カワラノギク
季節は廻って、節季は「楓蔦黄(ふうかつきなり)」にかわった。楓や蔦が黄金色に装う季節の意味のようだが、今年はまだまだ緑の色が濃い。それでも野の花は少しづつ姿を消していくようで、季節の移り変わりとわかってはいるものの、やはり寂しい。
昼下がり、羽村駅から歩いて10分ほど、玉川上水に架かる橋を渡ると、羽村の桜並木が見えてきた。
寂しくなった花の代わりに空を見上げ暫く雲を見ている。
羽村堰
右の桜の木の下には玉川兄弟の碑がある
多摩川にかかる歩道橋を渡って対岸まで足を延ばした。こちら側は広く河原が残されていて、釣りや子供の川遊びの場になっている。
ここに来た目的は絶滅危惧種に指定されているカワラノギクを見たかったから。前に来たのは5年も前になるからずいぶん久しぶりだ。早速保護地に行ってみる。
5年前に来た時に比べて株の数が減っていたのが何とも気がかり。
しばらく河原に座って、川面を渡る風に当たる。日も傾きはじめ風が少し出てきたのか、雲が見る見るうちに生まれては消えていく。
水たまりに映った雲
対岸が傾きかけた秋日に染まり始めた
川面が鏡面のように輝いていく
ずっと見呆けていたら、羽村丘陵の方から二つの点がやってきた。
どうやらパラグライダーにエンジンをつけたもののようで、後で知ったのだがモーターパラグライダーと呼ぶようだ。
ゆっくり時間をかけて頭上を通り過ぎて行った
もう一機
水面に映したかったが失敗
風が熱を失い、光も淡く、闇が河原から湧きはじめてきたようだ
そろそろ家路につく時間になったようだ
この辺で。