生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

欲望

2019-07-17 03:58:44 | 日々の暮らし

今日は欲望についてお話したいと思います。 昔、ある国王が農民に、『太陽が出ている間に走り回った土地を、その者に与える』というおフレを出しました。 一人の農民が早速志願して、太陽が地平線に顔をだしたのを合図に走り出しました。 死に物狂いで走りました。ようやく出発点に帰って来ました。 同時にバッタリ倒れ帰らぬ人になってしまった。 国王は家来たちに命じて、その農夫を穴を掘って埋めさせ、つぶやきました。 『この者には、あんな広大な土地はいらなかったのだ。 自分の体を埋める土地さえあればよかったのに』と。 同じような諺に 『起きて半畳、寝て一畳天下取っても二合半』 があります。 人は起きて半畳、寝て一畳の広さがあれば充分。 出世して天下取った人間でも、一食に二合半食べるのが限度である。 必要以上に富貴を望むべきではないという教えです。 また、 『降魔成道(ごうまいじょうどう)』という 言葉があります。 お釈迦様が一本の菩提樹の下で座禅を組、悪魔又は天魔(天界に棲む悪魔のことをマーラと呼ぶ)を降伏させ、 悟りを得られたという意味です。 私達は嬉しい時、楽しい時「天にものぼる心地」といいます。 欲望と煩悩(ぼんのう)の最高天に天魔が棲んでいるといいます。 天魔は、のほほんと生きている人間を相手にしない。 仏道の精進を続ける時に天魔があらわれ、 あらゆる欲望をささやきかけるという。 そして、人間は迷う。 しかし、天魔のささやきは努力している証だから、むしろ凡人の身としては歓迎すべきなのかもしれない。 僕は農夫のように走り回るのではないか、欲望にホイホイついて行くまだまだ未熟者です。精進しなくては。        合掌

コメント
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