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古い写真から蘇る思い出の山旅・その46(再)

2024年04月15日 15時58分18秒 | 山歩記

古い写真から蘇る思い出の山旅・その46
「両神山(りょうかみさん)」(再)

かれこれ27年前の1997年5月に、当時一時所属していた山の会の仲間と、初めて、埼玉県の「両神山」を訪れたことが有った。「両神山」は、深田久弥の「日本百名山」の一座でもあり、若い頃から、一度は訪れてみたいもの思っていたものだったが、山の会の山行日が、大型連休中だったこともあり、思い切って参加したものだった。
当時はまだ、バカチョンカメラ(小型フィルムカメラ)しか持っていなかった頃で、しかも、山歩きをすることのみが目的で、風景や花の写真をやたら撮ろうという頭が、まるで無かったのだろう。プリントしてアルバムの貼って有ったのは、山頂での証拠写真?、1枚しか無い。
その1枚の写真を、「OCNブログ人」でブログを始めた頃に一度、スキャナーで取り込み、ブログ・カテゴリー「山歩記」に、書き留め置いていたが、それをコピペ、リメイク、改めて、「古い写真から蘇る思い出の山旅」に、書き留め置くことにする。
昔のことを懐かしがるのは、老人の最も老人たるところだ等と自嘲しながら・・・。


深田久弥著 「日本百名山」
   「両神山(りょうかみさん)」
(一部抜粋転載)

上野から高崎まで、関東平野を縦貫する汽車の窓から、この平野を囲む山を見ることができる。赤城、榛名、妙義の上州三山や浅間山は、誰の眼にもすぐわかる。注意深い人はさらに多くの山を見出すことができよう。
私がいつも気をつけて見る山に、両神山(りょうかみさん)がある。それは秩父の前山のうしろに岩乗(がんじょう)な岩の砦のさまで立っている。大よその山は、三角形であったり屋根形であったりしても、左右に稜線を引いて山の体裁を作っているものだが、両神山は異風である。それはギザギザした頂稜の一線を引いているが、左右はブッ切れている。あたかも巨大な四角い岩のブロックが空中で突き立っているような、一種怪異なさまを呈している。古くから名山として尊崇されているのも、この威圧的な山容からであろう。それはどんな山岳重畳(ちょうじょう)の中にあっても、一と目ですぐそれとわかる強烈な個性を具(そな)えている。
両神山は、イザナギ、イザナミの両神を祀ってあるところから、その名が来たと伝えられている。わが国の各地にある、二上山(ふたがみやま)も、もとは二神山であって、二峰相並んで雌雄神のさまに立っている。ところが両神山はどう見ても二峰聳立(しょうりつ)の形ではない。それならばどうして両神山と呼ばれるに至ったのだろう。
この山には八日見山(ようかみやま)の別称があり、また竜神山(りゅうがみやま)とも呼ばれていた。小暮理太郎氏は山名の考証に執拗なくらい熱心な人であったが、氏も初めは、八日見山、あるいは、竜神山は、両神山の転訛だろうと思っていた。ところがその後いろいろ古文献を詮索の結果、この山の一番元の名は、八日見山であって、それが竜神となり、両神となったのであろうと述べている。イザナギ、イザナミを祀ったのは、両神山と呼ばれるようになってからであって、それ以前には、二神には、何の関係もなかった。
(中略)
両神山がその特異な山容で人の眼を惹くことは前述の通りで、私も久しくこの山を遠くから眺めながらも、アプローチの不便さを念慮して敬遠していた。ところが近頃とみに発達したバス路線のおかげで、東京を朝発って、翌日の正午にはその頂上に立ち、多年の宿願を果たすことが出来た。
(中略)
山頂に近く両神神社の本社があって、その前に二頭控えているのは普通の狛犬(こまいぬ)でなしに、グレイハウンドに似たオオカミであることが、私の注意をうながした。というのはやはり小暮理太郎氏の考証に、このオオカミが出てくるからである。オオカミすなわち「お犬さま」は、両神神社の眷属(けんぞく)であって、秩父の三峰神社(みつみねじんじゃ)同様、ここでもお犬さまの霊験あらたかなお守るを出している。
頂上には祠(ほこら)があり、その裏の一坪ばかりの岩の平地に三角点があった。幸いに絶好の秋晴れに恵まれ、そこから四周の大観をほしいままにすることができた。頂上は岩の痩尾根(やせおね)で、両側は急峻な傾斜で一気に落ちている。帰途はその痩尾根を辿り、筍のようにニョキニョキ立っている岩峰を幾つも越えて八町峠へ出た。峠から振り返ると両神山は岩屏風を立てたように立ちはだかっていて、昔から名山に数えられただけの貫禄を示していた。


山行コース・歩程等

白井差 → 昇竜ノ滝(不動ノ滝) → 大又(大俣) → (枯スス沢) → 鏡場 →
御手洗場 → 一位ガタワ → 鏡平 → 両神神社 →御岳神社 → (富士見坂) →
(クサリ場) → 両神山山頂(標高1,723.5m) → 白樺平 → 大笹 → 
(梵天尾根) → ヒゴノタワ → ミヨシの岩 → 大峠 → (黒松沢) → 
(すげさか尾根) → 大栃 → 白井差

(標準歩行所要時間=約5時間30分)

(昭文社の「山と高原地図」から拝借)

当日、午前9時15分、西武秩父駅改札口に集合し、
タクシーに分乗、約50分、
10時15分頃、登山口のひとつ、「白井差」に到着したようだ。
記憶定かで無いが、広い駐車場等が無く、
マイカー、20~30台が路上駐車していて
すれ違い出来ないような状態だった気がする。

10時30分頃、「白井差」を出発。
いきなり急登の連続で喘いだとメモが有る。
「鏡場」のあたりには、ニリンソウの群生地が有ったようだが、
全く、写真は撮っていなかったようだ。
多分、教えてもらっても、花の写真と撮ろうともしなかったのか、
そんな余裕が無かったのか、だろう。

12時頃、「鏡平」に到着し、昼食タイム、

13時頃、「両神山山頂」(標高1,723.5m)に到着。
狭い山頂、大変な混雑、証拠写真撮りもままならない状態だった気がする。

山頂でゆっくりすること叶わずで、直ぐ、「梵天尾根」方向に出発、
急下降、急登、の連続、
岩稜に、アカヤシオ、
展望も良好だったが、余裕が無かったのか、全く写真を撮っていない。

14時40分頃、「大峠」(標高1,375m)通過。

15時30分頃、「白井差」に帰還、
予約していたタクシーに分乗し、西武秩父駅へ戻り、
17時に解散、
乗り換え、乗り換えで、
帰着したのは、20時頃、
早朝6時に自宅を出てから、14時間、
長い1日が終わったのだった。

当時はまだ、「季節を変えて、また訪れてみたい」的な気分だったはずだが、結局、それが、最初で最後の「両神山」山行となってしまった。今となっては、「両神山」もまた、遠い思い出の山の一つになってしまっているのだ。

 


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