たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

藤沢周平著 「静かな木」

2018年10月31日 09時40分57秒 | 読書記

図書館から借りていた、藤沢周平著「静かな木」(新潮社)を読み終えた。本書には、あっと言う間に読み終わるような非常に短い作品、「岡安家の犬」「静かな木」「偉丈夫」の3篇が収録されている。平成10年に出版されたもので、平成9年1月に亡くなっている著者の遺作になるのだそうだ。いずれも、藤沢周平作品に度々登場する、江戸時代の東北の架空の小藩「海坂藩」が舞台の作品。

〇「岡安家の犬」
海坂藩の近習組を務めている岡安家、十兵衛門は隠居の身、息子は他界し、当主は 孫の甚之丞、甚之丞の母、妹の八寿、奈美の家族5暮らし。家族全員 犬が大きで アカという犬を飼っていた。ある時、甚之丞が 妹八寿の嫁入りが決まっていた親友の野地金之助、関口兵蔵と犬鍋を食べたが それが アカの肉だったことで 友情決裂、あわや果し合いに成る寸前に。
強情な金之助、見栄っ張りの金之助は 親に置手紙をして姿を消したが 苦労してアカと似た犬を探し出して 岡安家に現れ 甚之丞も許し 八寿も喜びの涙を流す。

〇「静かな木」(表題作)、
5年前に隠居した布施孫左衛門は 福泉寺の境内に立つ欅の大木を見て過している。嫡男の布施権十郎は勘定方に出仕しており、二男の邦之助は間瀬家に婿入りしている。
その間瀬邦之助が 果し合いをすると聞き 孫左衛門が一計を案じる。事件の裏には 藩内に派閥争いが絡んでいたのだ。

〇「偉丈夫」
「海坂藩」初代藩主政慶は 二男の仲次郎光成を愛し、死没する際 藩から一万石を削って 仲次郎に与え 幕府の許しを得て 支藩とした。政慶公が死没してから70年程経って 漆の木をめぐって 本藩と支藩の境界争いが生じたが 支範「海上藩」に属していた片桐権兵衛は 本藩との掛け合い役に抜擢された。権兵衛は 六尺近い巨体の持ち主だが蚤の心臓で無口、本藩の掛け合い役 加治右馬之助は熟練、能弁。一方的に打ち負かされ 漆の山は 二分に線引きすることを承知させられそうになったが、それまで黙っていた権兵衛が 最後に 突然びっくりするような大声を発し 「それは出来申さん」、「初代藩主の遺志を曲げるとなれば 弓矢をとって一戦も辞さぬ覚悟・・・」、一転 立場が逆転、線引き問題は無かったことになる。
ユーモラスな結末だが 現代社会においても 似たような話が有るような気がする。
藤沢周平著 「漆の実のみのる国」を読んだ記憶が まだ残っているが 関連作品と言える。

 

 

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北陸新幹線で日帰り帰郷

2018年10月30日 20時20分58秒 | 暮らしの記録

今日は 亡き父の弟になる叔父の訃報を受け 急遽 葬儀告別式参列のため 北陸新幹線で 日帰り帰郷してきた。
まだ暗い中、午前4時台の始発電車で 先ず東京駅へ、
東京駅6時28分発、はくたか551号 金沢行きに乗車、

ゆっくり眺めたい車窓風景も あっと言う間に見えなくなり・・・、

  

午前9時30分からの葬儀告別式に ギリギリ間に合い お悔やみの挨拶もそこそこ式場へ。
読経、焼香、出棺、火葬場、お斎の席、お骨拾い、初七日法要、
滞りなく行われ 終わると直ぐ 親戚の若い衆に駅まで送ってもらい 再び 北陸新幹線 はくたか号で 帰途に付いた。

関東甲信地方は 気持ち良く晴れた一日だったが、北陸は 時折 雨脚が強くなる荒れた天気だったが 出棺の時間帯だけ 薄日が射したり・・、
引き出物等重い荷物を持って帰着し 遅い夕食を終え ほっと一息入れているところだ。
北陸新幹線が無かった時代では 考えられなかった 日帰り帰郷。
今週末には 昨年永眠した母親の一周忌法要を郷里の菩提寺で営むため 再び 北陸新幹線で 帰郷しなければならず 慌しい一週間になりそうだ。




 

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ふっと思い出した故郷の言葉 No.39 「かたねる」

2018年10月29日 10時24分31秒 | 懐かしい故郷の方言

第2次世界大戦末期、父親の生まれ故郷北陸の山村に自主疎開し そのままその地に定住した一家の子供でした。
父親を除き 根っからの地元人でなかったことも有り 家族の東京言葉と方言が入り混じった環境で育ちました。
なんとなく聞いたり話したりしていた方言も 完全には身についておらず 故郷を離れて60年余り、ほとんど忘れてしまっていますが 時々 なにかのきっかけで ふっと思い出すことが有ります。
多少ニュアンスが違っていたり 記憶違いだったりすることも有りですが、
また すっかり思い出せなくなる前に 書き留め置くことにしているのです。

No.39 「かたねる」

「担ぐ」という意味合いで 聞いたり話したりしていたように思います。

例えば

「アンチャガ イネカタネテハコンデクレルソイ タスカルワネ」
(上の子が 稲を担いで運んでくれるので 助かりますよ)

「オモタイゼネ、カタネエルカネ」
(重たいですよ、担ぐこと出来ますか)

 

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庭の彩り

2018年10月29日 09時03分44秒 | 爺さんの備忘録的花図鑑

秋深まり 次第にさびしくなっている庭の彩り

トラディスカンティアの葉

カシワバアジサイの葉

ホトトギス、

ランタナ

ピラカンサ、

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諸田玲子著 「来春まで」

2018年10月28日 18時14分16秒 | 読書記

図書館から借りていた 諸田玲子著 「来春まで」(新潮社)を 読み終えた。

諸田玲子著 「来春まで」

第1話 女ごころ、
第2話 新春の客、
第3話 杜の森の殺人、
第4話 七夕の人、
第5話 蝸牛、
第6話 鷹匠の妻、
第7話 来春まで、

代々 幕府の御鳥見役を務める矢島家の家付き女房、珠世(たまよ)を主人公とする、「お鳥見女房シリーズ」の第7番目の作品だ。
「来る者は拒まず」、ころころと良く笑い 両頬にえくぼが出来る 明るく世話好きな珠世、
そんな珠世を慕い、様々な人物が頼ってくるが 相手の立場に立って 明るさと機転、慈愛をもって対処、問題を解決していく物語である。
登場人物に 「珠世どののそばにいると 誰もが身内のように思えてくる」と 言わせる魅力的な女性なのだ。

前作「幽霊の涙」は 御鳥見役の裏の任務、密偵で相模に赴き、死地に追い込まれた嫡男久太郎の命を助け、そのために一命を落とすことになってしまった波矢とその祖父彦三に詫びと礼をするべく 珠世は相模まで出掛け 波矢の墓前で安堵するところで終わっていた。
「来春まで」では 不妊だった 久太郎、恵以夫婦にも待望の初子が恵まれる等 おめでたが続く矢島家だが 次々と難題が持ち込まれ その都度 珠世が動き、おさまっていく。

第7話(六)では 夫で御鳥見役の伴之助が隠居し その労をねぎらう宴に 矢島家に関わる大勢の人達が集まる場面となる。
御鳥見役として活躍する嫡男久太郎、妻の恵以と初子沙耶、次男で大番組与力永坂家の夫婦養子となり上方在番から帰国した久之助、妻のと猶子光之助、旗本家に嫁いだ長女幸江とその息子2人、菅沼家に嫁いだ次女君江と夫隼人石塚源太夫と妻の多津先妻の子供5人と多門、・・・、
珠世が手厚く看病していたシャボン玉売りの藤助は 昔の恩人、親方の子供にシャボン玉をみせるため三河に旅立ってしまい 楽しみにしていた皆が落胆するが、来春にはきっとやってくると、皆でうなづき合う。
珠世とは従姉で矢島家の居候になっている登美が茶の間と庭を見渡して言う。「それにしても いつのまにやら・・・・、矢島家にこれほどややこが集うことになろうとは 思いもしませんでしたよ」、同じく居候の松井治左衛門も言う。「子は宝。末広がりでめでたしめでたし」
(本書の表紙の装画は その様子を表現しているのだと思われる)
珠世が言う。「主どの。長年のご苦労が報われましたね。あらためまして、ほんとにありがとうございました」、伴之助が言う。「なに、そなたの笑顔と労りがあったらばこそ・・・。こちらこそ礼を申す」。娘達を従えて厨へ向かう珠世の口元に、とびきりのえくぼが浮かんだ。
なんとなく完結?的な終わり方になっているが、次作が有るのだろうか。

読書初心者の爺さん、お鳥見女房シリーズ 第1弾「お鳥見女房」、第2弾「蛍の行方」、第3弾「鷹姫さま」、第4弾「狐狸の恋」、第5弾「巣立ち」、第6弾「幽霊の涙」、第7弾「来春まで」、を読み終えて、ある種、達成感のような?、自身が付いたような?、気分になっている。これまで、長編小説や、シリーズ物小説を一気に最後まで読み通した等という記憶が全く無く、生まれ初めての経験である。諸田玲子氏の小気味良い物語の展開、全体的に平易な文章が心地好く、読みやすい作品だったからこそかも知れないが、次作を読みたくなっている。

 

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キヌサヤエンドウ、スナップエンドウ 種蒔き 他

2018年10月28日 15時49分15秒 | 畑日誌(見様見真似の野菜作り)

当地 今日は やや雲が多いものの 爽やかな秋日和、
絶好の行楽日和・・・・、
でしたが 
それどころではなく・・・・、
やおら 畑へ。
実は 今週、郷里の菩提寺で 母親の一周忌法要を営むため各種段取り、準備をしてきたが、
昨日 亡父の弟に当たる叔父の訃報が飛び込んできて、
今週中に2回も 帰郷しなければならない事態となってしまった。
今週いっぱい、畑に行く時間は無さそうだし・・・、
今日 やるっきゃないか・・・、

(1)キヌサヤエンドウ、スナップエンドウの種蒔き、
  先日 下準備しておいた畝に溝を掘り 元肥(配合肥料)を施し 種蒔き、

(2)ハクサイ、ダイコンの畝の草取り、

(3)ホウレンソウ初収穫、

(4)コマツナ(小松菜)初収穫、

ハクサイ(白菜)、

キョウナ(京菜)

 

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10日振りのスイミング

2018年10月27日 21時58分41秒 | スイミング

畑仕事で筋肉痛腰痛・・・
体調イマイチ・・・
法事で帰郷・・・、

ここのところ なんだかんだ有って 休んでいた(サボっていた)、
スイミングクラブ成人クラスレッスン、
11月初めには数日間 恒例の休館日があるため
今日出席しないと 半月以上のブランクになってしまうしなあ・・・、
やおら重い腰を上げ 
19時~20時のレッスンに出席し 先程 帰ってきたところだ。
10日振りのスイミング。
今日は O指導員によるバタフライ中心レッスン、
毎度のこと 基本、基本の繰り返しだが 特に姿勢をチェックされた。
リズム、タイミングはまずまずながら 
「もっと目線を低く、顎を引いて頭を低く」を 注意された。
今日は 気合を入れ レッスン終了後 居残り、
疲れを知らない?ベテラン女性陣のうしろにくっついて
クロール 50m×10本、
4種目 100m 
喘ぎながらも なんとか泳ぎ切り 
気分すっきり、心地好く疲れて 引き上げることが出来た。


 

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ふっと思い出した故郷の言葉 No.38 「よっぴて」

2018年10月27日 09時40分36秒 | 懐かしい故郷の方言

高校卒業まで住んでいた北陸の山村、故郷を離れてから60年余りにもなり 当時 話したり聞いたりしていた言葉(方言)も すっかり忘れてしまっていますが なにかのきっかけで ふっと蘇ることが有ります。
記憶曖昧、多少 ニュアンスが違っていたり 記憶違いだったりすることも有りですが また すっかり思い出せなくなってしまわない内に 書き留め置くことにしています。

No.38 「よっぴて」、

「一晩中」「夜通し」というような意味合いで 話したり聞いたりしていたように思います。

例えば

「コドモガ ネツダシテシモテ ヨッピテ ネラレンカッタワネ」
(子供が 熱を出してしまい 一晩中 眠れませんでしたよ)、

「ヨッピテ カゼフイテタソイ カワイタンナイカネ」
(一晩中 風が 吹いていましたから 乾いていると思いますよ)

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諸田玲子著 「幽霊の涙」

2018年10月26日 13時29分51秒 | 読書記

図書館から借りていた 諸田玲子著 お鳥見女房シリーズ第6弾 「幽霊の涙」(新潮社)を 読み終えた。

諸田玲子著 「幽霊の涙」

第1話 幽霊の涙、
第2話 春いちばん、
第3話 ボタモチと恋、
第4話 鷹は知っている、
第5話 福寿草、
第6話 白暁、
第7話 海辺の朝、

代々 幕府の御鳥見役を務める矢島家の家付き女房珠世(たまよ)を主人公とする「お鳥見女房シリーズの第6弾目の作品だ。
珠世は、ころころとよく笑い、両頬にえくぼが出来る、明るい真っ直ぐな性格の女性、家族や関わりの有る人達に、次々巻き起こる問題、事件、危機に対しても、持ち前の明るさと機転、人情で対処し、乗り越えていく物語である。
前作「巣立ち」は 実の父親矢島久兵衛門が没するところで終わっているが、今作では 御鳥見役として出所する長男久太郎や、大番組与力永坂家の婿養子になった次男久之助、嫁いでいる長女幸枝、君江、石塚源太夫の子供達等 それぞれ成長した次世代の問題、事件、危機を中心に描かれている。
そんな彼らに対しても 決して表には出ず、少し離れた所から温かく見守りながら 手を打つところには手際良く手を打ち 大胆に行動する珠世である。
第1話から第7話まで 物語の展開は小気味好く 一気に読んでしまえるが 今作の最も大きな流れは 御鳥見役の裏の任務、密偵で相模に出掛け、殺されそうになり 一命をとり止め 無事生還する 長男久太郎の物語だ。
老中首座をめぐる 青山下野守と阿部伊勢守の不和陰謀に巻き込まれてしまった久太郎。
崖から転落させられ意識不明の状態の久太郎を助けた猟師彦三とその孫娘波矢と 約半年間過した久太郎。
その間は 行方不明の状態で 懸命に捜索が続けられるが それを案ずる矢島家の家族、夫伴之助、珠世、久太郎の妻恵以は 次第に焦りが。石塚家の次男源次郎、恵以が 相模へ捜索に向かう。
骨折も癒え、一刻の猶予ままならない事態となり 久太郎は 思いをよせていた波矢を裏切り 黙って彦三、波矢の家を去り 江戸に生還したが 以後 済まない気持ちが久太郎を苦しめる。
久太郎を追って江戸まで現れ 秘密を探っていた波矢は 事故か?殺害か? 若い命を落としてしまう。久太郎との関わりがなければ 落とさなくても良かった命である。
かって 父親久兵衛門、夫伴之助も 同じ苦しみを抱えていたことを知る珠世は 責任感の強い久太郎の気持ちを思いやる。江戸から外に出たことのない珠世が、辰吉親分付き添いで、彦三に詫びを入れるために、相模まで出掛ける。波矢の墓の前に 彦三と珠世が並び合掌、珠世は 彦三に何も話していなかったが 彦三には 珠世が何故訪ねてきたかがわかっていたようで いかめしい老人の横顔がおだやかだった。
珠世が 雑司が谷から三浦半島?付近まで 1泊2日で 歩いて行く???、
ちょっと 考えられないが そこが小説の面白いところ、
出来過ぎの妻で有り、母で有り、姑で有る珠世、こんな魅力的な女性は居るはず無いと思いながらも、憧れてしまう。
「来春まで」に つづく。

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裾濡らす 露踏む小径 清し朝

2018年10月26日 08時18分50秒 | 散歩・ウオーキング

当地 今朝は 曇天ですが 爽快でした。
舗装していない遊歩道を歩いて帰ると ズボンの裾が 露で濡れる今日この頃、
秋の深まりを感じます。

「裾(すそ)濡らす 露踏む小径 清し(すがし)朝」

コキア
和名 ホウキギ、イソボウキ、ホウキグサ、
ヒユ科、バッシア属、春蒔き1年草、
原産地 西アジア、中央アジア、
開花期 9月頃、花は淡黄緑色で小さく目立たない、雌花雄花が有る、
秋 整った形のまま、長期間真っ赤に紅葉するため、観賞用に植えられることが多いが、
刈り取って陰干しし、草箒(クサボウキ)を作るのにも利用される。

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