こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。
今回は、平成30年度東大大学院工学系研究科入試問題のつづきです。
問題は、
「n人の子供が一列に並んでいる。あなたはm個のアメ玉を持っており、列の1番目の子供から順に1個か2個を配布していく。列の最後までアメ玉を配り終えるか、アメ玉が無くなった時点で配布を終了する。このとき、以下の問いに答えよ。ただし、n、mは正の整数とする。
Ⅰ.n=m=4のとき、アメ玉の配り方は何通りあるか。
Ⅱ.m≧2nのとき、アメ玉の配り方は何通りあるか。
Ⅲ.n≧mのとき、m個のアメ玉の配り方の場合の数を Xm とする。 Xm が満たす漸化式を求めよ。
Ⅳ.問Ⅲの漸化式から Xm を求めよ。
Ⅴ.アメ玉の数よりも子供の人数の方が多い状況を考える。全ての配り方のうち、最後にアメ玉を2個配って終了する配り方の割合をP(m)とする。このとき、mを大きくしていくとP(m)はある値に収束する。その値を求めよ。
Ⅵ.m≧2nの状況を考える。アメ玉の配布において、次のルールを加える。列の1番目の子供は、確率1/2で1個のアメ玉、確率1/2で2個のアメ玉をもらう。もし、ある子供が1個のアメ玉をもらった場合、その次の子供は確率1/2で1個のアメ玉、確率1/2で2個のアメ玉をもらう。もし、ある子供が2個のアメ玉をもらった場合、その次の子供は確率3/4で1個のアメ玉、確率1/4で2個のアメ玉をもらう。列のn番目の子供が2個のアメ玉をもらう確率を求めよ。」
です。
今回はⅤです。
アメ玉の数よりも子供の人数のほうが多い(n>m)状況なので、Ⅳで求めた漸化式
が成り立ち、すると、m個のアメ玉の配り方は Xm (通り)、最後にアメ玉を2個配って終了する配り方は Xm-2 (通り)になることから
です。
ここで計算を簡単にするため、
とし、(4)から Xm 、Xm-2 を求めると、
です。
これらを(5)に代入・整理すると、
です。
このとき(6)と(7)から
なので、m→∞のとき、
です。
さらに、(6)から
なので、m→∞のとき、
になります。
したがって、mを大きくしていったときにP(m)が収束する値は、
で、これが答えです。
次回は最後のⅥです。
今回は、平成30年度東大大学院工学系研究科入試問題のつづきです。
問題は、
「n人の子供が一列に並んでいる。あなたはm個のアメ玉を持っており、列の1番目の子供から順に1個か2個を配布していく。列の最後までアメ玉を配り終えるか、アメ玉が無くなった時点で配布を終了する。このとき、以下の問いに答えよ。ただし、n、mは正の整数とする。
Ⅰ.n=m=4のとき、アメ玉の配り方は何通りあるか。
Ⅱ.m≧2nのとき、アメ玉の配り方は何通りあるか。
Ⅲ.n≧mのとき、m個のアメ玉の配り方の場合の数を Xm とする。 Xm が満たす漸化式を求めよ。
Ⅳ.問Ⅲの漸化式から Xm を求めよ。
Ⅴ.アメ玉の数よりも子供の人数の方が多い状況を考える。全ての配り方のうち、最後にアメ玉を2個配って終了する配り方の割合をP(m)とする。このとき、mを大きくしていくとP(m)はある値に収束する。その値を求めよ。
Ⅵ.m≧2nの状況を考える。アメ玉の配布において、次のルールを加える。列の1番目の子供は、確率1/2で1個のアメ玉、確率1/2で2個のアメ玉をもらう。もし、ある子供が1個のアメ玉をもらった場合、その次の子供は確率1/2で1個のアメ玉、確率1/2で2個のアメ玉をもらう。もし、ある子供が2個のアメ玉をもらった場合、その次の子供は確率3/4で1個のアメ玉、確率1/4で2個のアメ玉をもらう。列のn番目の子供が2個のアメ玉をもらう確率を求めよ。」
です。
今回はⅤです。
アメ玉の数よりも子供の人数のほうが多い(n>m)状況なので、Ⅳで求めた漸化式
が成り立ち、すると、m個のアメ玉の配り方は Xm (通り)、最後にアメ玉を2個配って終了する配り方は Xm-2 (通り)になることから
です。
ここで計算を簡単にするため、
とし、(4)から Xm 、Xm-2 を求めると、
です。
これらを(5)に代入・整理すると、
です。
このとき(6)と(7)から
なので、m→∞のとき、
です。
さらに、(6)から
なので、m→∞のとき、
になります。
したがって、mを大きくしていったときにP(m)が収束する値は、
で、これが答えです。
次回は最後のⅥです。