「五首選会参加(見本を兼ねて)」
自選
ですます じゃない五首
023:必
「必ず」の書き順ひとつ知らないで生きてこられたあなたとならば
043:輝
後出しが座右の銘の人生に今日もしずかな冬の輝跡を
059:貝
砂浜にからす貝がら敷きつめて夏が夕日になるまで待てば
071:籠
たとえば夏のわたしが好きなのは籠で魚を飼っている人
089:喪
てのひらで背すじをすっとなであげて赤い喪服をまとう子どもが
今年のテーマは「ですます」調。丁寧語で短歌を作ってみよう、という試みでした。
が。
見直してみると、四分の一以上が、丁寧じゃありませんでした。
でもですね、よく読むと「ですます」の匂いが、どの歌にも漂って……こないか。
なので、(開き直って)丁寧語でない歌の中から、五首選んでみました。
相変わらず、意味の取れない歌が並んでいます。
これらを作ったとき、自分は何を考えていたのだろう―――?