直接現地で観たヴァンフォーレの選手たちの活躍を独自の視点で辛口に評価&採点するこのコーナー。今回の対象試合は10月23日にホームで行われた2021年明治安田生命J2リーグ第35節V・ファーレン長崎戦です。
◇V・ファーレン長崎戦独自採点◇
河田(6)→際立ったファインセーブはなかったものの、ミスが少なく安定したセービングをみせる。経験豊富な不動の守護神はいるだけでチームに安心感を与えている。失点シーンはノーチャンス。
メンデス(6.5)→190cmの長身を活かしたゴール前でのディフェンスはもちろん、今回はセットプレー以外にも積極的に攻撃参加しハイボールでのポストプレーが効果的でチームの決定機によく絡んだ。攻守の両場面で存在感が光っていたと思う。
新井(7)→普段は3バックの中央で守備陣を統率し、試合状況に応じて1列前に出てボランチでプレーする流動性を発揮。3バックと4バックの切り替えのスイッチ役として働き、その可変のタイミングが抜群だった。長崎に攻撃の的を絞らせなかったこの試合の影の主役者と言える。
浦上(6)→メンデス&新井選手と連携してチームの組織的な守備構築に貢献。全体通してのミスもあまりなかったが、開始早々の失点シーンでは得点者の植中選手のマークを外す序盤の時間帯の気の緩みが出てしまった印象だった。
須貝(6.5)→状況に応じて荒木選手と左右のポジションチェンジをしながら、90分間運動量が落ちないでサイドを走り切るスタミナをみせる。後半20分のリラ選手に出したアシストは、敵陣深くまで潜り込んでの利き足ではない左足のクロスボールで抜群の精度だった。
野津田(6.5)→中盤の幅広いエリアを攻守に渡って動き回りチームのリズムを作り出す。得意の左足が火を吹く場面はほとんどなかったが、各ポジションを動いて結びつける中盤のダイナモとして活躍した。後半29分に途中交代。
山田(6)→ボランチとしてコンビを組む野津田選手の動きに合わせてバランスを考えた動きを披露。攻撃面では物足りなかったが、特に守備面では相手に隙を与えない精力的なプレスを敢行し、空きやすいバイタルエリアを埋める働きをみせた。
荒木(6)→今回の試合は基本右側のウイングバックとしてプレー。開始早々に守備陣形が馴染む前に先制パンチを受けてしまったもののその後は落ち着き、攻撃面では縦に突破していくよりは中央を見ながら繋いでサイドを崩していく姿勢をみせる。時折左足で早めに前線に出した対角線上に上げるクロスボールは鋭さがあり効果的だったと思う。
宮崎(6.5)→最近の好調さそのものにゴールが見えたら果敢にシュートを狙っていく積極性をみせる。前半30分の惜しいミドルシュートの場面ではシュートを打つ前に相手選手から体を当てられても怯まない体幹の強さを発揮。今回はゴールに絡めなかったが、自身のプレーで見せ場は作っていたと思う。後半39分に途中交代。
長谷川(7)→最近の宮崎選手や鳥海選手の活躍に触発されたのか長谷川選手も今回立ち上がりから積極的なプレーを敢行。特に先制点のゴールのシーンでは、振りの速い右足アウトフロントキックでシュート回転をかけた魅せるキックでポストに当てるなど技術の高さも披露。そのボールが自身の元に跳ね返ってくるところはそこまでの努力のご褒美だと思う。長谷川選手が失点後すぐに追いつく得点を決めたことが試合の流れを呼び戻せた要因だったと思う。後半29分に途中交代。
ウィリアン・リラ(7.5)→基本は周りを使いながら攻撃の流れをスムーズにする潤滑油的な働きを前線でこなす。攻撃の起点としても機能していたが、後半20分の須貝選手からのクロスボールに合わせて得点したときのリラ選手のゴール前への入っていく動きは秀逸で、混戦の中で相手のマークを外す駆け引きの巧さが感じられた。見事チームを勝利に導く大役をこなした。後半45分に途中交代。
途中出場
中村(6.5)→後半29分、長谷川選手に代わって途中出場。1点リードしていた状況だったので、基本はシャドーの位置にいながらも無理をせずに守勢時にはディフェンスに加わる柔軟性もみせる。中村選手が時折守備に加勢することで相手に隙を作らせないシステム上の守備の布陣が出来上がっていた。
野澤英(6)→後半29分、野津田選手に代わって途中出場。基本は中盤でスペースを作らない組織的な守備構築に奔走していたが、ボールを持っていて前方が空いていた際は大胆な攻め上がりもみせるなど彼の攻撃面の良さも垣間見られた。
山本(6)→後半39分、宮崎選手に代わって途中出場。残り時間少ないなかでの山本選手の任務は中盤の底の位置での守備のさらなる引き締めと前方の相手のスペースに味方を走らせるロングフィードを供給すること。決して目立つプレーではなかったものの、組織的な守備への参加で相手のやりたいことを消すような働きをみせた。
内藤(-)→後半45分、ウィリアン・リラ選手に代わって途中出場。17歳というヴァンフォーレのクラブ史上最年少Jリーグデビューとなった今回は、アディショナルタイム5分間という極めて短い時間で攻撃面ではほとんどボールに触れなかったものの、懸命に前線でボールを追いかけるフレッシュな動きをみせてスタンドのサポーターを沸かせた。やはり出場時間が短すぎたのでもっと長い時間プレーが見たい。
指揮官
伊藤監督(6.5)→前節とは異なりスタートから荒木選手を右に起用した影響が長崎の開始早々の得点に繋がったが、その8分後に長谷川選手が決めたゴールが落ち着きを取り戻すきっかけになった。システムを可変しながら状況に応じた戦略が今回タイミング良くできており、いつもなら後半の始めに替えていたパターンだったリラ選手の交代を見送って替えずに引っ張ったことが後半20分の逆転弾へと結びついたと思う。ただし後半アディショナルタイム1点差のセットプレーの守備のタイミングで、初出場かつ試合にまだ馴染んでいない内藤選手を起用していたが、そこはまだ競り合いの強いリラ選手を残しておいてセットプレーが終わってからの交代でも良かったと個人的には思う。結果的には大丈夫だったが、もしもそこのミスマッチから失点していたら大問題になっていたと思う。多少の疑問点は確かにあったものの、試合の進め方や采配面など良い点の方が圧倒的に多かったため試合全体で考えると監督に対する評価は高かった。
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