(サーカスの生活から抜け出してタイヤ遊びを楽しむライオン(ADI))
※ 確かに嬉しそうな表情をしている。
(子猫に戻ったように遊ぶ姿に、保護施設のスタッフも涙ぐむ(ADI) )
(十分な栄養を与えられていなかったライオンたちは歯の健康状態も良くない。獣医チームが健康チェックを行い、治療を進める(ADI) )
① ""サーカスから救い出されたライオン「生まれて初めて草原を歩く!」""
(動画)
2018年08月25日 11時36分
② 中米グアテマラで10年近くもの長い間、サーカス小屋の狭い檻に閉じ込められ、虐待されてきたライオンとトラ14頭が救出された。アフリカの自然に還すための手続きを待つなか、先月には5頭のライオンが生まれて初めて芝生の上を歩き、遊ぶようすが見られた!
国際的な動物保護組織『アニマル・ディフェンダーズ・インターナショナル(ADI)』は今年5月、グアテマラの2つのサーカス団が劣悪な環境で動物を虐待しているのは違法だとして、動物たちの引き渡しを求める裁判を起こした。
同国環境省の野生生物保護局は違法性を認めて、最も深刻な状態だったライオン5頭とトラ9頭を一時的にADIの保護施設に預けることを決定。
ADIによると、「ナヴァロ・サーカス団(Circo Navarro)」が所有していた「サーシャ」「ネーナ」「キンバ」の3頭のライオンは、同じ親から生まれた可能性が高く、調教のためにすべてのつま先を切断されていたばかりか、ムチを受けながら芸を見せる時間以外は、狭苦しく不衛生な檻の中に閉じ込められて、十分なエサも与えられていなかったという。
別のサーカス団から引き取った「ターザン」や「タニア」の2頭が過ごしてきた環境も同じくらい劣悪だったが、5頭は現在、グアテマラ国内の保護施設で、以前よりはずっと広々としたケージの中で飼育されており、獣医の健康管理を受けながら、南アフリカの野生動物保護区域に還す法律的な手続きを進めている。
こうしたなか、先月下旬には5頭が初めてケージ外に出て、生まれて初めて芝生の上を歩く経験を味わった。サーカス小屋で生まれ育ったサーシャは、これまで土の上を歩いたことはなかったが、最初の一歩を踏み出した途端に、喜び勇んで走り回り、タイヤのおもちゃを発見してガブガブとかじり始めた。
それを見たオスのキンバも、見るものすべてにじゃれつき、干し草のロールに飛びついたり、天上から吊られたタイヤにブランコのようにぶら下がったり、実に嬉しそうだったという。
保護施設の責任者ティム・フィリップス氏は「ライオンたちが生き生きと遊ぶ姿を見ると、サーカスでどんなに残酷な扱いを受けてきたか想像できて、ひどく胸が痛みます。でも、一番臆病な性格のターザンがタイヤで遊んでいるのを見ると、幼い子供時代が戻ってきたようで、とても嬉しかったです」と涙ぐむ。
グアテマラでは昨年、サーカスで野生動物を使用することを禁じる法律が制定され、今年4月に公布された。ADIでは、ライオンと一緒に保護したトラの帰還に加えて、グアテマラ国内で違法に飼育されているトラ18頭、ピューマ2頭のほか、クモザルやラクダ、ヤマアラシなどの野生動物についても救出する計画を進めている。(下の動画は同時に救出されたトラ)