なんといっても見事だったのはアカシデの紅葉。こんなにつややかな紅葉だとは御見それした。

 

 

 桜の木は葉が残されているのはほんの一部だけ。

 

 銀杏もあらかた散ってしまった。

 

 これで今年の紅葉はお終いだ。寂しくなるが、葉を落とした枝先には野鳥の姿が見えやすくなって、また別の楽しみの季節がやってくる。巡る季節の楽しみをあと何回味わうことができるのだろうか。

この辺で。

 


磐梯山に登る

2011-10-09 | 探鳥

 

 福島登山ツアーの最後は宝の山磐梯山。30年ほど前の若かりし頃福島には住んだこともあるので、思い入れの深い地ではあるのだがついぞ山には登ったことがなかった。

 磐梯山への登り口は幾つもあるが、今回は日程の都合で一番時間が短くて済む八方台口から登ることにした。朝7時前まだ駐車場には車が一台停められているだけ。支度を整え道路わきの登山口から登り始める。まだ日が昇って間もないので空気はひんやりとして冷たい。

 

 しばらくはミズナラやブナの静かな原生林。熊が出そうで怖いので、手を叩いて音を出しながら登っていく。

 

 緩やかなのぼりを30分ほど行くと中の湯の分岐に差し掛かった。

 

 硫黄の臭いが強くなる。

 

 

 建物は残されているが現在では廃屋となっているようだ。

 

 

 朝露に濡れたリンドウの青紫がきれいだ

 

 

 更に30分ほど登ると旧噴火口越しに檜原湖が望めた

 

 

旧噴火口からは細い煙が昇っている。その向こうに見える沼は銅沼。

 

 オヤマボクチ

 

一時間ほどで弘法清水の分岐

 

 弘法清水小屋、この時期営業していたのには驚いた。左の岩に腰かけているのは小屋の女主人。

 

 ナナカマドが葉を落とし、真っ赤な実を朝日に輝かせている。

 

 

 

 雪渓を見せているのは飯豊連峰

 

分岐からはさらに20分ほどの登りが待っている。

 

 

 スキー場のゲレンデ

 

 

 ほんの少しの間でガスが昇ってきて景色が変わっていく

 

頂上直下のお花畑付近

 

9時ちょっと前、あっという間に頂上だ

 

 付近のガレ場を丁寧に探してみるとウメバチソウとイブキジャコウソウを見つけることができた。

 

 

 

 

 頂の小さな祠

 

 八紘一宇とあった

 

 南側には猪苗代湖が立ち上がるガスに見え隠れしている。

 

 

 つい少し前までくっきりと見えていた二本松の市街があっという間にガスに覆われた。

 

 東側の櫛ヶ峰

 

 左小野川湖の奥には吾妻連峰が広く望める。

 

 猫魔ケ岳の向こうは喜多方の町

 

 もう一度北に目を転じてみると、猪苗代湖奥には那須の峰々までも望めた。

 

 まだ9時を回ったばかりだが、おなかもすいているのでブランチとした。頂に先に来ていた老夫婦も挨拶を交わし20分ほどで下山していった。話を聞くと前夜八方台の駐車場に止めて夜を明し6時過ぎに登り始めたという。

  

 一人ぼっちの頂上で360度の景色を思う存分味わった。

 

沼の平

 

猪苗代湖畔の田んぼ

 

 飯豊連峰に登ったのは10年以上も前になる。

 

 

 中央の小さな突起は初日に登った安達太良山の頂

 

 一時間近く頂上で眺め呆けているうちに人の声がしてきた。4人組の登山客が登ってきた所をいい切りにしてやっと下山する決心がついた。

 

 少し下って小屋の女主人に「今年は紅葉が遅れている」とか「原発騒ぎで登山客はほんとに少ない」とかいろいろと話を聞いた。そのあと水をペットボトルに詰めてからお花畑を周回し下山した。

 

 

 

 振り返った磐梯山の頂は僅かだが色を変え始めていた。

 

 ナナカマドが宝石のように輝いていた。

 

 登山口に戻ったのは11時を回ったばかり。すでに駐車場は数十台の車で埋まっていた。

この辺で。

 

 

 

 

 

 


野川観察園

2011-08-31 | 探鳥

 秋の気配の漂い始めた野川公園。9月の末日、流れの細くなった川では、

お父さんたちが一生懸命子供たちと何やら探している。

 

さっそく野川観察園に入った。ツルボが咲き始めている。

 

 

イヌホオズキ

 

 ヒヨドリジョウゴ

 

 丈高い夏草の葉陰ではキツリフネが咲き始めていた。

 

これはヤマホトトギス。よく似たヤマジノホトトギス(そういえば名前もわずか2字違い)は

花被片が反り返らない。

 

カリガネソウ

 

 今回のお目当てはススキの根元に咲くナンバンギセル、一年生の寄生植物で宿主は

ススキ、ミョウガ、サトウキビなどに限られる。万葉集の思い草とはこの花のこと。

 

 きれいに咲いた株はこれだけ、まだまだこれからのようだ。

 

 ガガイモは毛むくじゃらの花だが可愛らしい。

 

 ジュズダマ

 

 サネカズラの花も見つけた。別名ビナンカズラ。

 

 

 メハジキはやや終りかけ

 

 かわって園内の林下ではヤブラン、キツネノカミソリ、フジカンゾウ、キツネノマゴなどが咲き誇っている

 

 フジカンゾウ

 

 キツネノマゴ

 

 これは白花

 

 ハギとツリガネニンジン

 

 

 虫も少しだけ

ヤブランにしがみついたセミの抜け殻

 

 ハグロトンボ

 

 今のところ正体のわからない幼虫、無理に推測すると脱皮を終えたばかりのキアゲハか

 

 

 こちらのほうはジャコウアゲハの終齢幼虫の似ているが……。

 

 キリギリス?

 

 クジャクチョウの雌

 

 暑さが去ったと思ったら、もうすっかり秋の花たちが主役だ。季節は思ったよりダイナミックに

移り変わっていく。 ミゾソバ

 

 ゲンノショウコ

 

 園内を流れる用水の辺に咲く、シュウカイドウ

 

 

小さなミズヒキの花。何回も試したのだが、紅白に分けられた花の様子がうまく撮れない。

 

 おしまいに珍しい花を二つばかり。コバノカモメヅル

 

 タコノアシ

 

 季節の変わり目ご自愛を。この辺で。

 

 

 

 


7月の花

2011-07-06 | 探鳥

 植物園で見かけた7月の花を。

 グロリオサ・ピンクバード。ユリ科の園芸種

 

 花が開くとこんな感じ

 

 黄色で八重咲きのタチアオイは見たことがなかった。

 

 ムラサキゴヤシ

 

 ツノゲシ

 

 シナノキ科のウオトリギ。中国では生け垣などに使われているという、初めて見たが大きな葉っぱに小さな花、黄色の蕊が随分と特徴的な花だ。

 

 

 ムクロジの花も初見

 

 アオイ科のイチビ、この花は寿命が短く咲いたその日の午後にはもう枯れてしまうのだという。インド原産の一年草で、茎から繊維をとるために日本に渡来したもの。 

 

 

 カラマツソウ

 

 憎らしいほどの繁殖力だが、花は良く見ると可愛いヨウシュヤマゴボウ。根は牛蒡と違って食べられず有毒。

 

 ヤマアジサイ

 

 色づき始めたマムシグサの仲間(立て札にはミミガタテンナンショウとあった。)

 

 温室で見かけたカカオの花

 

 日を変えて野川観察園を訪ねた。

  入口すぐ脇で咲き始めていたガガイモの花。

 

 以前は区別がつかなかったヤブカンゾウとノカンゾウ

 ヤブカンゾウは八重咲きと覚えることにした。

 

 こちらはノカンゾウ。 

 どちらも虫がたくさんつくので、咲き始めしか綺麗に撮ることが出来ない。

 

 とても小さな花だ、キヌタソウという。アカネ科の花で、4弁の花びらで葉も4枚輪生する。

 

 この時期、低山の小沢沿いでよく見かけるムラサキシキブ。

 

 オカトラノオ

 

 夏至の第三候半夏生の頃咲くのでこの名がついたという説と白化した葉が半分化粧したように見えるからという説がある。

 

 ギボウシ

 

 野川の佇まいもすっかり夏の装いだ。もうすぐ水にはしゃぐ子供たちの声が聞こえるようになるだろう。

 

  この辺で。

 


野川枝垂れ桜

2011-04-17 | 探鳥
 野川は武蔵野のハケの道を流れ、やがては多摩川へと合流する。雨の降らない夏期には流れが途絶えることもある、細い流れの川だ。その一部は護岸工事がされてはいるものの、今なお往時の風情を色濃く残し、川べりの自然が残されている数少ない貴重な場所だ。


 ソメイヨシノが散り始めるころ、この川沿いに枝垂れ桜が咲き始める。






 並木道に沿った遊歩道と川のすぐわきを歩く小径とがある。













 子供を抱いた若い夫婦や、何やら静かにささやきながら歩くカップル、花には目もくれず走り去っていくランナー、日傘をさし敷物を広げて談笑している人たち。その殆どが近所に住む人たち、幸いなことにこんな素晴らしい風景なのに他所からの観光客は殆どいない。









 日当たりの関係か下流に向かって右岸の方が早く咲き、左岸の方が二三日遅れる。



 







 人々は静かにゆっくりと春を味わいながら、桜の下を歩く。




 ここには都会の喧騒は届かない