19日にホームで行われた2020年明治安田生命J2リーグ第6節大宮アルディージャ戦ですが、試合結果は1対0でヴァンフォーレが勝利しました!ヴァンフォーレの得点は後半に挙げたドゥドゥ選手のゴールでした。
☆3バックと4バックの可変システム
ミッドウィークに行われた東京ヴェルディ戦で大幅にメンバー変更し4失点の敗戦を喫してから中3日。ターンオーバーから今まで試合で起用してきたメンバーに戻して強豪大宮戦に臨みました。フォーメーションはこれまで使ってきた4-2-3-1になることが予想されていましたが、伊藤監督は前節の3-4-2-1のフォーメーションを引き続き採用。中央の攻防に強い布陣でゴールに直結する攻撃を増やし、守備では相手のシュートに繋がるプレーの減少を目指しました。ただし試合中ずっと3-4-2-1のフォーメーションで戦っていくのではなく、守備と攻撃の場面で使い分ける可変型のシステムにチャレンジ。そのシステムをスムーズに可変していくために鍵を握る存在として今回新井選手の存在が注目されました。新井選手は元々はボランチのポジションを主戦場にしている選手ですが、ヴァンフォーレでCBに挑戦するなど年齢を積み重ねていくごとにプレーの幅を広げています。その新井選手が3バック時にはCBの中央に&4バック時にはポジションを上げてボランチの位置に入ります。そして3バックの両脇の選手が中に絞り、ウイングバックが少し下がることで新井選手が抜けた4バックが完成します。新井選手がボランチに入ることで武田選手か野澤選手が一列前のポジションをこなすことになりますが、どちらも攻撃力を備えた選手なので問題なくそのポジションを務めることができます。この新井選手のポジションチェンジがスイッチとなり、チームのフォーメーションを柔軟に変えていくスタイルが今回うまくハマっていたような気がします。
☆前節大量失点の修正を図る
前節はディフェンス陣が崩壊し、創造性豊かな東京Vの攻撃をモロに受けて4失点。守備面で課題を残す結果となりました。そこでチームは短い試合間隔のなかで守備練習に多くの時間を費やして修正を図りました。その効果が今回発揮されるかたちでヴァンフォーレは高い攻撃力を誇る大宮の攻めを次々と跳ね返し、プレスの寄せも鋭く動くなどいつものペースとは違う守備対応をしていました。特に武田選手&野澤選手のボランチの2人は向かってくる相手に対して素早くプレッシャーをかけてプレーの自由を奪うなど、普段は攻撃にかけていた力を守備により比重を傾けていたと思います。ボランチの他にも最終ラインがスライドしてスペースを埋めるディフェンスや前線から連動してプレスをかけていくプレーも試合中頻繁にみられるなど、チーム全員の守備の意識がとても高かったですね。
☆歯車が回らない時ほど貴重なセットプレー
前半から守備に精力的に動いて相手にプレッシャーをかけられていたのですが、肝心の攻撃面はドゥドゥ選手やバホス選手などの個の力を活かした淡白な仕掛けが続き、またあまりリスクをかけて後ろのポジションの選手が攻め上がる姿勢をみせていなかったので、後ろのエリアで多くパスを回したりボランチやサイドハーフの横の繋ぎが目立ったり消極的な姿勢がみられていました。なかなかフィニッシュまで結びつかず攻撃の歯車が合っていない状況でチームを救ったのはセットプレーでした。後半6分にCKのチャンスを得たヴァンフォーレ。藤田選手が放ったキックの弾道はニアサイドにいたドゥドゥ選手にピタリと合います。ドゥドゥ選手はゴールに向かって背を向けて横にいる難しい体勢でしたが、ボールを擦るようにうまく合わせてボレーシュートを打つと、相手GKが反応できず一歩も動けない素晴らしいゴールを決めます。まさにドゥドゥ選手の技術の高さを感じさせるゴールで、相手もほぼ完璧にディフェンスをしていたなかでそこをさらに上回ってきたので精神的なダメージが大きかったと思います。あとセットプレーは試合中どんなに攻撃の連携が噛み合わなくても、その一瞬だけ集中したらゴールが狙える絶好のチャンス。キッカーのピンポイントの供給とシューターの技術で得点を取れるので、そのセットプレーで今シーズンゴールを奪えているのはチームにとって大きなプラス要素だと思いますね。
☆ドゥドゥ選手の守備の貢献
今シーズンで通算在籍年数が4年目となるブラジル人のドゥドゥ選手。ドゥドゥ選手と言えば高い足元のテクニック力を活かしたキレのあるドリブル突破と冷静で正確なシュート技術が真っ先に印象として挙がりますが、派手な攻撃面に隠れがちとなる前線の守備を精力的にこなしていることも忘れてはいけません。この試合でも幅広いエリアを懸命に動き回って相手にプレッシャーをかけるなど、外国籍選手とは思えない勤勉さをみせてチームの組織的な動きに貢献。後半32分に退くまで絶えず動いていた印象でしたね。今回チームの連動した守備が機能したのも彼が前線でディフェンスのスイッチを入れてくれていたからで、ドゥドゥ選手の存在感はとても大きかったと思います。
☆山本選手投入で首脳陣の意思を伝える
大宮は後半18分に2枚替えするなど、前線の選手やサイドからクロスボールを上げられる選手など交代枠を次々と使ってさらに攻勢を強めてきます。その影響を受けてヴァンフォーレは守る時間が続いていてその流れをなかなか変えることができずにいました。リスクを犯して1点を取りに行ってとどめをさすのか、それともこのまま1点差を守り抜くのか戦略を考える悩ましい時間が流れていましたが、その迷いを払拭すべく伊藤監督はその選択肢の答えを出します。その答えが後半32分の山本選手の投入でした。前線の攻撃的なドゥドゥ選手に代えて守備面を得意としているベテランの山本選手を入れることで、山本選手の影響力を駆使してこの点差を最後まで守り切るんだという明確なメッセージを交代枠の使用でピッチの選手たちに伝えました。個人的にはこの交代が試合の明暗を分けたポイントだと思っていて、伊藤監督の方針を知って守備陣たちは一種の覚悟ができたと思います。
☆防戦一方も守り抜く集中力の高さ
後半の中程から終盤の時間帯にかけてヴァンフォーレは防戦一方。大宮の多彩な攻撃の前に自陣のエリアから出られない苦しい展開が続きます。クロスボールやスルーパス&ドリブル突破など様々な仕掛けが襲いかかりますが、ヴァンフォーレの守備陣は懸命にディフェンスを行って次々と相手の攻撃を跳ね返していきます。特に今津選手は抜群の競り合いの強さをみせて飛んでくるハイボールを力強く跳ね返す姿を披露。守備の要として存在感を示しました。最後は最前線で起用されていた194cmのハーフナー・マイク選手もディフェンスに参加してなんとか相手の猛攻を凌ぎ切って1対0の勝利。苦しく厳しい試合をモノにすることができました。個人的には大宮はスタートから背の高い戸島選手を使っていたので、スタートは富山選手で勝負どころでターゲット役となる戸島選手を途中起用していたらもしかしたらパワープレーで押し切られていたかもしれませんね。順番の違いで助かった場面でした。
…やはり勝敗を分けたポイントは伊藤監督の決断でした。試合中、特に後半の展開が激しくなる時間帯では得点を取りに行く&点差を守り切るなど全員の意思が一つに揃っていないと中途半端さが生まれ、相手に隙を付け込まれる要因になってしまいます。それは絶対に避けたいところ。そこのポイントを伊藤監督が交代枠を使って明確化し選手たちに意思を伝えたことで、選手たちもチームの方針が分かって戦いやすかったと思います。終始攻められてシュート数もヴァンフォーレが4本に対して大宮が13本と3倍以上打たれ厳しい試合だったことは間違いありません。一歩足を踏み外したらガタガタと悪い方に崩れていった試合展開だったかもしれません。しかし精神を研ぎ澄まして集中力を最後まで保てたことは評価して良いポイントだと思います。攻撃面では課題が残りましたが、我慢して頑張った守備の奮闘をこれからの試合に活かしてほしいですね。
ホーム連勝おめでとう!次もホームゲームなので、またスタジアムに来てくれたサポーターたちと喜びを分かち合いたいですね。
【公式】ハイライト:ヴァンフォーレ甲府vs大宮アルディージャ 明治安田生命J2リーグ 第6節 2020/7/19
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☆3バックと4バックの可変システム
ミッドウィークに行われた東京ヴェルディ戦で大幅にメンバー変更し4失点の敗戦を喫してから中3日。ターンオーバーから今まで試合で起用してきたメンバーに戻して強豪大宮戦に臨みました。フォーメーションはこれまで使ってきた4-2-3-1になることが予想されていましたが、伊藤監督は前節の3-4-2-1のフォーメーションを引き続き採用。中央の攻防に強い布陣でゴールに直結する攻撃を増やし、守備では相手のシュートに繋がるプレーの減少を目指しました。ただし試合中ずっと3-4-2-1のフォーメーションで戦っていくのではなく、守備と攻撃の場面で使い分ける可変型のシステムにチャレンジ。そのシステムをスムーズに可変していくために鍵を握る存在として今回新井選手の存在が注目されました。新井選手は元々はボランチのポジションを主戦場にしている選手ですが、ヴァンフォーレでCBに挑戦するなど年齢を積み重ねていくごとにプレーの幅を広げています。その新井選手が3バック時にはCBの中央に&4バック時にはポジションを上げてボランチの位置に入ります。そして3バックの両脇の選手が中に絞り、ウイングバックが少し下がることで新井選手が抜けた4バックが完成します。新井選手がボランチに入ることで武田選手か野澤選手が一列前のポジションをこなすことになりますが、どちらも攻撃力を備えた選手なので問題なくそのポジションを務めることができます。この新井選手のポジションチェンジがスイッチとなり、チームのフォーメーションを柔軟に変えていくスタイルが今回うまくハマっていたような気がします。
☆前節大量失点の修正を図る
前節はディフェンス陣が崩壊し、創造性豊かな東京Vの攻撃をモロに受けて4失点。守備面で課題を残す結果となりました。そこでチームは短い試合間隔のなかで守備練習に多くの時間を費やして修正を図りました。その効果が今回発揮されるかたちでヴァンフォーレは高い攻撃力を誇る大宮の攻めを次々と跳ね返し、プレスの寄せも鋭く動くなどいつものペースとは違う守備対応をしていました。特に武田選手&野澤選手のボランチの2人は向かってくる相手に対して素早くプレッシャーをかけてプレーの自由を奪うなど、普段は攻撃にかけていた力を守備により比重を傾けていたと思います。ボランチの他にも最終ラインがスライドしてスペースを埋めるディフェンスや前線から連動してプレスをかけていくプレーも試合中頻繁にみられるなど、チーム全員の守備の意識がとても高かったですね。
☆歯車が回らない時ほど貴重なセットプレー
前半から守備に精力的に動いて相手にプレッシャーをかけられていたのですが、肝心の攻撃面はドゥドゥ選手やバホス選手などの個の力を活かした淡白な仕掛けが続き、またあまりリスクをかけて後ろのポジションの選手が攻め上がる姿勢をみせていなかったので、後ろのエリアで多くパスを回したりボランチやサイドハーフの横の繋ぎが目立ったり消極的な姿勢がみられていました。なかなかフィニッシュまで結びつかず攻撃の歯車が合っていない状況でチームを救ったのはセットプレーでした。後半6分にCKのチャンスを得たヴァンフォーレ。藤田選手が放ったキックの弾道はニアサイドにいたドゥドゥ選手にピタリと合います。ドゥドゥ選手はゴールに向かって背を向けて横にいる難しい体勢でしたが、ボールを擦るようにうまく合わせてボレーシュートを打つと、相手GKが反応できず一歩も動けない素晴らしいゴールを決めます。まさにドゥドゥ選手の技術の高さを感じさせるゴールで、相手もほぼ完璧にディフェンスをしていたなかでそこをさらに上回ってきたので精神的なダメージが大きかったと思います。あとセットプレーは試合中どんなに攻撃の連携が噛み合わなくても、その一瞬だけ集中したらゴールが狙える絶好のチャンス。キッカーのピンポイントの供給とシューターの技術で得点を取れるので、そのセットプレーで今シーズンゴールを奪えているのはチームにとって大きなプラス要素だと思いますね。
☆ドゥドゥ選手の守備の貢献
今シーズンで通算在籍年数が4年目となるブラジル人のドゥドゥ選手。ドゥドゥ選手と言えば高い足元のテクニック力を活かしたキレのあるドリブル突破と冷静で正確なシュート技術が真っ先に印象として挙がりますが、派手な攻撃面に隠れがちとなる前線の守備を精力的にこなしていることも忘れてはいけません。この試合でも幅広いエリアを懸命に動き回って相手にプレッシャーをかけるなど、外国籍選手とは思えない勤勉さをみせてチームの組織的な動きに貢献。後半32分に退くまで絶えず動いていた印象でしたね。今回チームの連動した守備が機能したのも彼が前線でディフェンスのスイッチを入れてくれていたからで、ドゥドゥ選手の存在感はとても大きかったと思います。
☆山本選手投入で首脳陣の意思を伝える
大宮は後半18分に2枚替えするなど、前線の選手やサイドからクロスボールを上げられる選手など交代枠を次々と使ってさらに攻勢を強めてきます。その影響を受けてヴァンフォーレは守る時間が続いていてその流れをなかなか変えることができずにいました。リスクを犯して1点を取りに行ってとどめをさすのか、それともこのまま1点差を守り抜くのか戦略を考える悩ましい時間が流れていましたが、その迷いを払拭すべく伊藤監督はその選択肢の答えを出します。その答えが後半32分の山本選手の投入でした。前線の攻撃的なドゥドゥ選手に代えて守備面を得意としているベテランの山本選手を入れることで、山本選手の影響力を駆使してこの点差を最後まで守り切るんだという明確なメッセージを交代枠の使用でピッチの選手たちに伝えました。個人的にはこの交代が試合の明暗を分けたポイントだと思っていて、伊藤監督の方針を知って守備陣たちは一種の覚悟ができたと思います。
☆防戦一方も守り抜く集中力の高さ
後半の中程から終盤の時間帯にかけてヴァンフォーレは防戦一方。大宮の多彩な攻撃の前に自陣のエリアから出られない苦しい展開が続きます。クロスボールやスルーパス&ドリブル突破など様々な仕掛けが襲いかかりますが、ヴァンフォーレの守備陣は懸命にディフェンスを行って次々と相手の攻撃を跳ね返していきます。特に今津選手は抜群の競り合いの強さをみせて飛んでくるハイボールを力強く跳ね返す姿を披露。守備の要として存在感を示しました。最後は最前線で起用されていた194cmのハーフナー・マイク選手もディフェンスに参加してなんとか相手の猛攻を凌ぎ切って1対0の勝利。苦しく厳しい試合をモノにすることができました。個人的には大宮はスタートから背の高い戸島選手を使っていたので、スタートは富山選手で勝負どころでターゲット役となる戸島選手を途中起用していたらもしかしたらパワープレーで押し切られていたかもしれませんね。順番の違いで助かった場面でした。
…やはり勝敗を分けたポイントは伊藤監督の決断でした。試合中、特に後半の展開が激しくなる時間帯では得点を取りに行く&点差を守り切るなど全員の意思が一つに揃っていないと中途半端さが生まれ、相手に隙を付け込まれる要因になってしまいます。それは絶対に避けたいところ。そこのポイントを伊藤監督が交代枠を使って明確化し選手たちに意思を伝えたことで、選手たちもチームの方針が分かって戦いやすかったと思います。終始攻められてシュート数もヴァンフォーレが4本に対して大宮が13本と3倍以上打たれ厳しい試合だったことは間違いありません。一歩足を踏み外したらガタガタと悪い方に崩れていった試合展開だったかもしれません。しかし精神を研ぎ澄まして集中力を最後まで保てたことは評価して良いポイントだと思います。攻撃面では課題が残りましたが、我慢して頑張った守備の奮闘をこれからの試合に活かしてほしいですね。
ホーム連勝おめでとう!次もホームゲームなので、またスタジアムに来てくれたサポーターたちと喜びを分かち合いたいですね。
【公式】ハイライト:ヴァンフォーレ甲府vs大宮アルディージャ 明治安田生命J2リーグ 第6節 2020/7/19
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