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生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

宝石言葉

2025-08-17 03:45:16 | 日々の暮らし
「日野原重明氏の医者としての原点」

【16歳の少女の命】
医師としての原点を語る時、もう一つ外せないのが、医局に入ったばかりの頃、最初に担当した
結核性腹膜炎の16歳の少女です。
彼女には父親がおらず、
母親が女工として働いていました。
家が貧しくて彼女自身も中学に行かず働いていたのですが、ある時、結核を患って入院してきたんです。
その病室は8人部屋で、日曜になると皆の家族や友人が差し入れを持って見舞いにくる。
でも彼女を訪ねてくる人は
ほとんどいない。
母親は日曜も工場で働いていたから、見舞いにもなかなか来られなかったんです。
私は日曜になると
教会の朝の礼拝に出席するため、 同僚に彼女のことを頼んでいました。
ところがある時、その同僚から「日野原先生は、
日曜日はいつも病院に来られないから寂しい」と
彼女が言っていたと聞かされましてね。
以来私は朝教会に行く前に、病室へ顔を出し、それから礼拝に出るようにしたんです。
これはその後の私の医師としての習慣にもなりました。
(都倉)
彼女も喜ばれたでしょうね。
(日野原)
ところが当時は結核の治療法がなかったために、どんどん容態が悪くなっていってね。
非常に心配していたんですが、
ある朝様子を見に行くと、
「先生、私は死ぬような気がします……」と言うんです。
私は「午後にはお母さんが来られる予定だから、頑張りなさい」と言いました。
すると彼女はしばらく目を閉じて、また目を開いて言葉を続けました。
「お母さんはもう間に合わないと思いますから……、
私がどんなにお母さんに
感謝していたかを、日野原先生の口から伝えてください」。
そうして手を合わせた彼女に、 私は
「バカなことを言うんじゃない。
死ぬなんて考えないで!
もうすぐお母さんが見えるから、しっかりしなさい」
と言って、その言葉を否定したんです。
ところが見る見るうちに
顔が真っ青になっていったので、私は看護師を呼んで
「強心剤を打って延命しよう」と言い、弱っている彼女に強心剤をジャンジャン打った。
そして「頑張れっ、頑張れっ!」と大声で叫び続けた。
彼女はまもなく茶褐色(かっしょく)の胆汁を吐いて、2つ3つ大きく息をしてから無呼吸になりました。
私は大急ぎで彼女の痩せた胸の上に聴診器を当てましたが、もう2度とその心音を捉えることはできませんでした。
私は彼女の死体を前にして、どうしてあの時
「安心して成仏しなさい。
お母さんには、私があなたの気持ちをちゃんと伝えてあげるから」と言ってあげられなかったのだろう。
強心剤を注射する代わりに、どうしてもっと彼女の手を握っていて あげなかったのか、と悔やまれてなりませんでした。
私は静かに死んでいこうとする彼女に、最後の最後まで鞭を打ってしまったわけです。
(都倉)
……。
(日野原)
この時に、医師というのは
ただ患者さんの命を助けるのじゃない。
死にゆく人たちの心を支え、死を受け入れるための
援助をしなければならないのだと思いました。
「我が命、燃焼す」
    ( 日野原重明)
※しあわせになるレシピより。
私は兄弟やたくさんの知人を見送りました。
お別れの時期は分かるものです。
出会えた事に感謝し、ありがとうの言葉を掛けています。
うなずき目を閉じます。
手を握ってあげましょう。
安心するものです。
最後に掛ける言葉は一番の宝石です。
「良く頑張って生きましたね。
ご褒美の宝石言葉です。」
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見つめる愛

2025-08-12 04:35:03 | 日々の暮らし
「愛とはその人を見つめること。」
       (私)

夫婦愛、親子愛、恋人愛、友人愛、すべてその人に寄り添うことができる人、それが愛だと思う。

愛とは見つめる事なんだ。
無茶苦茶な私をあなたをずっと見守ってくれている人。
そのことに気づき感謝しましょう。
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老年よ大志を抱け!

2025-08-11 19:10:59 | 日々の暮らし
「少年は老いやすく
老年は少年になりやすい。」
     (私)
少年は成長すると、大志を失ってしまう。
老年は逆に、少年の志を懐かしくそれに生きようとする。
老年よ大志を抱け!
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傾命

2025-08-10 04:12:21 | 日々の暮らし
「傾命(けいめい)」とは年老いて残り少ない命のこと。
「傾命をわづかに継(つな)げらく耳(のみ)」
( 万葉集・大伴旅人)

年老いて残り少ない命をようやく生き永らえているばかりだ。

不幸が重なり悪い知らせが重なってくる。
心が崩れるような辛い思いを長くして、ここ太宰府で独り腸が切れるような苦しみの涙を流している。
ただお二人の大なる助けによって傾いた寿命をわずかに継(つな)ぐばかりだ。
このように永く生きるとたくさんの心が折れるような知らせを聞くことになるもの。
そこで残りの命をつなげる力になることがいかに大事なことと知るものです。
たくさんの言葉の力で、私も皆様も生きる勇気を与えられますように。
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猛暑はひと休み

2025-08-08 10:37:33 | 日々の暮らし
「道とは遠くからははっきり見えるけれど近づいたら消えた幻のようなもの。

晴れた天気に外に出たら急に雨が降る。

喜びの歌がまだ終わらない内に悲しみの歌が聞こえて来る。それを道と呼ぶのだ。」
       (私)

退院して来たお年寄りを喜びの拍手で迎えた。
その時、心臓が苦しいと、救急車で搬送されたおばあさんが亡くなった。
「喜びも悲しみも同時にあるのが道なのだ。」
すべてが幻のように去っていく。
今年は信じられない猛暑だ。
「土(つち)休み」という言葉がある。
春の花が枯れたから、夏の花を植えましょう。
土を休めてから。
素敵な言葉です。
土も生きているのだ。

今の時期も同じ、休みましょう。
猛暑には
ひと(人)休みひと休み。
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