生きる力になれば

ペンネーム良寛地蔵。70代のブログです。言葉で生きる力になればと綴って15年が過ぎました。

思い差し

2018-12-13 19:40:49 | 日々の暮らし
忘年会シーズンになりました。
この人と思う人に盃を
差し出すことを
「思い差(ざ)し」
といいます。

女性から心を込めたお酌や上役から部下に盃を出す時に使われました。

伊達政宗が宴席で、将軍家光に盃を持って
「上様、思い差しつかまつる!」
と持って行きました。

見ていた伊井直孝があわてて止めたという話があります。
上様は盃を受けたといいます。

女性の義理チョコのように「義理差し」があったことでしょう。

一人酒の私には義理差し大歓迎です。

合掌
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雪女と石焼き芋

2018-12-13 04:00:30 | 日々の暮らし
(夢から出来た創作童話)

年の瀬に強烈寒波が日本国中を襲い各地で雪の被害が出始めた。


箱根の温泉地も豪雪に見舞われていた。

旅人の私は旅館からスナックに出掛けいい気分になって歩いて帰ったが、

道に迷ってしまった。

すると着物姿の妖艶な女性が近づいて来て、案内すると腕をつかみ引っ張ってくれた。


道を大きく外れ山の奥深くに来てしまった。



不安になって顔見たら、怖い顔して

さようなら!


と言って、口から吹雪をはいて消えた。

雪女だった。

全身凍りついて

諦めかけていたところ、


『石焼き芋


熱々の焼きたて


石焼き~芋』



と屋台を引いたおじいさんがやって来た。


あんた雪女に連れてこられたんだね。

これ食べな!

と焼き芋を渡された。


熱くて中身がオレンジ色して、密がたれていてとても甘かった。


身体中がポカポカして来た。

種子島産のさつま芋だよと言った。

元気出たら送るから屋台押してくれと言われ汗だくで
雪道を押して歩いた。

旅館に着いたら、おじいさんは良かったね、さようならと言って消えた。


雪道に何故か足跡がなかった。


旅館の女将がよく無事に帰ったと喜んでくれた。


テレビから各地の遭難者が石焼き芋で助かったと放送していた。


そんな石焼き芋屋さんに


弟子入りしたいと

再会を待ちこがれていた。


その時が来た。


雪道にそれて、山奥に歩いていく二人連れを見つけ後をつけた。


着物姿の雪女が


男に口から吹雪を吹き掛けようとしていた。

やめろ!

声を発した。


雪女は私をにらみ

すごい形相で


飛んで来た。


私は荷台から

熱々の

石焼き芋を

取りだし

雪女の口に

差し込んだ。



雪女は暴れ苦しみ

溶けて消えた。


私は石焼き芋の


弟子になったのです。


(随分昔の創作で100話はあります。)

合掌

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ありのすさび

2018-12-13 02:42:47 | 日々の暮らし
今年も沢山のお年寄りを見送りました。

生前の姿が思い出されて心が締め付けられる思いになります。

そんな気持ちを古代の人は

「ありのすさび」と

述べていました。

何か不思議な言葉だと

思いませんか。


「あるときは


ありのすさびに


憎くかりき


なくてぞ人は


恋しかりける」

(源氏物語・桐壷)


近くにいる時には

憎く思うことも

あったが、

いなくなった後に

なってみて、

懐かしさがつのってくる。


古代の人の感情と


現代も同じなんだなあ


と思いました。


笑顔で徘徊していた、

あのおばあさん


体を大学病院に献体してくれと言い残して
逝ったおじいさん。

僕の事を忘れるもんか
といってくれましたね。

みんな懐かしく

思い出しました。

ご冥福をお祈り致します。

合掌
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