野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

古代蓮の里

2011-07-12 | 植物園

 

 梅雨が明けたかと思ったら、一気に本格的な夏になってしまった。上り始めたばかりの日差しがじりじりと肌を焼きつけるようで痛い。

 ハス園に着いたのは8時半ごろ、途中の混雑で思ったより遅くなってしまった。駐車場は既に満杯状態で、やっとのことで空きを見つけ車を止めた。

 

 雲ひとつない天気。この日(7月10日)の開花状態は見頃ピークということだったが、ざっと見た所ではまだ7,8分咲きといった所。何時もながら行楽地の主催者発表は信用できない。実際は今週の中頃が最盛期になりそうだ。

 

 

 大きな、桃の花のようだ。何か美味そう。

 

 下から覗いていると、花びら越しの日差しが柔らかく顔に懸かり眩しい。

 

 

 兎の耳のように二枚だけ花弁を残した株

 

 開いたばかりの蕾を覗くと、頭がくらつくほどの強烈な香りが立ち上って来る。蕾の中ではたくさんの蕊が行儀よく並んで出番を待っていた。

 

 

 用水路を渡った先はアサザや、オニバス、ミズカンナ等が咲き、ちょっとした水生植物園となっている。こちらの方の古代蓮は開花が進んでいた。

 

 

 

 

 

 

 手前の古代蓮池の方は中央部が養生中。

 

 

 世界の蓮園の方では早咲きの種は散ってしまっているが、中咲き種などはちょうど見ごろだった。

 

 

 

 

 

 

 黄蓮は開花初め

 

 

 ミズカンナ

 

 蓮池の中の生き物たち。チョウトンボ、尻をあげているのは日差しを防ぐためだというのだが……。

 

 

 

 シュレーゲルアオガエル

 

 こちらはウシガエルなのか、よくわからない。

 

 まだ尻尾が残っている。 

 

 緑色の目をした虻

 

 ひらひらと優雅に飛んでいたミスジチョウ

 

 ショウジョウトンボ

 

 ゆっくり見て廻ってもまだ11時前、この後は近くのさきたま古墳公園に寄ってから帰った。

この辺で。

 

 

 

 

 

 

 


雁ヶ腹摺山からシオジの森へ

2011-07-09 | 登山

 久しぶりにすっきりと晴れた日、大月から真木小金沢林道を分け入って、大峠に車を止めた。先行車は一台だけ、大峠から先ふかしろ湖方面は2年前と同じように通行禁止になっていた。

 

右脇の階段から登っていく。

 

 歩き始めてすぐの覗水で水を補充

 

 コアジサイが咲き始めていた

 

 

 40分ほどの登りで開けた場所に出た。晴れて入るが思ったより雲が多い。

 

 途中女性3人のパーティーを抜いて更に20分、頂上下の草原にあっけなく着いた。

 

 草原には思ったより花が咲いていない。タカネニガナの黄花と白花

 

 

 ヤマオダマキも数えるほどしか見つけられなかった。

 

 キンポウゲ

 

 ウスバスミレだろうか

 

 シロバナノヘビイチゴ

 

 夏の花はこれからといった所。なのでチョウもあまり見えない。ミドリヒョウモン

  後はシロチョウとセセリチョウの仲間だけ。

 

 頂上には人は見えない。

 

 ここからの富士は山梨冨嶽百景の第一番目を飾る眺めなのだが、30分ほど粘っても雲は晴れなかった。

 

  ここから先は途切れがちな山道を注意深く北上していった。人に踏まれていない山道は怖い。時折テープが結んであるものの、何度か道を外しそうになった。林床に咲く花は少なく、タニギキョウとギンリョウソウが目についただけ。

 

 

 約50分で大樺ノ頭

 

 鹿が慌てて逃げて行った。木にところどころひっかき傷があるのは熊によるものだろうか。

 

 

 30分ほど下ってシオジの森の周回道路に入った。

 

 

 シオジはモクセイ科の樹木で、直径1m樹高30mまで成長し、硬質で弾力性に富むため装飾材や家具などに使われるという。

 

 

 

 一周道路は1時間と少しで回れるようになっているが、林道通行禁止の影響で道は荒れかかっていた。勿論歩いているときは一人として出会うことはなかった。

 

 ここから大峠までは林道歩きだが、車は来ないのでのびのび歩けた。尤も一回だけだが電力会社の巡回車とすれ違った。距離は思ったより長く、花を観察しながらだが2時間近くもかかってしまった。

 ミヤママタタビの花

 

 ウツギ

 

 花を終え、長い実をぶら下げたオオアサガラ

 

 道の両脇で一番目だったのはもうすぐ花を咲かせそうだったヒヨドリバナ

 

 開花を待ち切れずアサギマダラが飛んでいた。

 

 

 崖の上に並んで咲いていたトンボソウ

 

 ノコギリソウ

 

 これはヤマホロシだろうか

 

 ヤグルマソウも咲いていた。

 

 長いだらだらした林道だったが、道の脇に咲いている花が多く、ハルゼミの鳴き声や時折鹿の遠吠えを聞いて、少しも飽きることはなかった。

 

トリアシショウマ

 

 ヤマブドウの花

 

 ノリウツギ

 

大峠に戻った時は午後3時を回っていた。5時間を越える山歩きだったが、充分自然に楽しませてもらった、感謝。

 


7月の花

2011-07-06 | 探鳥

 植物園で見かけた7月の花を。

 グロリオサ・ピンクバード。ユリ科の園芸種

 

 花が開くとこんな感じ

 

 黄色で八重咲きのタチアオイは見たことがなかった。

 

 ムラサキゴヤシ

 

 ツノゲシ

 

 シナノキ科のウオトリギ。中国では生け垣などに使われているという、初めて見たが大きな葉っぱに小さな花、黄色の蕊が随分と特徴的な花だ。

 

 

 ムクロジの花も初見

 

 アオイ科のイチビ、この花は寿命が短く咲いたその日の午後にはもう枯れてしまうのだという。インド原産の一年草で、茎から繊維をとるために日本に渡来したもの。 

 

 

 カラマツソウ

 

 憎らしいほどの繁殖力だが、花は良く見ると可愛いヨウシュヤマゴボウ。根は牛蒡と違って食べられず有毒。

 

 ヤマアジサイ

 

 色づき始めたマムシグサの仲間(立て札にはミミガタテンナンショウとあった。)

 

 温室で見かけたカカオの花

 

 日を変えて野川観察園を訪ねた。

  入口すぐ脇で咲き始めていたガガイモの花。

 

 以前は区別がつかなかったヤブカンゾウとノカンゾウ

 ヤブカンゾウは八重咲きと覚えることにした。

 

 こちらはノカンゾウ。 

 どちらも虫がたくさんつくので、咲き始めしか綺麗に撮ることが出来ない。

 

 とても小さな花だ、キヌタソウという。アカネ科の花で、4弁の花びらで葉も4枚輪生する。

 

 この時期、低山の小沢沿いでよく見かけるムラサキシキブ。

 

 オカトラノオ

 

 夏至の第三候半夏生の頃咲くのでこの名がついたという説と白化した葉が半分化粧したように見えるからという説がある。

 

 ギボウシ

 

 野川の佇まいもすっかり夏の装いだ。もうすぐ水にはしゃぐ子供たちの声が聞こえるようになるだろう。

 

  この辺で。

 


八ヶ岳の花

2011-07-03 | 登山

 

 <前回からの続き>

 サラサドウダン

 

 レンゲツツジは桜平付近で僅かしか見られなかった

 

 林道途中で見かけたクリンソウ

 

 マイヅルソウ

 

 ハリブキやミヤマカラマツはまだ蕾

 

 

2000m付近でたくさん見られたシロバナノヘビイチゴ

 

 ズダヤクシュ

 

 キバナノコマノツメもたくさん咲いていた

 

 

 

 コミヤマカタバミ

 

 

 嬉しかったのは久々のイチヨウランとのご対面

 

 

 

 

 もう一つ嬉しかったのはオサバグサ、この花も5年前奥秩父で見て以来久しぶりだった。

 

 

 

 

 標高が上がるにつれてイワカガミが多くなってきた。

 

 

 

そしてミツバオウレン

 

 

 イワカガミとミツバオウレンの異種愛

 

 コバイケイソウは花はこれから

 

 ウスバスミレ

 

 リンネソウもまだ蕾

 

 タケシマラン

 

 森林限界を抜けたところで、 ヤマハンノキの花穂だろうか

 

 苔の花

 

 お終いはガレ場の岩壁にへばりつくように咲いていたイワウメ

 

 

 ここで引き返さざるを得なかったのは、返す返すも残念。未見のツクモグサやチョウノスケソウ等に出会えるのは来年以降となる。うーん、やはり悔しい。

 

 

 

 

 


硫黄岳引き返す

2011-07-02 | 登山

 梅雨の時期でしか見られない八ヶ岳の高山植物に会いたくて、桜平からの硫黄岳までの日帰りピストン登山を試みた。自宅を出たのは早朝5時少し前、高速を使って諏訪南ICを下りて、桜平には7時半に着くことが出来た。

 ゲート前には既に3台の車が止められていた。尤も更に100mほど奥にはもう少し大きな駐車場があるので、そちらは分からない。

 

 コナシ

 

 鹿の親子が慌てて繁みに逃げ込んだ。レンゲツツジに隠れて親鹿がこちらを窺っている。

 

 暫く歩くとオオルリの囀りが聞こえてきた。

 

30分で夏沢鉱泉小屋、ずいぶん立派な小屋だ。ここまで一般車を除いた車は入れるようだ。

 

 ここを過ぎると辺りに深山幽谷の趣が漂い始める。苔とサルオガセが雰囲気を出している。

 

 

 小沢にひっそりと佇むオーレン小屋の水力発電棟

 

 小雨がぱらつきだしたので雨具に着替えた。水量を増した渓川が美しい。

 

 

 ガスがずいぶん濃くなってきた。前方にアーチのように折れ曲がっている木が見えてきた。これをくぐった先に小屋が見えてきた。

 

 オーレン小屋、壁に女性従業員募集と書いた紙が数か所貼ってあった。尤も下山時に小屋の主人らしき人がキャタピラ付きの運搬車で登ってきたのに出くわしたが、その後ろに荷物を背負った女性がいたので、、目出度くももう募集はしてないのかもしれない。

  

 キャンプ場、この先は赤岩の頭。

 

 

 無情にもガスは濃くなるばかり。 

 

 オーレン小屋からはわずか20分ほどの登りで夏沢峠に着いた。

 

 

 

 

 ここを抜けたら森林限界。その先は風を遮る物のないガレ場。

 

 ガスがいよいよ濃くなってきた。夏沢峠から30分ほど登って稜線に出た瞬間、強風で持って行かれそうになった。少し引き返して、岩陰で小半時、風の収まるのを待った。が一向に収まる気配はない、ッ悔しいが引き返すことに決めた。夏沢峠に戻ったのは10時ごろ、まだ時間に余裕があるので天狗岳の方に行くことにした。

 

30分ほどの緩やかな登りで根石山荘、ここも強風と濃いガスの中だった。

 

 コマクサが咲くのはもう少し先

 

 

 遭難してもしょうがないので、ここで諦めて下山。オーレン小屋まではゆっくりと花を撮りながら下りていった。

 

 桜平まで戻ったのは12時を回ったばかり、見上げると山はまだ深いガスに包まれていた。

 山登りに来て登頂を断念したのは、10年ぶり位になるだろうか。無念さは勿論あるが、頂上に到達出来なかったことより、稜線に咲く花に出会えなかった方の悔しさが強い。まぁ来年以降に楽しみが残ったと前向きに考えることにしよう。

 

 

  帰り道、林道でアナグマらしき兄弟が戯れていたが、車が近づいて行くと一目散で逃げて行った。

 

 天岩戸とあった奇景

 

 撮れた花は次回に、この辺で。