傾聴ボランティアである女性のお年寄りのお部屋に行きました。 タンスの上に金色の豪華な置時計がありました。 聞くと、定年まで働いたご褒美で戴いたとのこと。 貧しい家庭に生まれ幼い頃から働きに出された。 給料日を楽しみにしていたら、さっきお父さんが来て持って行ったよ。 お父さんは働かないで毎日酒浸り、パチンコばかりしている。 給料全部使ってしまったという。 兄弟にもバカ者扱いで意地悪ばかりされた。 親が違うのかと母親に泣いて聞いたが何も答えなかった。 耐えきれなくなって家出した。 東京で働き汗と涙の私の記念品さ。 私は涙がにじんで来ました。 「悲しむ人は幸せ」 (聖書マタイ5.4) という言葉を話しました。 悲しめば幸せになれるということではありません。 悲しむこと自体が幸せな訳でもありません。 人は希望を見失う時に悲しむものです。 そんな時に希望を与えるイエスの言葉です。 闇に光が灯され明るくなるように悲しみの心にも喜びを見いだし生きる力を与えられますと言う言葉です。 あなたは希望を見つけて生きたから、幸せの人生を送られたのです。 この時計はいつまでも動き続けてあなたを見守っていることでしょう。 本当に辛い人生を頑張って生きましたね。 と言って手を握りお別れしました。 合掌
1615年前の菟原処女(うないおとめ)の伝説て知ってますか。 摂津の国(兵庫県芦屋)に住んでいた女性で、子供のころから成人するまでずっと家にこもったままでいたので、そのゆかしさにひかれて彼女に会いたいという男が多く現れた。 中でも、血沼壮士(ちぬおとこ)と菟原壮士(うないおとこ)との競い合いは激しかった。 彼女はとても悩み、誰とも結ばれるわけにはいかないと言って、死んで結ばれることを願いながら生田川に入水した。 その夜、血沼壮士の夢に彼女が現れ、そのことを告げると、血沼壮士も跡を追って死んでしまった。 遅れをとった菟原壮士も負けられないとじさつをしてしまった。 彼女の親族の者たちは愛する者と結ばれようとして死を選んだ悲劇を語り継ぐために、彼女の墓をつくり、その両側に二人の墓をつくったという。 約400年頃の話です。 その三つの古墳が見つかり万葉集(744年)に大伴家持がその伝説を詠んだ歌があります。 また、森鴎外の「生田川」はこれを題材にしています。 ロミオとジュリエットの話が1562年ですから それより、1162年も前に誕生した伝説です。 日本の話しの方が古く、悲しい気がします。 日本の歴史ていいなあと思いました。 前世は万葉の時代に生きていたような親しみを感じています。 合掌